坐骨神経痛は何科?まずは整形外科を受診|症状別の治療と病院選び
お尻から足にかけて痛みやしびれが生じる坐骨神経痛の症状が出たとき、一体何科に行けばいいのか迷うかもしれません。
さまざまな診療科が考えられますが、結論として、まずは骨や神経を専門とする整形外科を受診することを推奨します。
整形外科では、坐骨神経痛の根本原因を特定するための精密な検査が可能であり、その後の治療方針を正確に立てることができます。
この記事では、坐骨神経痛で何科を受診すべきか、その理由と症状に応じた病院選びについて詳しく解説します。
坐骨神経痛の症状があるなら、まずは整形外科の受診を推奨
お尻やもも、ふくらはぎ、膝の裏などに痛みやしびれを感じる坐骨神経痛は、症状の総称であり、その原因の多くは腰にあります。
腰痛を伴うケースも少なくありません。
そのため、骨・関節・神経といった運動器の専門家である整形外科を受診することが、適切な診断と治療への第一歩となります。
症状の原因がヘルニアなど腰にあるのか、それとも他の病気が隠れているのかを特定するためにも、まずは整形外科を受診しましょう。
自己判断で放置すると、症状が悪化してしまうかもしれません。
坐骨神経痛で整形外科を受診すべき3つの理由
坐骨神経痛の症状でどの病院へ行くべきか迷った際、第一選択肢として整形外科が挙げられるのには明確な理由があります。
原因を特定するための検査設備が整っていること、治療の選択肢が豊富であること、そして坐骨神経痛と似た症状を示す他の病気との鑑別が可能であること。
これらの理由から、整形外科は坐骨神経痛の診断と治療において中心的な役割を担っており、最初に相談する場所として最も適しています。
レントゲンやMRIで痛みの根本原因を特定できるから
坐骨神経痛の主な原因には、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症など、腰の骨やその周辺組織の問題が挙げられます。
整形外科では、レントゲン検査によって骨の変形やズレの有無を確認し、MRI検査を用いて神経の圧迫状態や椎間板などの軟部組織を詳細に観察することが可能です。
これらの画像検査を組み合わせることで、痛みやしびれの根本原因を客観的なデータに基づいて特定できます。
正確な診断がつくことで、その後の治療方針も的確に決定されるため、検査設備の整った整形外科への受診が重要です。
投薬・注射・リハビリ・手術まで幅広い治療法を選択できるから
整形外科では、診断結果に基づいて多角的な治療アプローチが可能です。
初期段階では、痛みや炎症を抑えるための内服薬や外用薬、血行を促進する薬物療法が中心となります。
痛みが強い場合には、神経ブロック注射といった即効性のある治療も行われます。
また、理学療法士の指導のもとで運動療法や物理療法などのリハビリテーションを進め、機能回復を目指します。
これらの保存的治療で改善が見られない重度のケースでは、神経の圧迫を取り除く手術も選択肢に入ります。
このように、初期治療から外科的介入まで一貫した対応ができる点が整形外科の強みです。
坐骨神経痛に似た他の病気との鑑別診断が可能だから
お尻から足にかけての痛みやしびれは、坐骨神経痛以外の病気が原因で生じることもあります。
例えば、足の血管が詰まる閉塞性動脈硬化症や、婦人科系の疾患、稀ですが悪性腫瘍などが背景に隠れている可能性も否定できません。
整形外科医は、専門的な知識に基づいて問診や身体診察、各種検査を行い、これらの病気ではないかを見極める鑑別診断を行います。
万が一、整形外科の領域外の病気が疑われた場合でも、責任をもって適切な専門科へ紹介してくれるため、最初の相談窓口として安心して診察を受けられます。
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【症状・目的別】整形外科以外の診療科の選び方
坐骨神経痛の診療は整形外科が基本ですが、症状の出方や治療に求める目的によっては、他の何科の病院を受診した方が良いケースもあります。
