足の指(中指・薬指)のしびれはモートン病?原因と対処法を解説
足指、特に中指や薬指に限定して痺れを感じる場合、その原因として「モートン病」という神経障害の可能性があります。
この症状は、靴による圧迫や足への過度な負担が引き金となることが多く、放置すると痛みが悪化することも少なくありません。
この記事では、足の指に生じるしびれの正体や考えられる病気、自分でできる対処法から病院での治療法までを詳しく解説します。
足の中指と薬指がしびれる…これって何かの病気?
歩いている時や特定の靴を履いた時に、足の中指と薬指の付け根あたりが痺れる、または痛む場合、モートン病の可能性があります。
この病気は、足指へ向かう神経が圧迫されることで発症します。
特に第3趾(中指)と第4趾(薬指)の間で起こりやすいのが特徴です。
ここでは、モートン病の具体的な症状や、しびれ以外のサインについて解説します。
モートン病の可能性が高い症状とは
モートン病は、足の中指と薬指の間、もしくは人差し指と中指の間にある神経が、指の付け根の靱帯に圧迫されて起こる神経障害です。
初期症状としては、しびれやピリピリとした痛み、電気が走るような感覚が挙げられます。
症状は主に歩行中に現れ、靴を脱いだり安静にしたりすると和らぐ傾向があります。
進行すると、安静時にも痛みが続くようになり、日常生活に支障をきたすケースも少なくありません。
特に、つま先が狭い靴やハイヒールを履くことで症状が悪化しやすいのが特徴です。
足裏に小石があるような違和感もサインの一つ
足の指の付け根にしびれや痛みを感じるだけでなく、「足裏に小石やビー玉が挟まっているような」「一枚紙が貼り付いているような」と表現される独特の違和感も、モートン病の典型的なサインです。
これは、圧迫されて神経が腫れて固くなる「神経腫」が形成されることで生じる感覚です。
この違和感は、歩行時に特に強く感じられ、靴を脱いで足裏を確認しても何もないという特徴があります。
このような異物感としびれが同時に現れた場合は、モートン病を疑う一つの根拠となります。
しびれの正体はモートン病?症状をセルフチェック
足の中指や薬指にしびれを感じたら、それがモートン病によるものか、いくつかの特徴的な症状から推測できます。
日常生活の特定の動作や状況で症状がどのように変化するかを確認することで、セルフチェックが可能です。
ここでは、モートン病でよく見られる具体的な症状を3つのポイントに分けて紹介します。
ご自身の症状と照らし合わせて確認してみてください。
足の指の付け根にジンジンとした痛みやしびれがある
モートン病の最も代表的な症状は、足の指の付け根、特に第3趾(中指)と第4趾(薬指)の間に生じるジンジン、ピリピリとした痛みやしびれです。
この感覚は、神経が圧迫されることで発生し、指先に向かって広がることもあります。
症状は歩行中や立っている時に強くなり、靴を脱いで休憩すると軽減するのが一般的です。
初期段階では軽い違和感程度でも、進行するにつれて焼けるような鋭い痛みに変わることもあります。
特に、足裏から指先にかけて放散するような痛みやしびれがある場合は注意が必要です。
特定の靴を履くと症状が悪化する
つま先が細いパンプスやハイヒール、サイズの合わない窮屈な靴を履いたときに、しびれや痛みが強くなるのはモートン病の典型的な特徴です。
これらの靴は、足の指の付け根にある「中足骨」の間を狭め、神経への圧迫を増大させます。
逆に、靴を脱いだり、つま先部分が広く柔らかい靴に履き替えたりすると、症状が和らぐことが多いです。
もし特定の靴を履いた時だけ症状が現れる、あるいは悪化するようであれば、靴による神経の圧迫が原因である可能性が高いと考えられます。
つま先立ちになると痛みが強くなる
つま先立ちの姿勢やしゃがみ込む動作は、足の指の付け根部分に体重が集中し、神経への圧迫が最も強くなるため、モートン病の痛みを誘発・悪化させます。
この動作は、モートン病の診断の際に行われる誘発テスト(チネル徴候やマルダークリックテスト)にも応用されています。
もし、つま先立ちをした際や歩行中に地面を蹴り出す瞬間に、足の指の付け根に鋭い痛みやしびれが走るようであれば、モートン病の可能性を考える必要があります。
日常生活でこのような動作を避けるだけでも、症状の軽減につながることがあります。
モートン病だけじゃない!足の指がしびれる他の病気
足の中指や薬指のしびれはモートン病でよく見られますが、人差し指や小指など他の指、あるいは足全体がしびれる場合は、別の病気が隠れている可能性も考えられます。
足のしびれを引き起こす原因は、足そのものの問題だけでなく、腰の神経や全身性の疾患など多岐にわたります。
ここでは、モートン病以外に足の指のしびれを症状とする代表的な病気をいくつか紹介し、その特徴を解説します。
腰が原因で足にしびれが出る坐骨神経痛
坐骨神経痛は、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症など、腰の病気が原因で坐骨神経が圧迫されて起こる症状の総称です。
お尻から太ももの裏、ふくらはぎ、そして足先にかけて、しびれや痛みが広がります。
例えば右足だけにしびれが出ることもあります。
モートン病が足の指の付け根に限定した症状であるのに対し、坐骨神経痛はより広範囲に症状が現れるのが特徴です。
前かがみになったり、長時間座っていたりすると症状が悪化することが多く、足の指だけでなく、すねやふくらはぎにもしびれを感じる場合は、腰の検査が必要になります。
足の血管が詰まる閉塞性動脈硬化症
閉塞性動脈硬化症は、足の血管が動脈硬化によって狭くなったり詰まったりして、血流が悪くなる病気です。
