突然起こるめまいとは
こんにちは。平井鍼灸院の鈴木開登です。
日本全国で、めまいに悩む方が大勢いらっしゃいます。65歳以上の女性約5割、男性で約3割でめまいの症状があると考えられています。その中でも、女性のほうがめまいの症状を訴える方が多いです。今回は、当院の患者さんの疾患でも多い「めまいについて」お伝えしていきます。
めまいは、しばしば平衡感覚や方向感覚の喪失を伴う感覚的な症状です。めまいは様々な原因が考えられ、内耳の問題、中枢神経系の異常、血圧の変動、または疲労などが関与することがあります。めまいは人によって感じ方は様々です。「自分や周りがぐるぐる回っているように感じる」「船の上に立っている状態が続く」などがあります。
めまいには様々な種類があります。
1.内因性めまい(内耳由来のめまい)
内耳のバランス感覚器官(前庭)に問題がある場合に発生するめまいです。良性発作性頭位めまい症(BPPV)、前庭神経炎、メニエール病などが含まれます。
2.中枢性めまい
中枢神経系に問題がある場合に起こるめまいで、脳や脳幹の異常が関与することがあります。脳腫瘍、中耳炎、脳卒中などが原因となります。
3.血管性めまい
血圧の急激な変動や血行障害によって引き起こされるめまいです。特に急激な立ち上がりや体位変化時に起こりやすいです。
〜めまいの症状とは〜
・回転性めまい
周りが回っているような感覚、自分が回っているような感覚、または揺れている感覚が現れます。その状態は、数分で治まることもあれば、30分や1時間と続くこともあります。このような回転性のめまいの多くは、内耳にある「三半規管」の不調によって発症することが多いです。
・動揺性めまい
回転性のめまいではないが、船の上に立っているような状態が続きます。通常回転性めまいが急性期に現れ、その後に動揺性めまいが残ることがあります。このような動揺性のめまいは内耳にある「三半規管」や「耳石器」の不調によって発症することが多いです。そのほか、足裏からの身体の位置情報異常と小脳などの神経伝達の影響により起こることもあります。
・起立性調整障害
普段から貧血の方に多いです。特に若い女性に多いめまいです。通常ですと人間は、立ち上がるときに血液が上に上がるようになっているのですが、自律神経が何らかの影響によってうまく調整できないとめまいの症状が起きます。立った際に足元に血液が停滞していて脳まで血液が行き渡らずふらっとなってしまいます。
〜めまいの原因とは〜
めまいの原因の多くは「耳」にあります。耳の内部は、外側から「外耳」「中耳」「内耳」の3つに分けられます。めまいの原因になるのは、そのうちの「内耳」の部分。 内耳は、聴覚を担当する「蝸牛」と、平衡機能(体のバランスをとる働き)を担当する「三半規管」「耳石器」の3つからなっています。内耳は、右耳と左耳、両方の耳に存在するのですが、何らかの原因で、どちらかの内耳に不具合が起こると、機能に左右差が生じてしまいます。 特に、「三半規管」「耳石器」が不調になると、平衡機能に影響するため、めまいやふらつきが起こりやすくなってしまいます。
そのほかに、小脳が影響する場合もあります。平衡機能に関係するものとしては、目から入ってくる「視刺激」、足の裏で感じる体の位置を伝える「深部感覚刺激」があるのですが、これらの刺激を処理してバランス維持をしているのが小脳なのです。普段から小脳はバランスが取りにくなったときに欠けたものを補い、バランスを調整する働きもあります。このようなバランスの調整は私達の身体ではしょっちゅう起きており、そのたびに小脳が調整しています。しかしあまりにバランスの崩れがひどいと小脳がいくら頑張っても追いつきません。めまいの方はこのような原因が隠れていたりもします。
本日も最後まで読んでいただきありがとうございました。
平井鍼灸院 鈴木開登
【監修】
平井鍼灸院 院長 梅田俊
鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師
【所属】
2015年~ 日本自律神経研究会
【資格】
2011年 国家資格はり灸師、あん摩マッサージ指圧師免許取得
2016年 自律心体療法上級者施術認定者取得
2018年 クレニアルテクニック上級施術認定者取得