例えば、耐えがたい痛みを今すぐ取り除きたい場合や、神経症状が特に顕著な場合などです。
整形外科での診断を受けた後、より専門的な治療のために紹介されたり、並行して通院したりすることも考えられます。
内科領域の疾患が関連している可能性も考慮し、総合的な視点で診療科を選択することが大切です。
痛みをすぐに和らげたいなら「ペインクリニック科」
ペインクリニック科は、痛みの診断と治療を専門とする診療科です。
坐骨神経痛による激しい痛みで、歩行や睡眠などの日常生活に大きな支障が出ている場合、痛みを迅速に緩和する目的で受診が検討されます。
主な治療法は、痛みの原因となっている神経の周辺に局所麻酔薬を注入する「神経ブロック注射」です。
この注射によって痛みの伝達を遮断し、つらい症状を和らげます。
ただし、これは対症療法が中心となるため、根本的な原因を治療する整形外科と連携しながら治療を進めることが一般的です。
しびれや麻痺の症状が強い場合は「神経内科」も選択肢に
神経内科は、脳、脊髄、末梢神経、筋肉といった神経系統の病気を専門に扱う診療科です。足のしびれや麻痺、力の入りにくさといった坐骨神経痛の症状が重い場合(排尿・排便障害を伴うなど)に受診が検討されます。神経伝導速度検査などの専門的な検査を用いて、神経のどこに、どの程度の障害が起きているかを詳細に評価することが可能です。
整形外科の検査で明らかな原因が見つからない場合や、神経自体の変性が疑われる際に神経内科の受診が有効となることがあります。一般的に坐骨神経痛の治療は整形外科やペインクリニックが最も適切な診療科とされています。まずは整形外科で相談し、必要に応じて専門医への紹介を受けるのが良いでしょう。
脳や脊髄の病気が疑われるなら「脳神経外科」
脳神経外科は、脳や脊髄の疾患に対して主に手術による治療を行う診療科です。
坐骨神経痛の原因が腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症であり、薬やリハビリといった保存療法で効果がなく手術が必要と判断された際に、整形外科から紹介されることがあります。
また、頻度は高くないものの、脊髄腫瘍といった重篤な病気が足の痛みやしびれの原因となっているケースも存在します。
症状の悪化が急速である、排尿障害を伴うなど緊急性が高い場合は、脳神経外科での精密検査や治療が必要になることも考えられます。
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整形外科と整骨院・鍼灸院はどう違う?行くべきはどっち?
坐骨神経痛の症状がある際、整形外科と整骨院・鍼灸院のどちらに行くべきか迷うかもしれません。
明確な違いとは、整形外科は医師が診断と治療を行う医療機関であるのに対し、整骨院は柔道整復師、鍼灸院は鍼灸師が施術を行う場所であるという点です。
レントゲンやMRIによる検査、薬の処方、注射、手術といった医療行為は医師のみに許可されています。
したがって、まずは痛みの原因を正確に特定するために整形外科を受診し、医師の診断を受けることが大原則です。
こんな症状は危険信号!すぐに病院へ行くべき坐骨神経痛のサイン
坐骨神経痛の症状の多くは、ただちに生命に関わるものではありませんが、中には緊急の対応を要する危険なサイン(レッドフラグ)が存在します。
具体的には、「急に足に力が入らなくなり、つま先が上がらない」「尿意を感じない、尿が漏れるなどの排尿・排便障害がある」「サドルの当たる部分(会陰部)にしびれやほてりを感じる」といった症状です。
これらは馬尾症候群という重篤な神経障害の可能性を示唆しており、放置すれば下半身の麻痺などの後遺症が残る危険性があります。
これらの症状がみられた場合は、すぐに病院を受診してください。
病院ではどんなことをする?坐骨神経痛の検査から治療までの流れ
整形外科にかかるのが初めての場合、どのようなことが行われるのか不安に感じるかもしれません。
