更年期で口の中が酸っぱい原因は?逆流性食道炎との違いと対策
40代から50代にかけて、体にさまざまな変化が現れる更年期。
その症状の一つとして、口の中が酸っぱく感じるという不快な感覚に悩む人がいます。
この症状は更年期によるものなのか、あるいは胃酸が上がる逆流性食道炎などの別の病気なのか、不安に感じるかもしれません。
口の中が酸っぱくなる原因は一つではなく、ホルモンバランスの変化、胃腸の問題、ストレス、口内環境の悪化など、複数の要因が考えられます。
それぞれの原因と症状の違いを理解し、適切なセルフケアや医療機関の受診につなげることが大切です。
この記事では、更年期に口の中が酸っぱくなる原因、逆流性食道炎との違い、自分でできる対処法、そして何科を受診すべきかについて詳しく解説します。
もしかして更年期?口の中が酸っぱく感じる4つの主な原因
口の中に酸味を感じる原因は多岐にわたりますが、特に更年期の女性にとっては見過ごせないサインかもしれません。
この不快な症状は、女性ホルモンの減少に伴う身体的な変化が大きく関わっています。
しかし、原因は更年期障害によるものだけとは限りません。
胃酸の逆流やストレスによる自律神経の乱れ、さらにはお口の中のトラブルが味覚に影響を及ぼしている可能性も考えられます。
まずは、考えられる主な原因を4つの側面から理解し、自分の状態と照らし合わせてみましょう。
ホルモンバランスの乱れによる唾液の減少(ドライマウス)
更年期に入ると、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が急激に減少し、自律神経のバランスが乱れやすくなります。
この影響で唾液の分泌量が減少し、口の中が乾く「ドライマウス(口腔乾燥症)」を引き起こすことがあります。
唾液には、口の中を洗い流して清潔に保ち、酸性に傾いた口内環境を中和する働きがあります。
しかし、唾液が少なくなると自浄作用が低下し、口の中がネバネバするだけでなく、細菌が繁殖しやすくなり、酸っぱい味や不快な味を感じやすくなります。
更年期障害の症状のひとつとして、このような口内の変化が現れることを知っておきましょう。
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胃酸がこみ上げる逆流性食道炎や胃炎
口の中に酸っぱいものがこみ上げてくる感覚がある場合、逆流性食道炎や胃炎の可能性があります。
逆流性食道炎は、胃と食道の間の筋肉が緩むことで、強い酸性である胃酸や消化途中の食べ物が食道へ逆流してしまう病気です。
この逆流した胃酸が口の中にまで達すると、強い酸味や苦みを感じることがあります。
特に食後や横になった時に症状が出やすいのが特徴です。
また、胃炎によって胃の働きが低下し、消化不良が起こることでも同様の症状が現れる場合があります。
これらは更年期と直接関係があるわけではありませんが、年代的に発症しやすい病気の一つです。
ストレスによる自律神経の乱れと味覚の変化
更年期はホルモンバランスの変動に加え、家庭や職場での環境変化も多く、心身ともにストレスを感じやすい時期です。
強いストレスは自律神経のバランスを崩し、唾液の分泌をコントロールしている交感神経と副交感神経の働きに影響を及ぼします。
これにより唾液の量が減ったり、質が変化したりして口の中が酸っぱく感じられることがあります。
また、自律神経の乱れは、味を感じる器官である味蕾の働きを低下させ、味覚そのものを変化させてしまう味覚障害につながることもあります。
更年期障害による心身の不調が、味覚の異常という形で現れることも少なくありません。
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虫歯や歯周病など口内環境の悪化
口の中が酸っぱく感じる原因として、虫歯や歯周病といった口内環境の問題も考えられます。
虫歯が進行すると、細菌が作り出す酸によって歯が溶かされ、その過程で酸っぱい味や臭いが発生することがあります。
