症例報告「うつ病 症例1」‐東京・江戸川区・平井‐

【うつ病 症例1】
【患者像】
Iさん 40代 男性
【来院】
 2016,9 
【症状】
主訴:腰の痛み、背骨の違和感
10年ほど前から抑うつ神経症を発症。睡眠障害と易疲労感がある。
特に午前中は眠気に襲われることが多く、仕事のストレスなどで自律神経の失調が起こり、
睡眠障害を起こす傾向がある。
腰痛と脊椎付近の違和感は、自律神経失調による症状である可能性が高い。長時間の座位姿勢や、朝起きて動き出す時に痛みがある。最近体重が5kg程増加しているので、体への負担も増している状態。不安感も強い為、自身の体の歪みを気にしすぎたり、考えすぎて治るのかどうか思い悩んでしまうことがある。これも、抑うつ神経症が継続している要因の1つである。
【治療経過と内容】
治療方針
自律神経の緊張状態による血行不良に対して、C2からT7までの脊柱起立筋の緊張を改善していく治療
頚部と背部に対して、灸施術で温めながら背部兪穴に置鍼したことにより、脈の緊張がとれて交感神経緊張状態が緩和された所見を認めた。
腹部の冷えに対して、大腸と小腸の副交感神経を優位にする為の置鍼と同部位への灸施術により、腹部の張りが緩和された所見を認めた。
脊柱起立筋の筋緊張を緩和させるために、大椎、膈兪、肝兪に置鍼をし、オイルトリートメントで施術をしたことで局所だけではなく全身の血流改善を認めた。
【同時に治療した症状】
胃痛、多汗
【使用した主なツボ】
中脘、天枢、百会、頚百労、大椎、膈兪、肝兪、腎兪
【考察】
体の緊張状態と血行不良は、交感神経の緊張状態から起こっていると考察出来る。本人の自覚として、胃の痛みや多汗やストレスがかかった時の首肩の痛みなどがあることを考えると、頚部から背部への施術が有効である。それに伴い、体の歪みも左肩上がり、右の骨盤が上がっている状態となっている為、筋緊張が取れにくい体となっている。
治療方針としては、鍼と灸で足の冷えと頭ののぼせ(上熱下寒)の状態を改善しながら、脊柱起立筋の緊張を緩めて脊際の自律神経幹付近の血流改善をしていくことで、抑うつ神経症の症状を改善すると考察している。