自律神経失調症【女性の症状】セルフチェックで簡単診断
原因がはっきりしないのに、めまいや頭痛、気分の落ち込みといった心身の不調が続くことはありませんか。
それは自律神経の乱れが原因かもしれません。
この記事では、女性に起こりやすい自律神経失調症の症状や原因について解説します。
まずはセルフチェックでご自身の状態を把握し、適切な対処法を見つけるための参考にしてください。
ただし、ここでのチェックはあくまで目安であり、医学的な診断は医療機関で行う必要があります。
もしかして自律神経失調症?女性に多い心身の不調とは
女性はライフステージの変化に伴い、ホルモンバランスが大きく変動するため、自律神経が乱れやすく、多様な心身の不調を経験することがあります。
頭痛、肩こり、疲労感といった身体的な症状から、イライラや不安感といった精神的な症状まで、その現れ方は人それぞれです。
これらの症状が複数重なって現れる場合、自律神経失調症の可能性が考えられます。
まずはセルフチェックを通して、ご自身の心と体のサインに気づくことが大切です。
まずは自分で確認!自律神経失調症の簡単セルフチェック
ここでは、自律神経の乱れによって起こりやすい症状を「身体編」と「精神編」に分けてリスト形式で紹介します。
ご自身の状態を客観的に見つめ直すための目安としてご活用ください。
当てはまる項目が多いほど、自律神経のバランスが乱れている可能性があります。
ただし、これらの症状は他の病気が原因である可能性もあるため、気になる症状が続く場合は自己判断せず、必ず医療機関を受診してください。
【身体編】こんな体の不調はありませんか?
自律神経の乱れは、身体の様々な部分に不調として現れます。
以下のリストの中で、ご自身に当てはまるものがないか確認してみましょう。
例えば、頭痛やめまい、立ちくらみが頻繁に起こる、急な動悸や息切れを感じる、慢性的な肩こりや腰痛に悩まされている、といった症状が挙げられます。
その他にも、胃の不快感や便秘・下痢を繰り返す、手足の冷えやしびれがある、寝ても疲れが取れない、寝つきが悪い、夜中に目が覚めるなどの睡眠に関する問題もサインの一つです。
複数の項目に心当たりがある場合は、注意が必要かもしれません。
【精神編】こんな心の不調はありませんか?
身体だけでなく、心の状態にも自律神経のバランスは大きく影響します。
特に女性は、生理周期やライフステージの変化に伴うホルモンバランスの変動によって、精神的な不調を感じやすい傾向があります。
具体的には、理由もなくイライラしたり、漠然とした不安感に襲われたりすることが挙げられます。
また、以前は楽しめていたことに関心が持てなくなったり、気分の落ち込みが続いたり、集中力や記憶力が低下したと感じることもあります。
ささいなことで感情的になったり、逆に何もやる気が起きなくなったりするのも、自律神経の乱れが関係している可能性があります。
女性に現れやすい自律神経失調症の代表的な症状
自律神経失調症の症状は全身に及び、その現れ方には個人差が大きいのが特徴です。
そのため、どの症状が強く出るかによって何科を受診すべきか迷うことも少なくありません。
身体的なサインと精神的なサインが複雑に絡み合って現れるため、一つの症状だけを見て自己判断するのは困難です。
気になる症状が続く場合は、まずかかりつけ医や専門の医療機関に相談し、他の病気が隠れていないかを含めて正確な診断を受けることが重要になります。
頭痛・めまい・動悸など身体に現れるサイン
自律神経が乱れると、身体の様々な機能の調節がうまくいかなくなり、多様な症状が現れます。
代表的なものに、締め付けられるような緊張型頭痛や、ふわふわするような浮動性のめまいがあります。