また、歯周病が進行すると歯周ポケットに膿が溜まり、独特の不快な味の原因となります。
更年期には唾液の分泌が減少しがちで、口の中の自浄作用が低下するため、虫歯や歯周病のリスクが高まります。
口の酸っぱさだけでなく、歯茎からの出血や腫れ、口臭などの症状がある場合は、歯科的なトラブルが原因である可能性を疑いましょう。
【セルフチェック】更年期と逆流性食道炎の症状の違いを比較
口の中が酸っぱいという症状だけでは、その原因を特定するのは難しいかもしれません。
同時に現れる他の症状に注目することで、原因をある程度推測することが可能です。
特に、更年期によるものなのか、それとも逆流性食道炎のような消化器系の病気が隠れているのかを見極めることは重要です。
ここでは、更年期が原因の場合と逆流性食道炎が疑われる場合、それぞれに特徴的な症状を挙げます。
ご自身の体調と照らし合わせ、どちらの可能性が高いかセルフチェックしてみましょう。
更年期が原因の場合に見られる特徴的な症状
更年期が口の酸っぱさの原因である場合、他の更年期障害特有の症状も同時に現れることが多くあります。
口腔内の症状としては、口の渇き、口の中のネバネバ感、ヒリヒリとした痛み、味がわかりにくいといった味覚の変化などが挙げられます。
さらに、全身症状として、顔のほてりやのぼせ、急な発汗、動悸、息切れ、頭痛、めまい、肩こり、疲労感なども代表的なものです。
また、精神的な症状として、気分の落ち込み、イライラ、不安感、不眠などが伴うこともあります。
これらの複数の症状が同時に見られる場合は、更年期障害の一環として口の酸っぱさが生じている可能性が高いと考えられます。
逆流性食道炎が疑われる場合のサイン
逆流性食道炎が原因で口が酸っぱくなっている場合、主に消化器系の症状が顕著に現れます。
最も代表的な症状は、胸のあたりが焼けるように感じる「胸焼け」です。
また、酸っぱい液体が喉や口まで上がってくる「呑酸(どんさん)」も特徴的なサインです。
その他にも、食後の胃もたれ、胸のつかえ感、喉の違和感や痛み、慢性的な咳、声のかすれといった症状が見られることがあります。
特に、食事の後や、体を横にした時、前かがみになった時に症状が悪化する傾向があれば、逆流性食道炎の可能性がより高まります。
これらのサインに心当たりがある場合は、消化器系の専門医に相談することを検討しましょう。
今日からできる!口の中の酸っぱさを和らげる5つのセルフケア
口の中に広がる酸っぱさは、日常生活において大きな不快感をもたらします。
原因が更年期によるものであれ、他の要因であれ、症状を和らげるために自分でできる対策はいくつか存在します。
専門的な治療が必要な場合もありますが、まずは生活習慣を見直し、今日から始められるセルフケアを試してみることが大切です。
ここでは、口の中の不快な酸味を軽減するための5つの具体的な方法を紹介します。
これらのケアは、口内環境を整え、心身のバランスを保つ助けとなるでしょう。
こまめな水分補給で口の中の潤いを保つ
口の中の乾燥(ドライマウス)は、酸っぱさやネバネバ感の大きな原因となります。
唾液の分泌を助け、口内を潤すために、こまめな水分補給を心がけましょう。
一度にがぶ飲みするのではなく、水やカフェインの入っていないお茶などを少量ずつ、1日を通して頻繁に口に含むのが効果的です。
水分を摂ることで口の中を洗い流し、細菌の繁殖を抑えることにもつながります。
特に、起床時や食事の間、就寝前など、口が乾きやすいタイミングで意識的に潤いを与えることが大切です。
手元に飲み物を常備し、喉が渇く前に飲む習慣をつけることで、口内の不快感を予防、軽減できます。
唾液の分泌を促す食事やマッサージを試す
唾液の分泌量を増やすことは、口の中の酸っぱさやネバネバ感の解消に直接つながります。
食事の際は、よく噛むことを意識しましょう。
咀嚼は唾液の分泌を強力に促進します。
また、梅干しやレモンといった酸味のある食べ物や、旨味成分が豊富な昆布などを少量摂ることも唾液の分泌を促すのに役立ちます。
