神経性胃炎の症状(吐き気)と原因|ストレスに効く市販薬を紹介
ストレスが原因で吐き気や胃の痛みといった症状に悩まされていませんか。
それは「神経性胃炎」かもしれません。
神経性胃炎の症状は、胃の不快感だけでなく多岐にわたります。
この記事では、神経性胃炎の主な原因から、つらい症状を和らげる市販薬の選び方、日常生活でできるセルフケアまでを解説します。
自身の症状と向き合い、適切な対処法を見つけるための情報を提供します。
ストレスが引き金になる神経性胃炎とは?
神経性胃炎とは、特定の病気を示す医学的な診断名ではなく、主に精神的なストレスが原因で引き起こされる胃の不調全般を指す言葉です。
「ストレス性胃炎」とも呼ばれ、心の問題が体に症状として現れる心身症の一種とされています。
内視鏡検査などでは胃に明らかな異常(炎症や潰瘍など)が見つからないにもかかわらず、胃痛や吐き気といったつらい症状が続くのが特徴です。
吐き気だけじゃない!神経性胃炎でみられる主な症状
神経性胃炎の症状は吐き気や胃痛に限りません。
胃もたれや胸やけ、食欲不振、ときには嘔吐してしまうこともあります。
また、胃だけでなく腸にも影響が及び、腹痛や下痢、便秘といった症状を伴うケースも少なくありません。
さらに、ゲップや膨満感などの不快な症状も現れます。
これらのつらい身体症状が続くことで、精神的なストレスがさらに増大し、不眠につながるなど、心身ともに悪循環に陥りやすい状態といえます。
もしかして?当てはまったら要注意の症状セルフチェック
自身の症状が神経性胃炎によるものか、簡単なセルフチェックで確認してみましょう。
以下の項目に複数当てはまる場合は注意が必要です。
「ストレスやプレッシャーを感じると胃がキリキリと痛む」「特に理由がないのに急な吐き気に襲われることがある」「食後に胃がもたれたり、膨満感があったりする」「食欲がなく、あまり食べられない日が続く」「胃の不調と同時に、便秘や下痢を繰り返している」「夜、胃の不快感で目が覚めるなど、よく眠れない」「検査をしても胃に異常はないと言われたが、症状が改善しない」などが挙げられます。
これらのサインは、ストレスが胃に影響を与えている可能性を示唆しています。
なぜストレスで胃が痛くなる?自律神経の乱れが原因
ストレスによって胃が痛いと感じる主な原因は、自律神経のバランスが崩れることにあります。
自律神経は、体を活動的にする交感神経と、リラックスさせる副交感神経から成り立っており、胃の働きもコントロールしています。
強いストレスを受けると交感神経が過剰に働き、胃の血管が収縮して血流が悪化し、胃の機能が低下します。
一方で、ストレスが続くと今度は副交感神経が過剰に刺激され、胃酸が必要以上に分泌されるようになります。
この過剰な胃酸が胃の粘膜を直接攻撃するため、特に空腹時などにキリキリとした痛い感覚が生じやすくなるのです。
神経性胃炎と間違いやすい?ストレスが関連する胃の病気
神経性胃炎と同様に、ストレスが関連して胃の不調を引き起こす病気はいくつか存在します。
例えば、検査で異常がないにもかかわらず胃痛や胃もたれが続く「機能性ディスペプシア」は、症状が非常によく似ています。
また、ストレスは胃酸の分泌を促し、胃や十二指腸の粘膜が深く傷つく「胃潰瘍」や「十二指腸潰瘍」のリスクを高めます。
腸の症状が主となる「過敏性腸症候群(IBS)」もストレスが大きく関与する病気です。
さらに、胃の不調が実は「うつ病」の身体症状として現れているケースや、まれに胃がんなどの重篤な病気が隠れている可能性も否定できません。
自己判断は禁物です。
神経性胃炎の症状は市販薬で緩和できる?
