お灸の効果とは?身体の不調を改善する仕組みと期間を専門家が解説
お灸は、身体の特定のポイントを温めることで血行を促進し、人が本来持つ自己治癒力を引き出す伝統的なアプローチです。
この記事では、肩こりや冷え性といった日常的な不調に対して、お灸がどのようなメカニズムで効果を発揮するのか、そして効果を実感できるまでの期間や身体の変化について詳しく解説します。
継続することで、様々な身体の悩みの改善が期待できます。
そもそもお灸とは?身体を温めて不調を整える東洋医学の伝統療法
お灸とは、もぐさを燃やし、その熱でツボを刺激する東洋医学の伝統的な治療法の一つです。
「お灸をすえる」という言葉で知られていますが、本来は身体のバランスを整え、不調を改善する目的で行われます。
鍼と同じくツボを刺激しますが、鍼が物理的な刺激であるのに対し、お灸は温熱効果を用いる点が特徴です。
市販されているものには、台座付きで火が直接肌に触れない種類など、初心者でも安全に使える製品が多数あります。
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お灸で得られる嬉しい効果とは?具体的な7つの作用を解説
お灸には、温熱効果を通じて身体に様々な良い変化をもたらす、すごい可能性があります。
血行を促進する作用から、自律神経のバランスを整える作用まで、その効果は多岐にわたります。
具体的にどのような効果があるのかを知ることで、自身の悩みに合うか判断できるはずです。
ここでは、お灸に期待できる嬉しい作用が本当にあるのか、代表的な7つの効果を詳しく見ていきます。
血行を促進し、つらい肩こりや腰痛を和らげる
お灸の温熱効果は、血管を拡張させて血行を促進する働きがあります。
肩こりや腰痛の多くは、筋肉の緊張による血行不良が原因で起こります。
お灸で肩や腰まわりのツボを温めると、硬くなった筋肉がほぐれ、滞っていた血流がスムーズになります。
これにより、痛みや疲労の原因となる物質の排出が促され、つらい症状が和らぎます。
継続的なケアは、痛みの根本的な改善にも貢献します。
身体の芯から温めて冷え性やむくみを改善する
冷え性は、血行不良により身体の末端まで温かい血液が届かない状態です。
お灸の温熱刺激は皮膚表面だけでなく、身体の深部にまで到達し、内側からじっくりと温めます。
特に足などの冷えやすい部分のツボを刺激することで、全身の血の巡りが良くなり、手足の冷えが改善されます。
また、血行が促進されることで体内の余分な水分や老廃物の排出が促されるため、むくみの解消にも役立ちます。
適切な温度での継続が大切です。
自律神経のバランスを整え心身をリラックスさせる
お灸のじんわりとした温かさや、もぐさの香りは、心身をリラックスさせる効果があります。
この心地よい刺激は、交感神経の興奮を鎮め、副交感神経を優位に働かせます。
その結果、乱れがちな自律神経のバランスが整い、ストレスによる不安感やイライラが軽減されます。
また、自律神経の乱れからくる頭痛、めまい、高血圧といった身体的な不調の緩和にもつながり、穏やかな心身の状態を取り戻す手助けとなります。
免疫力を高めて病気になりにくい身体づくりをサポート
お灸をすると体温が上がり、血行が促進されます。
体温が上昇すると、血液中の白血球(免疫細胞)の働きが活性化し、免疫機能が高まることが知られています。
定期的なお灸の実施は、身体が本来持つ防御機能を高め、ウイルスや細菌に対する抵抗力を向上させます。
これにより、風邪をひきにくくなったり、体調を崩しにくくなったりするなど、病気になりにくい丈夫な身体づくりをサポートする効果が期待できます。
胃腸の働きを活発にして消化不良や便秘をケアする
胃腸の不調は、ストレスや冷えによる血行不良が原因で起こることが少なくありません。
お灸で腹部や背中、足などにある胃腸に関連するツボを温めることで、消化器系の血流が改善され、その働きが活発になります。
胃腸の蠕動運動が正常になることで、食欲不振や胃もたれといった消化不良の症状や、つらい便秘の解消に役立ちます。
定期的にケアすることで、胃腸のコンディションを整えることが可能です。
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痛みの感覚を和らげる鎮痛作用
お灸には、痛みを和らげる効果も期待できます。
温熱刺激が皮膚から伝わると、痛みを脳に伝える神経線維の働きを抑制するメカニズムが働きます。