さらに、リラックスした状態で行う唾液腺マッサージも有効です。
耳の下あたりにある耳下腺、顎の骨の内側にある顎下腺、顎の真下にある舌下腺を指で優しく押したり、円を描くようにマッサージしたりすることで、唾液の分泌を促すことができます。
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リラックスできる時間を作りストレスを軽減する
ストレスは自律神経のバランスを乱し、唾液の分泌を減少させる大きな要因です。
更年期は特にストレスを感じやすい時期であるため、意識的にリラックスできる時間を作ることが重要になります。
深呼吸やヨガ、瞑想などは、乱れがちな自律神経を整えるのに効果的です。
また、ウォーキングなどの軽い運動や、好きな音楽を聴く、アロマテラピーを楽しむ、ゆっくりと入浴するなど、自分が心からリラックスできると感じる方法を見つけ、日常生活に取り入れましょう。
十分な睡眠時間を確保することも、心身のストレスを軽減し、ホルモンバランスや自律神経を整える上で不可欠です。
亜鉛を多く含む食品を意識して摂取する
味覚を感じるための細胞である味蕾は、短い周期で新しく生まれ変わっており、その新陳代謝には亜鉛というミネラルが欠かせません。
亜鉛が不足すると、味蕾の機能が低下し、味がわかりにくくなったり、口の中に酸味や苦みといった異常な味を感じる味覚障害を引き起こしたりすることがあります。
更年期の食生活の乱れや、加齢による吸収率の低下で亜鉛は不足しがちです。
味覚を正常に保つためにも、亜鉛を多く含む牡蠣や豚レバー、牛肉、チーズ、納豆などの食品を日々の食事に意識して取り入れることをお勧めします。
丁寧な歯磨きで口内を清潔に保つ
虫歯や歯周病といった口内環境の悪化は、不快な味や口臭の直接的な原因となります。
唾液が減少しがちな更年期は、特に念入りな口腔ケアが必要です。
毎食後、丁寧に歯を磨き、食べかすや歯垢をしっかりと除去しましょう。
歯ブラシだけでは届きにくい歯と歯の間は、デンタルフロスや歯間ブラシを併用することが効果的です。
また、舌の表面に付着する白い苔も、不快な味の原因になることがあります。
舌を傷つけないように、専用の舌クリーナーで奥から手前に向かって優しく清掃すると、口の中のネバネバ感や口臭の改善にもつながります。
症状が改善しない場合は病院へ!何科を受診すべきか解説
セルフケアを続けても口の中の酸っぱさが改善しない場合や、症状が悪化する場合、あるいは他の気になる症状が強く出ている場合は、自己判断で放置せず医療機関を受診することが重要です。
しかし、口の症状で何科に行けばよいのか迷うこともあるでしょう。
原因によって専門とする診療科は異なります。
ほかにどのような症状があるかに注目し、自分の状態に最も近い診療科を選ぶことが、的な診断と治療への近道です。
ここでは、症状に応じた適切な受診先について解説します。
更年期の他の症状も気になるなら「婦人科」
口の中の酸っぱさに加えて、ほてりやのぼせ、イライラ、気分の落ち込み、ひどい肩こりなど、複数の更年期障害と思われる症状に悩まされている場合は、まず婦人科に相談するのがよいでしょう。
婦人科では、問診や血液検査などでホルモンの状態を確認し、症状が更年期によるものかを総合的に診断します。
治療法としては、減少した女性ホルモンを補うホルモン補充療法(HRT)や、体質に合わせて処方される漢方薬、自律神経を整える薬などがあります。
これらの治療によって更年期障害全体の症状が緩和されることで、結果的に口の不快な症状も改善されることが期待できます。
胸焼けや胃の不快感が強いなら「消化器内科」
口の酸っぱさとともに、胸焼けや胃もたれ、ゲップが多い、酸っぱいものがこみ上げてくる感じ(呑酸)といった消化器系の症状が特に目立つ場合は、消化器内科を受診しましょう。
これらの症状は逆流性食道炎や胃炎の典型的なサインであり、専門的な検査が必要です。
消化器内科では、必要に応じて胃カメラ(内視鏡検査)などを行い、食道や胃の状態を直接確認して正確な診断を下します。