坐骨神経痛の診療は、一般的に「問診」「身体診察」「画像検査」「治療方針の決定」という流れで進みます。
医師が患者の話を聞き、体を動かして症状を確認し、レントゲンやMRIで原因を特定した上で、最適な治療法を提案します。
この一連のプロセスを理解しておくことで、安心して受診に臨むことができ、医師とのコミュニケーションも円滑に進みます。
問診や身体診察で症状を詳しく確認
診察の第一歩は、医師による詳しい問診です。
「いつから、どこが、どのように痛むか」「しびれの範囲はどこか」「どんな姿勢や動作で症状が楽になるか、あるいは悪化するか」などを具体的に質問されます。
これに続いて、身体診察が行われます。
医師が実際に患者の体を動かしたり、感覚を調べたりして、神経の障害がどのレベルで起きているかを評価します。
代表的な診察方法には、仰向けで膝を伸ばしたまま脚を持ち上げる「下肢伸展挙上試験(SLRテスト)」があり、坐骨神経の圧迫の程度を調べます。
画像検査(レントゲン・MRI)で原因を特定
問診と身体診察から坐骨神経痛が疑われる場合、原因を特定するために画像検査を検討することがあります。レントゲン(X線)検査では、骨の変形や骨と骨の間隔、すべり症の有無などを確認できます。ただし、レントゲンでは神経や椎間板などの軟部組織は映らないため、より詳細な情報が必要な場合はMRI検査が実施されることがあります。
MRIは、神経の圧迫部位や程度を明確に映し出すことができ、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症といった一部の原因疾患の診断に役立つことがあります。しかし、画像検査は常に有効であるとは限らず、急性腰痛の場合、重篤な疾患を示唆する症状(レッドフラッグ)がない限り、早期の画像検査は推奨されないこともあります。坐骨神経痛の原因は多岐にわたり、画像検査では捉えられない機能的な問題によって引き起こされるケースもあるため、診断には総合的な判断が必要です。
症状に合わせた治療法(保存療法・手術)を決定
各種検査の結果を総合的に判断し、医師が最終的な診断を下して治療方針を決定します。
坐骨神経痛の治療は、まず「保存療法」から始めるのが基本です。
これには、痛みや炎症を抑えるための薬物療法(内服薬・湿布)、神経ブロック注射、そして理学療法士による運動療法や物理療法といったリハビリテーションが含まれます。
数ヶ月間、これらの保存療法を継続しても症状の改善が見られない場合や、日常生活に著しい支障をきたす重度の麻痺や排尿障害がある場合には、神経の圧迫を取り除くための「手術療法」が検討されます。
坐骨神経痛を引き起こす代表的な原因疾患
「坐骨神経痛」は病名ではなく、お尻から足にかけて現れる痛みやしびれなどの症状の総称です。
この症状の裏には、坐骨神経が圧迫されたり刺激されたりする原因となる疾患が必ず存在します。
代表的なものとして、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症が挙げられ、これらが原因の大部分を占めます。
ほかにも梨状筋症候群など、さまざまな原因が考えられるため、整形外科で原因を正確に突き止めることが適切な治療につながります。
腰椎椎間板ヘルニア
腰椎椎間板ヘルニアは、背骨のクッションの役割をする椎間板の中にある髄核という組織が外に飛び出し、神経を圧迫する病気です。
比較的若い世代から壮年層に多く、坐骨神経痛の代表的な原因の一つです。
前かがみの姿勢や重い物を持ち上げる動作がきっかけで発症することが多く、腰痛とともに片側のお尻から太ももの裏、ふくらはぎにかけて電気が走るような鋭い痛みやしびれが生じるのが特徴です。
多くの場合、薬物療法やリハビリなどの保存療法で症状は改善に向かいます。
腰部脊柱管狭窄症
腰部脊柱管狭窄症は、主に加齢による背骨や周辺組織の変形によって、神経が通るトンネル(脊柱管)が狭くなり、神経が圧迫される病気です。
中高年以降に多く見られます。
