夜中に何度も目が覚める原因とは?睡眠の質を改善する対策と病気の可能性
夜中に突然目が覚める状態が続くと、日中の活動にも影響が出てしまいかねません。
その原因はストレスや生活習慣の乱れ、加齢など多岐にわたりますが、中には病気が隠れている可能性もあります。
快適な睡眠を取り戻すためには、まず原因を正しく理解し、適切な改善策を実践することが重要です。
この記事では、夜中に目が覚める理由と具体的な対策、医療機関を受診する目安について解説します。
夜中に目が覚めるのは「中途覚醒」かも?まずは症状を正しく知ろう
夜中に何度も目が覚めてしまい、その後なかなか寝付けなくなる症状は「中途覚醒」と呼ばれ、不眠症の一種です。
一度きりの経験ではなく、睡眠の途中で目が覚めることが頻繁に起こり、それによって日中の眠気や倦怠感を感じる状態を指します。
加齢とともに誰にでも起こりやすくなる症状ですが、若年層でもストレスや生活習慣が原因で起こることがあります。
まずは自身の状態が中途覚醒に当てはまるか認識することが、改善への第一歩となります。
【セルフチェック】夜中に何度も目が覚めてしまう主な原因
夜中に目が覚める回数が増えると、十分な睡眠時間が確保できずに寝不足を感じやすくなります。
その原因は一つではなく、複数の要因が複雑に絡み合っていることも少なくありません。
ここでは、日常生活の中に潜む中途覚醒の主な原因を解説します。
自分に当てはまるものがないか、チェックしてみましょう。
ストレスや不安による自律神経の乱れ
過度なストレスや将来への不安は、心身を緊張状態にする交感神経を活発にします。
本来、睡眠中は心身をリラックスさせる副交感神経が優位になるべきところ、交感神経が働き続けることで脳が興奮状態となり、眠りが浅くなります。
その結果、わずかな物音や体の違和感でも目が覚めやすくなってしまうのです。
特に、悩み事などを抱えていると、無意識のうちに緊張が続き、睡眠の質が低下しやすくなります。
加齢に伴う睡眠サイクルの自然な変化
年齢を重ねると、体内時計の働きが変化し、睡眠のリズムも変わります。
若い頃に比べて深いノンレム睡眠が減少し、浅いレム睡眠の割合が増えるため、少しの刺激でも目が覚めやすくなります。
また、睡眠を促すホルモンであるメラトニンの分泌量も加齢とともに減少する傾向があります。
こうした変化は生理的なものであり、ある程度は自然な現象と捉えることも必要です。
寝る前のアルコールやカフェインの摂取
就寝前にお酒を飲むと寝つきが良くなるように感じますが、アルコールが体内で分解される過程でアセトアルデヒドという覚醒作用のある物質が生成されます。
これにより、睡眠の後半部分で眠りが浅くなり、途中で目が覚めやすくなります。
また、コーヒーやお茶に含まれるカフェインにも強い覚醒作用があり、その効果は数時間持続するため、夕方以降の摂取は睡眠の質を低下させる原因となります。
寝室の温度・湿度・明るさといった睡眠環境の問題
快適な睡眠には、適切な環境が不可欠です。
寝室が暑すぎたり寒すぎたりすると、体温調節のために体に負担がかかり、眠りが浅くなります。
また、部屋の明るさや騒音も脳への刺激となり、中途覚醒を引き起こす要因です。
特に、豆電球をつけたまま寝る習慣や、カーテンの隙間から光が漏れる環境は、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌を妨げるため注意が必要です。
夜間の頻尿やトイレの近さ
夜中に尿意で目が覚める「夜間頻尿」も中途覚醒の大きな原因の一つです。
加齢によるホルモンバランスの変化や、膀胱の機能低下が関係している場合があります。
また、水分の過剰摂取、特に利尿作用のあるアルコールやカフェインを就寝前に摂ることも夜間頻尿につながります。
高血圧や糖尿病、心臓や腎臓の病気といった他の疾患が原因となっているケースもあります。
遅い時間の食事やスマートフォン操作の習慣
就寝直前に食事を摂ると、消化活動のために胃腸が活発に働き続け、体は休息状態に入ることができません。
その結果、深い眠りを得にくくなります。