これにより、痛みの感覚が緩和されると考えられています。
また、お灸の刺激は、体内で作られる鎮痛物質(内因性オピオイドなど)の分泌を促すともいわれています。
この作用により、慢性的な関節痛や神経痛など、様々な痛みの軽減に効果を発揮します。
生理痛や月経不順など女性特有の悩みを緩和する
下腹部や骨盤周りの冷えは、生理痛や月経不順といった女性特有の悩みを引き起こす一因です。
お灸で三陰交や関元といったツボを温めることで、骨盤内の血行が促進され、子宮や卵巣の機能が整います。
これにより、血行不良による痛みが緩和され、ホルモンバランスの乱れによる不調の改善が期待できます。
また、身体を内側から温めることは、妊活中のコンディション作りにも良い影響を与えます。
なぜお灸は効くの?身体の不調が改善される3つの仕組み
お灸がなぜ身体の不調に効果をもたらすのか、その背景には科学的にも説明できるメカニズムが存在します。
単に身体を温めるだけでなく、もぐさの成分やツボへの刺激が複合的に作用することで、様々な効果が生まれます。
近年の研究論文でも、その有効性に関する報告が見られます。
ここでは、お灸が効く理由を3つの主要な仕組みから解説し、その効果の根拠を明らかにします。
もぐさの成分が持つ鎮静・リラックス作用
お灸に使われるもぐさの原料は、よもぎです。
よもぎには「シネオール」という精油成分が含まれており、独特の爽やかな香りを放ちます。
この香りには、脳神経を落ち着かせ、心身をリラックスさせる鎮静作用があるといわれています。
お灸を行う際に立ち上る煙の香りを嗅ぐことで、自然と呼吸が深くなり、ストレスや緊張が和らぎます。
温熱効果だけでなく、このアロマテラピーのような作用も、お灸がもたらす効果の一つです。
温熱刺激による血行促進と自己治癒力の向上
お灸の最も基本的な作用は、温熱刺激による血行促進です。
ツボ周辺の皮膚や筋肉が温められると、血管が拡張して血流が増加します。
これにより、筋肉の緊張が緩和され、痛みや疲労の原因となる物質が効率よく排出されます。
また、お灸の「熱い」と感じる適度な熱刺激は、身体にとって一種のストレス(ヒートショック)となり、これに反応してたんぱく質が生成されます。
このたんぱく質が細胞の働きを活性化させ、人が本来持つ自己治癒力を高めることにつながります。
ツボへの刺激が自律神経や内臓機能を調整する効果
東洋医学では、ツボ(経穴)は身体の内外をつなぐ特定のポイントと考えられています。
ツボにお灸をすえることで、その温熱刺激が皮膚の感覚受容器から神経を伝って脊髄や脳に達します。
そして、その情報が自律神経の中枢に働きかけ、興奮した神経を鎮めたり、働きが鈍っている神経を活性化させたりします。
このようにして、自律神経のバランスが整えられ、それによってコントロールされている血管の収縮や拡張、内臓機能が調整されるのです。
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お灸の効果はいつから実感できる?効果の出方と継続の目安
お灸の効果がいつから現れるかは、症状の種類や個人の体質によって異なります。
例えば、ぎっくり腰や寝違えといった急性の痛みの場合、1〜数回の施術で変化を感じることもあります。
一方で、冷え性やアレルギー、自律神経の乱れといった慢性的な不調や体質改善が目的の場合は、効果を実感するまでに少し時間が必要です。
どのくらいの期間続けるべきか一概には言えませんが、まずは2週間〜1ヶ月程度、定期的に継続してみることが一つの目安となります。
自宅で簡単!セルフお灸の正しいやり方と注意点


市販の製品は安全に配慮されたものが多く、初心者におすすめです。
正しいやり方と注意点を守れば、家で簡単に温熱効果によるリラックスタイムを過ごせます。
ここでは、セルフお灸を始めるための準備から、効果的な使い方、安全に行うためのポイントまでを解説します。
セルフケアを始める前に準備するもの
自宅でお灸を始めるにあたり、いくつか準備するものがあります。
まず、主役となる市販の台座灸を用意します。
初心者向けには、熱さがマイルドなタイプがおすすめです。
次に、火をつけるためのチャッカマンがあると安全です。
そして、お灸の火を消したり、燃えがらを捨てたりするための灰皿や、水を入れた小皿も準備しておくと安心です。
万が一の火傷に備え、すぐに冷やせるよう濡れたタオルも手元に置いておくと万全です。
