下痢と便秘を繰り返す原因は?過敏性腸症候群の真実

こんにちは!平井鍼灸院の鈴木開登です
先週は「離脱症状を乗り越えるためには?知っておきたい基礎知識」についてお伝えしました。
下記も一緒に読んでください。
https://hirai-harikyu.com/case/case-6571/

今回は、「下痢と便秘を繰り返す原因は?過敏性腸症候群の真実」についてお伝えしています。

腹痛でお腹を抑えている

過敏性腸症候群は、腸の機能に問題がありながら、明確な器質的異常(腫瘍や炎症など)が見つからない慢性の消化器疾患です。

過敏性腸症候群の主な原因

  1. 脳腸相関の乱れ
    腸と脳は密接に結びついており、これを「脳腸相関」と呼びます。ストレスや不安が脳に影響を与えると、自律神経を介して腸の働きにも異常が現れます。

    • ストレスが交感神経を過剰に刺激 → 腸の運動が活発化 → 下痢
    • 副交感神経が働きすぎる、または低下する → 腸の動きが停滞 → 便秘
  2. 腸内環境の乱れ
    腸内の善玉菌と悪玉菌のバランスが崩れると、消化や吸収の過程で異常が生じ、下痢や便秘が引き起こされます。

  3. 食事の影響

    • 消化しにくい糖質(FODMAPと呼ばれる食品)が腸内でガスを発生させ、腹部膨満感や下痢を引き起こす。
    • 繊維質の不足や過剰摂取が便通のリズムを崩す。
  4. ホルモンの影響
    特に女性の場合、月経周期に伴うホルモンの変動が腸の働きに影響を与え、便秘や下痢を繰り返すことがあります。

  5. 慢性的なストレスと自律神経の乱れ
    長期的なストレスは腸の運動機能を調整する自律神経のバランスを崩し、腸が敏感になりすぎる状態(腸過敏)を引き起こします。

過敏性腸症候群の症状

下痢型
  • 特徴:
    頻繁な下痢や水様便が主な症状です。排便回数が増加し、急な便意(切迫感)を感じることがあります。
  • 原因:
    腸の蠕動運動が過剰に活発であるため、消化物が速く移動し、十分に水分が吸収されないことが原因とされます。

    下痢型

    • 特徴:
      便が硬く排便が困難で、長期間便秘が続くことが特徴です。腹痛や膨満感を伴うことがあります。
    • 原因:
      腸の蠕動運動が弱いため、消化物の通過が遅くなり、水分が過剰に吸収されることが原因と考えられます。
    便秘型
    • 特徴:
      便が硬く排便が困難で、長期間便秘が続くことが特徴です。腹痛や膨満感を伴うことがあります。
    • 原因:
      腸の蠕動運動が弱いため、消化物の通過が遅くなり、水分が過剰に吸収されることが原因と考えられます。
    混合型
    • 特徴:
      下痢と便秘が交互に現れるタイプです。症状が変動しやすく、管理が難しいのが特徴です。
    • 原因:
      腸の蠕動運動が不安定で、時に過剰になったり、逆に弱くなったりすることが原因とされます。

    鍼灸が過敏性腸症候群に効果的な理由

    1. 自律神経の調整
      IBSは自律神経のバランスが乱れることで腸の機能に異常が生じることが多いです。

      • 鍼灸は、副交感神経と交感神経のバランスを整え、腸の運動を正常化します。
      • 特定のツボ(例:中脘、天枢、大腸兪)を刺激することで胃腸の働きを直接促進します。
    2. ストレス緩和
      IBSはストレスが大きな誘因であり、心身のリラックスが重要です。

      • 鍼灸には、ストレスホルモンであるコルチゾールを低下させる効果が報告されています。
      • リラックス効果により、過敏な腸の神経反応を和らげます。
    3. 脳腸相関の改善

      • 鍼灸は、脳と腸の間のコミュニケーション(脳腸相関)を改善する可能性があります。
      • 鍼刺激が迷走神経を活性化し、腸の過敏性を低減することが示唆されています。
    4. 痛みや不快感の軽減

      • IBSでは腹部の不快感や痛みがよく見られますが、鍼灸はこれらの症状を緩和します。
      • エンドルフィンの分泌を促し、痛みを抑える効果があります。
    5. 炎症の抑制

      • 腸内で軽度の炎症がIBS症状の原因となる場合がありますが、鍼灸は炎症を抑える効果も報告されています。

    本日も最後まで読んで頂きありがとうございます。
    平井鍼灸院 鈴木開登

    院長梅田俊【監修】
    平井鍼灸院 院長 梅田俊
    鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師
    鍼灸師
    【所属】
    2015年~ 日本自律神経研究会
    日本自律神経研究会
    【資格】
    2011年 国家資格はり灸師、あん摩マッサージ指圧師免許取得
    2016年 自律心体療法上級者施術認定者取得
    2018年 クレニアルテクニック上級施術認定者取得