また、スマートフォンやパソコンの画面から発せられるブルーライトは、脳を覚醒させ、睡眠を促すメラトニンの分泌を抑制する働きがあります。
寝る直前までスマホを操作する習慣は、体内時計を乱し、寝つきの悪さや中途覚醒の原因となります。
日中の活動量不足による体温リズムの乱れ
人の体は、日中に活動して上昇した深部体温が、夜にかけて低下する過程で自然な眠気を感じるようにできています。
しかし、日中の活動量が少なく、体をあまり動かさないでいると、この体温のメリハリがつきにくくなります。
その結果、寝つきが悪くなったり、眠りが浅くなったりして、夜中に目が覚めやすくなることがあります。
デスクワーク中心で運動習慣がない場合は特に注意が必要です。
単なる寝不足ではない?夜中に目が覚める場合に考えられる病気
生活習慣の改善を試みても中途覚醒が続く場合、何らかの病気が背景に隠れている可能性があります。
夜中に目が覚める症状は、心身からのサインかもしれません。
ここでは、中途覚醒を引き起こす代表的な病気について解説します。
呼吸が止まる「睡眠時無呼吸症候群」の可能性
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、睡眠中に何度も呼吸が止まったり、浅くなったりする病気です。
呼吸が止まることで体内の酸素濃度が低下し、脳が危険を察知して覚醒するため、本人の自覚がないまま夜中に何度も目が覚めることになります。
大きないびきや日中の強い眠気、起床時の頭痛などの症状が特徴です。
放置すると生活習慣病のリスクを高めるため、早期の診断と治療が重要です。
脚の不快感で眠れない「むずむず脚症候群」
むずむず脚症候群は、夕方から夜にかけて脚に「むずむずする」「虫が這うような」といった言葉で表現される不快な感覚が現れる病気です。
この不快感は、じっとしていると強まり、脚を動かすと一時的に和らぐという特徴があります。
この症状のために寝つきが悪くなったり、夜中に目が覚めてしまったりします。
原因は完全には解明されていませんが、鉄分の不足や神経伝達物質の異常が関与していると考えられています。
うつ病など精神的な不調が影響するケースも
うつ病をはじめとする精神的な不調は、睡眠に大きな影響を及ぼします。
特に、うつ病の症状として「早朝覚醒」や「中途覚醒」は非常によく見られます。
精神的なストレスが脳の機能を変化させ、睡眠と覚醒のリズムを乱すことが原因と考えられています。
気分が落ち込む、何事にも興味が持てないといった心の症状とともに不眠が続く場合は、専門医への相談が必要です。
慢性的な症状が続く「不眠症」
中途覚醒を含む寝つきの悪さや眠りの浅さといった症状が週に3日以上あり、それが3ヶ月以上にわたって続いて日中の活動に支障をきたしている場合、医学的に「不眠症」と診断されることがあります。
不眠症の原因は多岐にわたり、心理的なストレス、身体的な病気、薬の副作用、生活習慣などが複雑に絡み合っています。
自己判断で睡眠薬を乱用せず、専門の医療機関で適切な診断と治療を受けることが大切です。
不眠の状態が慢性化する前に、早めの対応を心がけましょう。
夜中に目が覚めてしまった時に試したい4つの対処法
一度目が覚めてしまうと、焦りから余計に眠れなくなる悪循環に陥りがちです。そんな時は、落ち着いて適切な対処法を試すことで、スムーズな再入眠につながる可能性があります。ここでは、夜中に目が覚めてしまった時に効果が期待できるいくつかの方法を紹介します。
時計を見ずにリラックスして深呼吸をする
夜中に目が覚めたとき、つい時間を確認してしまいがちですが、これは逆効果です。
「まだこんな時間か」「あと何時間しか眠れない」といった焦りが脳を覚醒させてしまいます。
時計は見ずに、まずは落ち着いて布団の中で腹式呼吸を試してみましょう。
鼻からゆっくり息を吸い込み、口から時間をかけて吐き出すことを繰り返すと、副交感神経が優位になり、心身がリラックス状態に導かれます。
無理に寝ようと焦らず一度布団から出てみる
「眠らなければ」と焦れば焦るほど、脳は興奮して目が冴えてしまいます。
