寝返りでめまいがする…良性発作性頭位めまい症と自律神経の関係を東洋医学と鍼灸で解説
こんにちは。平井鍼灸院の鈴木開登です。
「寝返りをするとめまいがする」「立ち上がるとグラッとする」といった症状でお困りではありませんか?
この状態は良性発作性頭位めまい症(BPPV)と呼ばれ、耳の内耳にある耳石の異常によって起こる症状です。
自律神経の乱れが関わることで、めまいの強さや回復の遅さに影響することがあります。
良性発作性頭位めまい症とは
良性発作性頭位めまい症(BPPV)は、耳の内耳にある「耳石」が本来の位置からずれることで起こる回転性のめまいです。名前の通り「良性」で命に危険はなく、「発作性」で特定の頭の動きで突然起こり、「頭位」によって症状が誘発されます。
主な症状
- 寝返りや起き上がりでグラッとめまいがする
- 数秒〜数分で症状は治まることが多い
- 吐き気や冷や汗を伴うことがある
- 慢性的になると不安や生活の制限が出る
発症のきっかけ
- 加齢による耳石の変性
- 頭部の外傷や耳の炎症
- 長時間の同じ姿勢
めまいが起こるメカニズム
- 耳石のずれ
耳の内耳にある耳石が剥がれ、三半規管内の液体に入り込むことで、脳が誤って「自分が回転している」と認識しめまいが発生します。 - 三半規管の誤反応
ずれた耳石が液体の流れを乱し、回転性めまいが起こります。 - 自律神経への影響
めまいに伴う不安や吐き気は交感神経を刺激し、心拍数増加や冷や汗などの自律神経症状を引き起こします。
自律神経との関係
良性発作性頭位めまい症(BPPV)は耳の内耳にある耳石のずれが直接の原因ですが、めまいに伴う身体の反応や不安は、自律神経に大きな影響を与えます。特に40代女性は更年期のホルモン変化も重なり、交感神経と副交感神経のバランスが崩れやすくなります。
まず、めまいが起こると身体は「倒れそう」「危険」と認識し、交感神経が活発になります。交感神経が優位になると血管が収縮し、首や耳周りの血流が悪化、筋肉がこわばります。その結果、めまいの感覚が強まり、吐き気や冷や汗なども伴うことがあります。
一方で、身体を休ませる副交感神経の働きは抑えられ、めまいの回復が遅れたり、頭痛や疲労感が残りやすくなります。また、自律神経が乱れると脳がめまいの信号に過敏になり、軽い頭や首の刺激でも強くめまいを感じることがあります。これを中枢性感作と呼びます。
このような状態が続くと、「めまい → 不安・恐怖 → 交感神経優位 → 血流悪化・筋緊張 → めまい悪化 → さらに自律神経が乱れる」という悪循環が生まれ、慢性的な症状や倦怠感、生活への不安につながります。
つまり、良性発作性頭位めまい症は耳の問題だけでなく、自律神経の乱れが症状の強さや回復速度に大きく影響しています。
東洋医学から見た良性発作性頭位めまい症
東洋医学では、良性発作性頭位めまい症は「気・血・津液(体液)」の巡りの乱れや腎・肝・脾の機能低下が関与すると考えます。
腎の役割
- 内耳や水分代謝の根本を司る
- 腎気不足で耳石の位置調整や内耳液体循環が乱れる
肝の影響と自律神経
- 気の流れ(気機)を調整し精神的安定に関わる
- 肝の滞りはめまいによる不安感や交感神経過活動を起こしやすい
脾の関与
- 水分を運び余分な水分を処理
- 脾機能低下で内耳の液体バランスが崩れめまいが起こる
鍼灸でできるアプローチ
- 腎気補強型:太谿・腎兪などで内耳や水分代謝を整える
- 肝気調整型:太衝・合谷などで自律神経安定
- 脾胃改善型:足三里・陰陵泉などで再発予防
症状のタイプに合わせた鍼灸施術で、めまいの軽減と自律神経バランスの回復を目指します。
まとめ
BPPVは耳の耳石異常だけでなく、自律神経や水分代謝の乱れが深く関わっています。
生活習慣やストレスで自律神経が乱れるとめまいが悪化しやすく、東洋医学的には腎・肝・脾のバランスを整えることが改善のポイントです。鍼灸は気血の巡りや内耳の液体循環を整え、症状の軽減と再発予防に有効です。
お悩みの方はお気軽にご相談ください。
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