症例報告「自律神経失調症(脊柱管狭窄症) 症例4」 ‐東京・江戸川区・平井‐

【自律神経失調症 症例4】
【患者像】
Tさん 50代 男性
【来院】
 2016.9 
【症状】
主訴:LCS(脊柱管狭窄症)、イライラ
3カ月前から右足のハムストリングス、殿部の筋肉、腰に張り感を感じて歩行困難な状態。X線写真、MRIの検査結果から脊柱管狭窄症だと主治医から診断された。本人の自覚症状としては、イライラしてしまうこともあり、交感神経の緊張状態がLCS(脊柱管狭窄症)の状態をさらに悪化させている。神経痛症状は右膝と腸脛靭帯に及んでいる。
【治療経過と内容】
治療方針
肝うつ気滞の緩和と神経痛症状の鎮静
体表観察と触診の結果、末端の冷感と腹部の緊張、腰部(L4-L5、L5-S1)に皮膚の緊張と筋肉の硬結を認めた。肝うつ気滞は、体表全体の緊張とその下を流れる血流を阻害することで、オ血を発生させるため神経痛に対する体の感受性が高まる。治療としては、手足と腹部の血流を改善する為に、太衝、足三里、風市と関元に鍼施術を施すことで、血流改善と緊張緩和を認めた。
腰部の治療は、脊柱管狭窄部のL4-L5、L5-S1間にある大腸兪と膀胱兪を中心に殿筋群にも刺鍼をし、下肢に出ていた神経痛症状の改善を認めた。
【同時に治療した症状】
冷え性、気分が乗らない
【使用した主なツボ】
太衝、風市、大腸兪
【考察】
西洋医学的にLCS(脊柱管狭窄症)と診断をされており、投薬治療で経過観察しか出来ない状態で患者は治癒を諦めかけていた。症状が緩和するうちに表情も明るくなり、気分の落ち込みが解消されてきたと感じた。LCS(脊柱管狭窄症)に関しては、神経痛が出ている範囲で適切な取穴をすることで効果を発揮させた。根本的な原因としては、体の深部を流れる血流が慢性的に悪化しており、睡眠の質を下げていたことだった。自律神経失調症の症状は少なかったものの、LCS(脊柱管狭窄症)の発症原因の1つに自律神経失調症が関係していたと考察する。
再発を防止する為に、骨格の歪みの改善も今後施していく。