神経性胃炎によるつらい症状は市販の胃薬で一時的に和らげることが可能です。
現在の症状に合わせて適切な薬を選べば、胃痛や吐き気といった不快感を軽減できます。
ただし市販薬はあくまで症状を抑えるための対症療法であり、根本原因であるストレスを取り除かなければ、症状は繰り返し起こる可能性があります。
薬の使用で症状が治ることもありますが、それは一時的なものかもしれません。
根本的な改善にはストレス管理や生活習慣の見直しが不可欠です。
【症状別】神経性胃炎に効く市販薬の選び方
神経性胃炎の症状は人それぞれ異なるため、自分の症状に合った市販薬を選ぶことが重要です。
市販の胃腸薬には、出過ぎた胃酸の働きを抑えるもの、胃の運動機能を整えるもの、荒れた胃の粘膜を保護・修復するものなど、さまざまな種類があります。
例えば、キリキリとした痛みには胃酸をコントロールする薬、吐き気や胃もたれには胃の動きを助ける薬が適しています。
自分の最もつらい症状は何かを考え、薬のパッケージに記載されている効能・効果を確認してから購入しましょう。
薬剤師に相談するのも一つの方法です。
胃のキリキリした痛みを抑えたい場合
ストレスによる胃のキリキリとした痛みは、胃酸が過剰に分泌されていることが主な原因です。
このタイプの痛みには、胃酸の分泌そのものを抑える作用を持つ「H2ブロッカー」が有効です。
また、既に出てしまった胃酸を中和して速やかに痛みを和らげる「制酸薬」も選択肢となります。
さらに、ストレスによって胃がけいれんし、痛みが生じている場合には、胃の異常な緊張をほぐす「鎮痙薬」が含まれた胃薬も効果が期待できます。
自分の痛みの特徴に合わせて、これらの成分が含まれている薬を選ぶとよいでしょう。
吐き気やむかつきを和らげたい場合
吐き気や胃のむかつき、胃もたれといった症状は、ストレスによって胃の動きが悪くなっていることが一因です。
このような場合、弱った胃の運動を活発にし、食べ物の消化を助ける働きのある「消化管運動機能改善薬」が適しています。
この種の薬は、胃の内容物がスムーズに腸へ送り出されるのを促すことで、胃の中に食べ物が停滞することによる不快感を改善します。
消化酵素を配合した胃薬も、消化を助けることで同様の症状の緩和に役立ちます。
これらの治療によって、つらい吐き気やむかつきを和らげることが期待できます。
弱った胃の粘膜を保護・修復したい場合
ストレスや過剰な胃酸によって胃の粘膜がダメージを受けると、胃痛や不快感の原因となります。
弱った胃を守るためには、胃粘膜を保護・修復する成分を含む内服薬が役立ちます。
例えば、「スクラルファート」や「テプレノン」、「アズレンスルホン酸ナトリウム」といった成分は、荒れた粘膜に直接付着してバリアを作ったり、粘液の分泌を促して胃酸から守ったりする働きがあります。
これらの成分は、胃の防御機能を高め、粘膜の修復を助けることで、症状の根本的な改善をサポートします。
継続的な不調を感じる場合に適した選択肢です。
体質から改善を目指すなら漢方薬も選択肢に
神経性胃炎の根本的な治療法として、体質からの改善を目指す漢方薬も有効な選択肢です。
漢方では、ストレスによる気の滞りや乱れが胃の不調を引き起こすと考えます。
例えば、ストレスによる胃痛や食欲不振には「安中散(あんちゅうさん)」、体力があまりなく、胃もたれや吐き気が気になる場合には「六君子湯(りっくんしとう)」などが用いられることがあります。
西洋薬が直接的な症状緩和を目的とするのに対し、漢方薬は心身のバランスを整えることで症状を改善していくアプローチです。
鍼灸やツボ押しなども含め、自分に合った方法を探る価値はあります。
薬だけに頼らない!ストレスをためない生活習慣のポイント
神経性胃炎の根本的な対策には、薬物療法と並行して生活習慣を見直すことが欠かせません。
ストレスを完全に無くすことは難しいですが、上手に付き合う工夫はできます。
十分な睡眠時間を確保し、ウォーキングなどの適度な運動を日常に取り入れることで、自律神経のバランスが整いやすくなります。
食事は、消化の良いものをゆっくりよく噛んで食べることを心がけ、暴飲暴食は避けましょう。
アルコールやコーヒー、香辛料などの刺激物は胃に負担をかけるため、症状があるときは控えるのが賢明です。
趣味の時間やリラックスできる時間を作り、心身を休ませることも重要な対策です。
お酒との付き合い方も見直しましょう。
こんな症状は病院へ!受診を検討すべきサイン
市販薬を1ヶ月ほど試しても症状が改善しない場合や症状が悪化する場合には、自己判断で放置せず医療機関を受診してください。
特に、吐血や黒い便(血便)、急激な体重減少、激しい痛みなどの症状は、重症のサインである可能性があり、速やかな診察が必要です。
神経性胃炎が悪化すると、慢性的な胃炎や胃潰瘍に移行することもあります。
適切な診断を受けるためには、まず内科や消化器内科を受診し、必要に応じて胃カメラなどの検査を受けることが推奨されます。
また、ストレスが主な原因と考えられる場合は、心療内科への相談も有効な選択肢となります。
まとめ
神経性胃炎は、ストレスが自律神経のバランスを崩すことで起こる胃の不調です。
主な症状である吐き気や胃痛は、症状に合った市販薬を選ぶことで一時的に緩和が可能です。
しかし、根本的な改善には、ストレス管理と生活習慣の見直しが不可欠です。
市販薬を服用しても症状が長引く場合や、吐血などの危険なサインが見られる場合は、自己判断せずに医療機関を受診しましょう。
専門医による適切な診断と検査に基づき、必要であれば処方薬による治療を受けることが、症状の改善と重症化の予防につながります。
症例・患者さんの声

【監修】
平井鍼灸院 院長 梅田俊
鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師
鍼灸師
【所属】
2015年~ 日本自律神経研究会
日本自律神経研究会
【資格】
2011年 国家資格はり灸師、あん摩マッサージ指圧師免許取得
2016年 自律心体療法上級者施術認定者取得
2018年 クレニアルテクニック上級施術認定者取得
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