特徴的な症状は、歩き始めは問題ないものの、しばらく歩くと足に痛みやしびれが生じて歩行が困難になり、少し前かがみで休むとまた歩けるようになる「間欠性跛行」です。
体を後ろに反らすと症状が強くなり、逆に自転車こぎなど前かがみの姿勢では症状が楽になる傾向があります。
梨状筋症候群
梨状筋症候群は、お尻の深い部分にある梨状筋という筋肉が過度に緊張したり硬くなったりして、そのすぐ下を通る坐骨神経を圧迫することで起こります。
長時間のデスクワークや運転、ランニングなどのスポーツが原因となることがあります。
症状は腰椎椎間板ヘルニアと似ていますが、腰には異常がなく、お尻の特定の場所を押すと痛みが誘発されるのが特徴です。
レントゲンやMRIでは異常が見つかりにくく、診断には医師の丁寧な診察が重要になります。
治療はストレッチやマッサージなどの理学療法が中心です。
坐骨神経痛の病院選びに関するよくある質問
坐骨神経痛で受診すべき診療科や治療の流れについて解説してきましたが、個別の疑問点も残っているかもしれません。
例えば、5年以上続くような慢性的な痛みはどうすればよいのか、痛みが強いときの正しい対処法、市販薬との付き合い方など、患者が抱きがちな質問について回答します。
また、数多くある医療機関の中から、信頼できる病院を見つけるための具体的なポイントについても触れていきます。
Q1.痛みが強いときは安静にすべきですか?
はい、痛みが非常に強い急性期は、無理に動かず楽な姿勢で安静にすることが基本です。
痛みを悪化させないように過ごしましょう。
ただし、必要以上の長期間の安静は筋力低下を招き、かえって回復を遅らせる可能性があります。
痛みが少し和らいだら、医師と相談の上で、できる範囲で少しずつ体を動かし始めることが大切です。
Q2.市販の湿布薬や鎮痛剤だけで対処しても問題ありませんか?
いいえ、根本的な解決にはなりません。
市販薬は一時的に痛みを和らげる効果はありますが、坐骨神経痛の原因そのものを治療するものではありません。
薬で症状をごまかしている間に、原因となっている病気が進行する恐れもあります。
数日間使用しても症状が改善しない場合は、必ず整形外科を受診して正確な診断を受けてください。
Q3.信頼できる整形外科を選ぶにはどうすればいいですか?
MRI検査の設備がある病院を選ぶと、より正確な原因特定が期待できます。
また、日本整形外科学会や日本脊椎脊髄病学会の専門医が在籍しているかも一つの目安になります。
加えて、患者の話をよく聞き、検査結果や治療方針について分かりやすく説明してくれる医師であることも、信頼関係を築く上で重要なポイントです。
まとめ
お尻から足にかけての痛みやしびれ、いわゆる坐骨神経痛の症状が出た場合、最初の受診先として整形外科を選択することが最も適切です。
整形外科では、レントゲンやMRIといった画像検査を通じて痛みの根本原因を特定し、薬物療法、注射、リハビリテーション、さらには手術といった幅広い治療法の中から、個々の状態に合わせた最適なアプローチを提案できます。
強い痛みをすぐに抑えたい場合はペインクリニック、しびれが主症状なら神経内科も選択肢となりますが、いずれの場合もまずは整形外科で正確な診断を受けることが不可欠です。
排尿障害などの危険なサインを見逃さず、自己判断に頼らずに専門医に相談することが、症状改善への確実な一歩となります。
症例・患者さんの声

【監修】
平井鍼灸院 院長 梅田俊
鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師
鍼灸師
【所属】
2015年~ 日本自律神経研究会
日本自律神経研究会
【資格】
2011年 国家資格はり灸師、あん摩マッサージ指圧師免許取得
2016年 自律心体療法上級者施術認定者取得
2018年 クレニアルテクニック上級施術認定者取得
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