効果を高めるツボの見つけ方と基本的なすえ方
ツボの正確な場所がわからない場合でも、効果的なポイントを見つけるコツがあります。
ツボは、指で押してみて「少しへこむ感じがする」「じんわりと響くような痛みがある」といった反応がある場所です。
目で探すのではなく、指先の感覚を頼りに探してみましょう。
お灸のすえ方は、まずもぐさの先端に火をつけ、台座の裏のシールを剥がしてツボに貼ります。
温かさが心地よく感じられるまでそのまま置き、熱くなってきたら我慢せずに取り外すのが基本です。
お灸を行うのに最適な時間帯と頻度
お灸を行うのに決まった時間はありませんが、心身ともにリラックスできる時間帯が最適です。
特に入浴後で身体が温まっている時や、就寝前の落ち着いた時間に行うと、リラックス効果が高まります。
頻度については、初めは1日に1回、1〜3ヶ所のツボに各1個ずつから試してみましょう。
所要時間は5分程度で完了します。
身体が慣れてきたら、体調に合わせて回数やツボの数を調整し、無理のない範囲で継続することが重要です。
火傷を防いで安全にお灸を使うための注意点
セルフお灸で最も注意すべき点は火傷のリスクです。
「熱い」と感じたら我慢せず、すぐにお灸を外してください。
特に熱さを感じにくい部位や、感覚が鈍っている場合は注意が必要です。
また、食後すぐや飲酒後、発熱時、疲労が激しい時の使用は避けましょう。
同じ場所に続けて高い頻度でお灸をすえると、低温やけどの原因になる可能性があります。
台座が高く、比較的温度の低い初心者向け製品から始めることも、安全対策の一つです。
お灸の効果に関するよくある質問
お灸を始めるにあたって、効果や安全性に関する様々な疑問が浮かぶかもしれません。
ここでは、お灸の跡や毎日の継続、また妊娠中の使用についてなど、特によく寄せられる質問に対して簡潔に回答します。お灸の種類によっては一時的に薄い茶色の痕が残る場合がありますが、通常2~3日で自然に消えます。また、直接灸の場合、小さな水泡や灸痕が残る可能性もあります。妊娠中のお灸は、特定のツボや強い刺激を避けるなど、専門家による適切な判断と注意が必要です。流産や早産のリスクを高める可能性のあるツボや、子宮収縮を促進するツボがあるため、自己判断での使用は避けるべきです。これらの疑問を解消し、安心してセルフケアに取り組むための参考にしてください。
Q1.お灸をしても跡は残りませんか?
市販の台座灸は、肌に直接もぐさが触れないため、正しく使えば火傷や跡が残る心配はほとんどありません。
ただし、熱さを我慢したり、長時間使用したりすると水ぶくれや低温やけどの原因になるため注意が必要です。
肌が弱い方は特に短い時間から試すようにしましょう。
Q2.お灸は毎日続けても大丈夫ですか?
体質改善が目的の場合、お灸は毎日続けても問題ありません。
継続することで効果を実感しやすくなります。
ただし、同じツボに毎日すえると、肌への負担になることもあります。
複数のツボを日替わりで刺激するなど、場所を変えながら行うのがおすすめです。
Q3.妊娠中や生理中にお灸をしても問題ありませんか?
生理中の使用は、血行を促進し痛みを和らげる効果が期待できます。
妊娠中は、体調が安定していれば可能ですが、子宮の収縮を促す可能性のあるツボは避ける必要があります。
自己判断で行わず、必ず事前にかかりつけの医師や鍼灸師に相談してください。
まとめ
お灸は、もぐさの成分と温熱刺激によって血行を促進し、自律神経のバランスを整えることで、肩こり、冷え、痛みなど様々な身体の不調を緩和します。
効果の現れ方には個人差がありますが、継続することで体質の変化が期待できます。
市販のお灸を使えば自宅で手軽に始められますが、効果を最大限に引き出し、安全に行うためには、正しいツボの位置や使い方を理解し、火傷には十分注意することが重要です。
症例・患者さんの声








【監修】
平井鍼灸院 院長 梅田俊
鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師
鍼灸師
【所属】
2015年~ 日本自律神経研究会
日本自律神経研究会
【資格】
2011年 国家資格はり灸師、あん摩マッサージ指圧師免許取得
2016年 自律心体療法上級者施術認定者取得
2018年 クレニアルテクニック上級施術認定者取得
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