また、安静にしている時に突然心臓がドキドキする動悸や、息苦しさを感じることも少なくありません。
消化器系では、胃もたれや吐き気、便秘と下痢を繰り返す過敏性腸症候群のような症状が見られます。
これらの症状に対する根本的な治し方としては、薬で一時的に症状を抑えるだけでなく、背景にある自律神経の乱れ自体を整えるための生活習慣改善やストレス管理が不可欠です。
不安感・イライラ・気分の落ち込みなど心に現れるサイン
自律神経の乱れは、感情のコントロールにも影響を及ぼします。
特に理由がないのに急に不安になったり、焦燥感にかられたり、普段なら気にならないような些細なことでイライラしてしまうことがあります。
また、気分が沈んで憂うつな状態が続いたり、何事にも興味が持てず、やる気が出なくなったりするのも特徴的な症状です。
これらの精神的な不調は、身体的な症状と連動して現れることも多く、体のつらさが心の負担となり、さらに症状を悪化させるという悪循環に陥ることもあります。
自分自身の感情の波に気づき、早めに休息をとるなどの対処が必要です。
自律神経が乱れるのはなぜ?女性に多い3つの原因
自律神経のバランスは、非常にデリケートなもので、様々な要因によって容易に乱れてしまいます。
特に女性は、男性とは異なる身体的な特性やライフスタイルの変化により、自律神経に影響を受けやすいと言われています。
その原因は一つではなく、複数の要素が複雑に絡み合っている場合がほとんどです。
ここでは、女性の自律神経が乱れる主な原因として、過剰なストレス、生活習慣の乱れ、そして女性ホルモンの変動という3つの側面から詳しく見ていきます。
過剰なストレスや人間関係の悩み
自律神経のバランスを崩す最も大きな要因の一つが、精神的・身体的なストレスです。
仕事上のプレッシャー、職場や家庭での人間関係の悩み、経済的な不安などが長期間続くと、心身は常に緊張状態に置かれます。
この状態では、体を活動的にする交感神経が過剰に働き続け、リラックスさせる副交感神経への切り替えがうまくいかなくなります。
その結果、心身を十分に休ませることができず、疲労が蓄積し、頭痛や不眠、動悸といった様々な不調を引き起こします。
ストレスを完全に取り除くことは難しいですが、自分に合った方法で上手に発散させることが重要です。
睡眠不足や食生活の乱れといった生活習慣
不規則な生活習慣は自律神経の働きを直接的に乱す原因となります。
特に睡眠は心身の疲労を回復させ自律神経のバランスをリセットするために不可欠です。
慢性的な睡眠不足や夜更かしは体を緊張させる交感神経を優位にし続け回復の機会を奪ってしまいます。
また栄養バランスの偏った食事や欠食カフェインの過剰摂取なども内臓に負担をかけ自律神経の乱れにつながります。
スマートフォンやパソコンの長時間利用による光の刺激も脳を覚醒させてしまい睡眠の質を低下させる一因となるため注意が必要です。
月経や更年期に伴う女性ホルモンの変動
女性の体は、一生を通じてホルモンバランスがダイナミックに変化します。
初潮から月経、妊娠、出産、そして更年期に至るまで、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌量は大きく揺れ動きます。
この女性ホルモンの分泌をコントロールしている脳の視床下部は、自律神経の働きを司る中枢でもあります。
そのため、ホルモンバランスが大きく変動すると、自律神経の働きもその影響を受けて乱れやすくなるのです。
月経前症候群(PMS)やマタニティブルー、更年期障害などで見られる心身の不調の多くは、このホルモン変動と自律神経の乱れが深く関係しています。
症状が気になったら何科を受診すればよい?
