適応障害性不眠症と鍼灸治療

こんにちは 鍼灸師の石渡です。今回は【適応障害性不眠症とその鍼灸治療】についてお話いたします。【適応障害性不眠症】これは、人生の大きな出来事・生活上の重大な変化など明確なストレス(旅先のベッド、転職、離婚、死別、試験前夜、恐怖、ストレス、不安、感情や精神の緊張、仕事の問題、金銭的なストレス、子供の誕生、死別 等)によって引きおこる睡眠障害を指します。とても簡単に説明すると、《体が環境にうまく適応できないことで眠れなくなった》ということです。

どの不眠症にも当てはまることですが《眠れない》だけではなく日中の機能障害がみられます。
・倦怠感・不定愁訴 ・集中力の低下・注意力散漫・記憶障害 ・社会的機能の低下 ・気分障害・焦燥感・日中の眠気・意欲の低下 ・仕事中・作業中のミスや事故 ・睡眠不足による緊張感・頭痛・消化器症状

また適応障害性不眠症の特徴として・1~3週間で改善するものが多い(急性不眠症)・高血圧・心臓病・免疫機能障害が体の症状として、不安・怒り・攻撃性・抑うつ・燃え尽きなどが精神的な反応として出現・合併していることが多い。

鍼灸治療について、不眠症に対する鍼灸治療の効果は、国内・国外を問わず多くの研究データ(エビデンス)、そして有効性が明らかになっております。
・睡眠時間の延長・睡眠の質の向上・日中の眠気の軽減など、さまざまな症状に対して効果が期待できます。鍼灸治療は心身をリラックスさせる効果があり、睡眠に対しても影響していると考えられています。

主な治療穴(ツボ)
・湧泉穴:足の裏にあるツボです。
     足底を指先から踵までを3等分したときに指先から1/3のところ(足の指を曲げれる方はその時にできるくぼみ)にあります。
・労宮穴:ストレス対策で有効的なツボです。
     労宮穴は手の厥陰心包経という心臓を包んで守り、心臓が直接ダメージを受けないように代わりに傷つくとされています。
上記の二つのツボは・血液循環の調節・ストレスなどで乱れた自律神経調整を行い心地よい睡眠が期待でいるツボです。
足底部は鍼ではなく、お灸や指圧が有効です!

またこの他におすすめとして、
・失眠穴:ちょうど踵の中央にあるツボです。
     最近の研究では失眠へのお灸が自律神経の調整に有効であるというエビデンスが認められているツボです。
     お灸や指圧ももちろん有効ですが、軽く握り拳を作ってこの失眠穴をトントンするだけでも効果が見込まれます!!

またその他セルフケアは当院でお伝えしておりますので、気になった方はご連絡くださいませ。
平井鍼灸院 鍼灸師 石渡 圭亮