15分から20分ほど経っても眠れない場合は、思い切って一度布団から出てみましょう。
寝室以外の場所で、ヒーリング音楽を聴いたり、難しい内容ではない本を読んだりして、眠気が訪れるのを待ちます。
ただし、強い光は避けるべきなので、間接照明などの薄暗い明かりの下で過ごすのがポイントです。
眠りを誘うリラックス効果のあるツボを押す
東洋医学では、心身をリラックスさせ、眠りを誘うとされるツボがいくつか知られています。
例えば、手のひらの中心にある「労宮(ろうきゅう)」や、足の裏のかかと中央にある「失眠(しつみん)」などが代表的です。
これらのツボを、気持ち良いと感じる程度の強さでゆっくりと数秒間押し、離すという動作を繰り返します。
手軽に試せるセルフケアとして覚えておくと便利です。
スマートフォンや部屋の明るい照明は避ける
目が覚めたからといって、スマートフォンを操作するのは絶対に避けましょう。
スマホの画面が発するブルーライトは、睡眠を促すホルモン「メラトニン」の分泌を強力に抑制し、脳を覚醒させてしまいます。
同様に、部屋の照明を煌々とつけるのも禁物です。
もしトイレに行くなど布団から出る必要がある場合は、足元を照らす程度の小さな明かりにとどめ、できるだけ強い光を浴びないように注意してください。
今日から始められる!睡眠の質を高めるための生活習慣改善リスト
夜中に目が覚める症状を根本的に改善するためには、日中の過ごし方や就寝前の習慣を見直すことが非常に重要です。
ここでは、睡眠の質を高めるために今日から実践できる生活習慣の改善リストを紹介します。
できることから少しずつ取り入れてみましょう。
毎日同じ時間に起床して体内時計を整える
私たちの体には、約24時間周期でリズムを刻む「体内時計」が備わっています。
このリズムを整えるために最も重要なのが、毎日同じ時間に起きることです。
休日だからといって遅くまで寝ていると、体内時計が乱れてしまい、夜の寝つきや睡眠の質に悪影響を及ぼします。
平休日を問わず、起床時間を一定に保つことで、自然な眠気が訪れるリズムを作りやすくなります。
朝の太陽光を浴びてセロトニンの分泌を促す
朝起きたら、まずカーテンを開けて太陽の光を浴びる習慣をつけましょう。
朝の光を浴びることで、体内時計がリセットされるとともに、精神を安定させる働きのある神経伝達物質「セロトニン」の分泌が活発になります。
このセロトニンは、夜になると睡眠を促すホルモン「メラトニン」の原料となるため、朝にしっかり光を浴びておくことが、夜の快眠につながります。
日中にウォーキングなどの適度な運動を取り入れる
日中に体を動かす習慣は、質の高い睡眠に不可欠です。
ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動を夕方頃に行うと、就寝時間に向けて深部体温がスムーズに下がり、寝つきが良くなります。
ただし、就寝直前の激しい運動は交感神経を刺激してしまい逆効果になるため、就寝3時間前までには終えるようにしましょう。
適度な身体的疲労は、心地よい眠りを誘います。
就寝90分前までにぬるめのお湯で入浴を済ませる
入浴は睡眠の質を高める効果的な方法ですが、タイミングと湯温が重要です。
38~40度程度のぬるめのお湯に15分ほど浸かることで、体の深部体温が一時的に上昇します。
その後、入浴後90分ほどかけて体温が下がっていく過程で、強い眠気が訪れます。
熱すぎるお湯や就寝直前の入浴は、体を興奮させてしまうため避けましょう。
寝る直前の食事やカフェイン、アルコール摂取を控える
質の良い睡眠のためには、就寝3時間前までに食事を済ませておくのが理想です。
また、覚醒作用のあるカフェインは、少なくとも就寝の4~5時間前からは摂取を控えるべきです。
アルコールは寝つきを良くする効果がありますが、睡眠の質を著しく低下させるため、寝酒は避けましょう。
どうしても眠れない場合は、リラックス効果のあるハーブティーなどを試すのがおすすめです。
寝室を静かで快適な温度・湿度・暗さに保つ
睡眠の質は、寝室の環境に大きく左右されます。