診断結果に基づき、胃酸の分泌を抑える薬や胃の運動を改善する薬などが処方されます。
適切な治療を受けることで、口の中にこみ上げる酸っぱさの根本的な原因を解消することが目指せます。
口の渇きや歯の問題が気になるなら「歯科・口腔外科」
口の中が酸っぱいという症状よりも、口の渇き(ドライマウス)やネバネバ感が特に強い場合、あるいは歯や歯茎に痛みや腫れ、出血がある場合は、歯科や口腔外科への相談が適しています。
これらの診療科では、唾液の分泌量を測定する検査や、虫歯・歯周病のチェックなど、口腔内の専門的な診察を受けることができます。
ドライマウスと診断された場合は、保湿ジェルやうがい薬の処方、生活指導などが行われます。
また、虫歯や歯周病が見つかれば、その治療を行うことで口の中の不快な味が改善します。
大学病院などには「ドライマウス外来」が設置されていることもあります。
更年期の口の酸っぱさに関するよくある質問
更年期に現れる口の酸っぱさという症状は、直接的に痛みを伴うわけではなくても、食事の味を損ねたり、常に不快感がつきまとったりと、生活の質を大きく低下させることがあります。
更年期障害の一環かもしれないと感じつつも、他の人には相談しにくい悩みでもあるため、さまざまな疑問や不安を抱えている人も少なくありません。
ここでは、多くの方が疑問に思う点について、よくある質問とその回答をまとめました。
これらの情報を、ご自身の症状への理解と不安の解消に役立ててください。
Q1.口の中が酸っぱい以外に、しょっぱく感じることもありますか?
はい、感じることがあります。
更年期における味覚の変化は酸味だけに限られません。
ホルモンバランスの乱れや自律神経の不調、亜鉛不足などにより味覚を感じる細胞の働きが変化し、塩味を異常に強く感じてしまうことがあります。
唾液の成分が変化することも一因と考えられています。
Q2.口の酸っぱさを改善する漢方薬はありますか?
はい、体質や症状に合わせて処方される漢方薬が有効な場合があります。
例えば、自律神経の乱れを整えるもの、胃腸の働きを助けて消化を促すもの、体内の水分バランスを調整して口の渇きを潤すものなどがあります。
自己判断で選ばず、医師や薬剤師に相談して適切なものを選んでもらいましょう。
Q3.この不快な症状はいつまで続きますか?
症状が続く期間には個人差があります。
更年期が主な原因の場合、ホルモンバランスが変動する期間、つまり閉経を挟んだ数年間で症状が落ち着くことが多いです。
しかし、ストレスや他の病気が関わっている場合は長引くこともあります。
適切なセルフケアや治療を行うことで、症状は改善可能です。
まとめ
更年期に口の中が酸っぱく感じる原因は、ホルモンバランスの乱れによる唾液の減少(ドライマウス)をはじめ、胃酸がこみ上げる逆流性食道炎、ストレスによる自律神経の乱れ、虫歯や歯周病といった口内環境の悪化など、多岐にわたります。
まずは、こまめな水分補給、唾液分泌を促す工夫、ストレス軽減、口腔ケアといったセルフケアを試してみることが推奨されます。
それでも症状が改善しない場合や、胸焼けなどの消化器症状、ほてりや気分の落ち込みといった他の更年期症状が強い場合は、一人で悩まず専門医に相談することが重要です。
症状に応じて、婦人科、消化器内科、歯科・口腔外科など、適切な診療科を受診し、原因を特定した上で治療を受けましょう。
症例・患者さんの声

【監修】
平井鍼灸院 院長 梅田俊
鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師
鍼灸師
【所属】
2015年~ 日本自律神経研究会
日本自律神経研究会
【資格】
2011年 国家資格はり灸師、あん摩マッサージ指圧師免許取得
2016年 自律心体療法上級者施術認定者取得
2018年 クレニアルテクニック上級施術認定者取得
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