自律神経失症状は、症状が多岐にわたるため「何科に行けばよいのかわからない」と悩む方が少なくありません。
まず、頭痛がひどければ脳神経外科、動悸が気になるなら循環器科、胃腸の不調があれば消化器科というように、最もつらい症状に対応する専門科を受診し、検査を受けることが重要です。
そこで異常が見つからない場合に、自律神経の乱れが原因である可能性が考えられます。
その際は、心療内科や精神科が専門となります。
最近では、自律神経の治療を専門に行うクリニックや鍼灸院もあります。
自律神経のバランスを整えるためのセルフケア方法
自律神経のバランスを取り戻すためには、医療機関での治療と合わせて、日々の生活習慣を見直すセルフケアが非常に重要です。
自律神経は意識的にコントロールできるものではありませんが、食事や睡眠、運動といった生活の基本を整えることで、その働きをサポートすることは可能です。
すぐに効果が出るものではありませんが、根気強く続けることで、心と体の状態は少しずつ安定していきます。
ここでは、日常生活の中で手軽に取り入れられるセルフケアの方法を紹介します。
毎日の食事で意識したい栄養素
自律神経のバランスを整えるためには、1日3食、規則正しく栄養バランスの取れた食事を摂ることが基本です。
特に、神経の働きを正常に保つビタミンB群や、精神を安定させる働きのあるカルシウム、マグネシウムなどのミネラルを意識的に摂取するとよいでしょう。
また、腸内環境は自律神経と密接に関係しているため、善玉菌を増やす発酵食品や食物繊維を積極的に食事に取り入れることも効果的です。
朝食をしっかり食べることは、乱れがちな体内リズムを整えるスイッチを入れる役割も果たします。
インスタント食品や偏った食事は避け、心と体に優しい食生活を心がけてください。
心と体を休める質の高い睡眠のコツ
質の高い睡眠は、日中に活発に働いた交感神経を鎮め、心身をリラックスさせる副交感神経を優位にするために不可欠です。
そのためには、眠りにつく前の環境づくりが重要になります。
就寝1〜2時間前には38〜40℃程度のぬるめのお湯にゆっくり浸かり、心身をリラックスさせましょう。
また、スマートフォンやパソコンが発するブルーライトは脳を覚醒させてしまうため、就寝前は使用を控えるのが賢明です。
アロマを焚いたり、ヒーリング音楽を聴いたりするのもおすすめです。
毎朝同じ時間に起床して太陽の光を浴びることで、体内時計が整い、夜の自然な眠りにつながります。
無理なく続けられる軽い運動やストレッチ
適度な運動は、自律神経のバランスを整える上で非常に効果的です。
ウォーキングやジョギング、ヨガなどのリズミカルな有酸素運動は、血行を促進し、ストレス解消にもつながります。
大切なのは、激しい運動ではなく、自分が心地よいと感じる程度の負荷で、無理なく継続することです。
特に、深い呼吸を意識しながら行うストレッチは、副交感神経の働きを高め、心身の緊張をほぐすのに役立ちます。
日中の活動量を増やすことで、夜の寝つきが良くなるという効果も期待できるため、日常生活の中に少しでも運動を取り入れる習慣をつけてみてください。
自律神経失調症とうつ病の症状の違い
自律神経失調症とうつ病は、倦怠感や不眠、気分の落ち込みといった共通の症状が多いため混同されやすいですが、根本的には異なる状態です。
自律神経失調症は、主に身体の様々な器官に現れる不調が中心となるのに対し、うつ病は「一日中気分が落ち込んでいる」「何に対しても興味や喜びを感じられない」といった精神症状が強く、長く続くのが特徴です。
ただし、自律神経失調症による身体の不調がストレスとなり、うつ病を併発するケースも少なくありません。
自己判断は危険なため、専門医による鑑別診断が不可欠です。
まとめ
女性が経験する原因不明の心身の不調は、自律神経の乱れが関係している可能性があります。
本記事で紹介したセルフチェックは、ご自身の状態を客観的に把握するための一つの手がかりです。
もし当てはまる項目が多い場合は、過度なストレスや生活習慣の乱れ、ホルモンバランスの変動などが原因として考えられます。
食事、睡眠、運動といった日々の生活を見直し、セルフケアを実践することが改善の第一歩となります。
それでも症状が改善しない、あるいはつらいと感じる場合は、一人で抱え込まずに心療内科や精神科などの専門医療機関に相談してください。
症例・患者さんの声

【監修】
平井鍼灸院 院長 梅田俊
鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師
鍼灸師
【所属】
2015年~ 日本自律神経研究会
日本自律神経研究会
【資格】
2011年 国家資格はり灸師、あん摩マッサージ指圧師免許取得
2016年 自律心体療法上級者施術認定者取得
2018年 クレニアルテクニック上級施術認定者取得
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