快適な睡眠のための寝室の温度は、夏は25~28℃、冬は18~20℃程度が適切とされています。湿度は年間を通じて40~60%程度が理想的です。
また、音や光は睡眠を妨げる大きな要因となるため、遮光カーテンや耳栓などを活用して、できるだけ静かで暗い環境を保つことが重要です。
寝具も、自分に合ったものを選ぶことで、より快適な睡眠が得られます。
セルフケアで改善しない場合は医療機関への相談も検討しよう
生活習慣の見直しやセルフケアを試みても、夜中に目が覚める症状がなかなか改善しない場合や、日中の眠気・倦怠感が強く、日常生活に支障が出ている場合は、一人で抱え込まずに専門の医療機関に相談することを検討しましょう。
背景に思わぬ病気が隠れている可能性もあります。
受診を検討すべき症状の目安
以下のような症状がみられる場合は、医療機関の受診を推奨します。
まず、夜中に目が覚める症状が週に3回以上あり、それが1ヶ月以上続いている場合です。
また、日中の強い眠気、集中力の低下、気分の落ち込みなど、日常生活に明らかな支障が出ている場合も受診の目安となります。
さらに、家族からいびきや睡眠中の無呼吸を指摘された場合も、専門的な検査が必要です。
何科を受診すればいい?主な診療科を紹介
不眠の症状でどの科にかかればよいか迷う場合、まずはかかりつけの内科医に相談するのも一つの方法です。
より専門的な診断や治療を希望する場合は、睡眠外来や睡眠専門クリニックが最適です。
また、ストレスや気分の落ち込みが原因として考えられる場合は、精神科や心療内科が対応します。
いびきや無呼吸が気になる場合は、呼吸器内科や耳鼻咽喉科も選択肢となります。
夜中に目が覚めることに関するよくある質問
ここでは、夜中に目が覚める症状に関して、多くの人が抱きがちな疑問についてお答えします。
Q1. 2時間おきに目が覚めます。これは病気なのでしょうか?
2時間おきに目が覚めること自体が、直ちに病気とは限りません。
重要なのは、その結果として日中の眠気やだるさ、集中力低下などの不調を感じているかどうかです。
日常生活に支障が出ている場合は、不眠症や何らかの疾患の可能性があるため、一度医療機関に相談することをおすすめします。
Q2. なぜかいつも同じ時間に目が覚めてしまうのはなぜですか?
体内時計やホルモン分泌のリズムが関係している可能性があります。
例えば、ストレスホルモンであるコルチゾールは早朝に分泌が増えるため、その影響で3時頃など明け方に目が覚めやすくなることがあります。
また、東洋医学では時間帯と内臓の働きが関連していると考えられており、特定の時間に不調が現れると捉えることもあります。
Q3. 夜中に目が覚めても気にしない方が良いと聞きましたが本当ですか?
目が覚めてもすぐにまた眠れる、日中の活動に全く支障がないという場合は、過度に心配する必要はないかもしれません。
しかし、「気にしないように」と意識しすぎることがかえってストレスになることもあります。
症状が続く場合や、少しでも生活に影響を感じる場合は、その原因を探ることが大切です。
まとめ
夜中に何度も目が覚める「中途覚醒」は、ストレスや加齢、生活習慣、睡眠環境など、さまざまな原因によって引き起こされます。
まずは、自身の生活を見直し、起床時間を一定にする、日中に適度な運動をするといった改善策を試すことが重要です。
それでも症状が続く場合や、日中の活動に支障をきたす場合は、睡眠時無呼吸症候群やうつ病などの病気が隠れている可能性も考えられます。
一人で悩まず、専門の医療機関に相談してください。
症例・患者さんの声

【監修】
平井鍼灸院 院長 梅田俊
鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師
鍼灸師
【所属】
2015年~ 日本自律神経研究会
日本自律神経研究会
【資格】
2011年 国家資格はり灸師、あん摩マッサージ指圧師免許取得
2016年 自律心体療法上級者施術認定者取得
2018年 クレニアルテクニック上級施術認定者取得
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