天気の変化でつらい…“気圧性頭痛”を鍼灸でやわらげる方法
こんにちは、江戸川区平井鍼灸院の今木です。
前回は、【自律神経失調症】薬に頼らない心と体の整え方についてお伝えしました。
自律神経は私たちが生きていくためには欠かせない働きをしていますが、その働きが過敏になりすぎると体には不調として現れてきます。
今回は、天気によって出る頭痛についてお伝えしていきます。
「雨が降る前に頭が痛くなる」…それ、気のせいではありません
「天気が崩れそうな日は、決まって頭がズキズキする」
「気圧が下がると、肩が重くなり頭痛が始まる」
こうした症状は、“気圧性頭痛(気象病)”と呼ばれるものです。特に女性や気圧変化に敏感な体質の方に多く見られ、梅雨時期や台風前後、季節の変わり目に悪化しやすいのが特徴です。
この記事では、気圧性頭痛のメカニズム、現代医学と東洋医学の両面から見た原因、そして鍼灸による自然な対処法を詳しくご紹介します。
気圧性頭痛とは?〜メカニズムと特徴〜
気圧性頭痛は、正式な医学的病名ではありませんが、「気象病」や「天気痛」として近年注目されています。
◆ 主な特徴
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低気圧や気圧変化の前後に起こる
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ズキズキ、締め付けられるような痛み
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頭痛と同時に、首や肩のこり、めまい、吐き気を伴うことも
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市販薬が効きづらい、または一時的にしか改善しない
◆ なぜ気圧が変わると頭痛が起こるのか?
ポイントは、「内耳と自律神経の関係」です。
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内耳:気圧の変化を感じ取る器官。飛行機の離陸や山道でも違和感を感じた経験はありませんか?この内耳が過敏な人は、気圧の微細な変化にも強く反応します。
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自律神経:気圧変化のストレスにより交感神経が優位になり、血管が収縮・拡張を繰り返します。この乱れが、片頭痛や緊張型頭痛を引き起こす原因になります。
現代医学の視点:気象変化と脳血管の動き
気圧が低下すると、空気中の酸素濃度も下がります。脳が「酸素が足りない」と判断し、血管を拡張して酸素を取り込もうとするため、周囲の神経が圧迫されて痛みが生じます。
また、気象変化はストレスホルモン(コルチゾール)の分泌にも影響し、痛みの感受性を高めてしまいます。これが、「ただの頭痛がつらく感じる」背景です。
東洋医学の視点:気・血・水の巡りと“風・湿”
東洋医学では、気象による体調不良は「外邪(がいじゃ)」とされ、なかでも**風邪(ふうじゃ)・湿邪(しつじゃ)**が原因と考えられています。
◆ 「風邪」と「湿邪」とは?
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風邪(ふうじゃ):変化しやすく、急に症状を引き起こす性質。突然の気圧変動で起こる頭痛やめまいと関係。
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湿邪(しつじゃ):体の巡りを滞らせ、重だるい症状をもたらす。梅雨時期の頭重感や関節痛と深く関係。
これらが体内に侵入・停滞することで、気の流れや血流が阻害され、頭痛や倦怠感などの不調が現れるのです。
鍼灸で整える気圧性頭痛のケア
鍼灸治療では、頭痛を単なる「痛み」としてではなく、「全身のバランスの乱れが、頭痛として現れている状態」と捉えます。
そのため、痛みの部位だけでなく、自律神経や五臓六腑の働きを総合的に整えるのが特徴です。
よく使われるツボとその作用
ツボ名 | ツボの位置 | 作用 |
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百会(ひゃくえ) | 頭頂部の中心 | 気の巡りを整え、精神の安定、頭痛全般に有効 |
風池(ふうち) | 首の後ろ、耳の下あたり | 血流促進、首こり、めまい、天気痛に対応 |
天柱(てんちゅう) | うなじの両脇 | 頭痛、肩こり、自律神経を整える |
太陽(たいよう) | こめかみ | 目の疲れ、片頭痛の緩和 |
合谷(ごうこく) | 手の甲、親指と人差し指の間 | 全身の気を巡らせ、痛みを鎮める万能ツボ |
鍼やお灸でこれらのツボを刺激することで、気の巡りと自律神経のバランスを回復させ、頭痛の発症頻度を減らすことが可能です。
自宅でできるセルフケア
鍼灸治療と合わせて、日常でも取り入れられる予防策を紹介します。
◆ 1. 気圧アプリを活用し、事前に対策
気象予報アプリで、気圧の変動をあらかじめ知っておくことで、前もって睡眠・栄養・予定を調整できます。
◆ 2. 首・肩の冷えと緊張を避ける
冷房の風が直接当たらないようにし、首元を温めることで、血流を保ち自律神経の乱れを防止します。
◆ 3. 朝の深呼吸&ストレッチ習慣
朝の光を浴びながらの深呼吸や軽い体操は、自律神経のリズムを整え、日中の不調を予防する効果があります。
最後に
気圧性頭痛は、気象というコントロールできない要因が関係しているため、つい「仕方ない」と諦めてしまいがちです。
しかし、東洋医学や鍼灸の視点から見ると、体の内側から“気象変化に負けない体質”をつくることは十分に可能です。
「薬を手放したい」「自然に頭痛を和らげたい」
そんな方は、ぜひ鍼灸の力を体験してみてください。心身が整うことで、頭痛のない快適な日常が戻ってくるはずです。
あなたの“頭痛の日常”が少しでも軽くなるように、私たちが丁寧にサポートいたします。どうぞお気軽にご相談ください。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
江戸川区平井鍼灸院 今木薫
【監修】
平井鍼灸院 院長 梅田俊
鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師
鍼灸師
【所属】
2015年~ 日本自律神経研究会
日本自律神経研究会
【資格】
2011年 国家資格はり灸師、あん摩マッサージ指圧師免許取得
2016年 自律心体療法上級者施術認定者取得
2018年 クレニアルテクニック上級施術認定者取得
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