初期症状として、足の指の冷えやしびれが現れます。
特徴的なのは「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」と呼ばれる症状で、一定の距離を歩くと足が痛くなり、少し休むとまた歩けるようになるという状態を繰り返します。
症状が進行すると、安静時にも痛みが現れたり、足の傷が治りにくくなったりします。
喫煙者や高血圧、脂質異常症などの生活習慣病がある方は特に注意が必要です。
糖尿病による神経障害の可能性
糖尿病の合併症の一つに、高血糖状態が続くことで末梢神経がダメージを受ける「糖尿病性神経障害」があります。
この症状は、両足の指先や足裏から始まることが多く、「ジンジン」「ピリピリ」としたしびれや痛みが左右対称に現れるのが特徴です。
また、感覚が鈍くなり、温度を感じにくくなったり、怪我に気づきにくくなったりすることもあります。
モートン病のように特定の指だけに症状が出ることは比較的少なく、足全体に広がる傾向があります。
血糖コントロールが不良な状態が続いている場合は、この病気の可能性も考慮する必要があります。
なぜしびれが起きる?モートン病を引き起こす日常生活の要因
モートン病による足のしびれは、特別な原因がなく起こることもありますが、多くは日常生活の中に潜む要因が積み重なって発症します。
特に、足の指の付け根にある神経に繰り返し負担がかかるような習慣が、発症の引き金となります。
ここでは、モートン病のリスクを高める代表的な3つの生活習慣や身体的特徴について解説します。
ご自身の生活を振り返り、当てはまる点がないか確認してみましょう。
ハイヒールなどつま先が狭い靴による足指への圧迫
モートン病の最大の原因の一つは、不適切な靴の選択です。
特に、ハイヒールやつま先が細く尖ったパンプスは、足先を強く圧迫し、指の付け根にある中足骨の間を狭めます。
この圧迫により、骨の間を通る神経が繰り返し刺激され、炎症や腫れ(神経腫)を引き起こします。
また、ハイヒールはつま先立ちに近い状態を強制するため、足の付け根部分に体重が集中し、神経への負担をさらに増大させます。
日常的にこのような靴を履く習慣がある方は、モートン病を発症するリスクが非常に高いと言えます。
長時間の立ち仕事や歩きすぎによる足裏への負担
仕事などで長時間立ち続けたり、マラソンやウォーキングなどで長距離を歩いたりすることも、モートン病の間接的な原因となります。
これらの活動は、足裏、特に指の付け根部分に継続的な衝撃と圧力を与えます。
この負担が蓄積されることで、足底の筋肉や靱帯が疲労し、足の構造的なバランスが崩れやすくなります。
結果として、神経が通るスペースが狭くなり、圧迫を受けやすくなるのです。
クッション性の低い靴で硬い地面の上を長時間歩くことは、特にリスクを高める要因となります。
足裏のアーチの崩れ(扁平足や開張足)
足裏には、衝撃を吸収するクッションの役割を果たす「アーチ構造」があります。
このアーチが崩れた状態である扁平足(土踏まずがない足)や開張足(足の横幅が広がった足)は、モートン病の発症と深く関係しています。
特に開張足では、足の指の付け根にある横アーチが低下し、中足骨の間隔が広がります。
その結果、歩行時に地面からの衝撃が直接指の付け根にかかり、神経を圧迫しやすくなります。
加齢や運動不足による筋力低下もアーチの崩れにつながるため、注意が必要です。
今日からできる!足指のしびれを和らげるセルフケア
足の指にしびれや痛みを感じ始めたら、悪化させないために早めのセルフケアが重要です。
日常生活の中で足への負担を減らす工夫を取り入れることで、症状の軽減が期待できます。
病院に行く前の対策として、また治療と並行して行うケアとして、今日から始められる方法を紹介します。
無理のない範囲で、ご自身の生活に取り入れてみてください。
まずは安静に!足への負担を減らすことが最優先
しびれや痛みといった症状は、体からの危険信号です。
モートン病の場合、神経が圧迫されて炎症を起こしている状態なので、まずは原因となっている負担を取り除くことが最も重要です。
痛みを感じる動作、例えば長時間の歩行やランニング、つま先立ちなどを避け、できるだけ足を休ませましょう。
仕事などでどうしても動かなければならない場合でも、休憩時間をこまめに取る、痛みを誘発する靴を履く時間を短くするなどの工夫が求められます。
症状が強いときは、患部を冷やすことも炎症を抑えるのに有効です。
インソールを活用して足裏の衝撃を吸収する
インソール(靴の中敷き)は、足裏にかかる衝撃を和らげ、足のアーチをサポートするのに非常に効果的です。
モートン病の場合、特に足の横アーチを支えるタイプのインソールが推奨されます。
中指と薬指の付け根あたりが少し盛り上がっている「中足骨パッド(メタタルサルパッド)」付きのインソールを選ぶと、圧迫されている神経の周囲にスペースが生まれ、症状の緩和につながります。
市販のものでも効果は期待できますが、自分の足に合ったものを整形外科や義肢装具士に相談して作成するオーダーメイドインソールも有効な選択肢です。
正しい靴の選び方で足の指への圧迫を防ぐ
モートン病の予防改善において靴選びは非常に重要な要素です。
つま先部分が狭く指が圧迫される靴は避け、指が自由に動かせるくらいのゆとりがある「ラウンドトゥ」や「スクエアトゥ」のような形状の靴を選びましょう。
また、ヒールの高い靴は足の付け根に負担が集中するため、できるだけヒールが低く安定感のあるものを選ぶのが賢明です。
靴紐やストラップで足の甲をしっかりと固定できるデザインであれば、靴の中で足が前に滑るのを防ぎ、指への負担を軽減できます。
素材も硬いものより柔らかく足になじみやすいものをおすすめします。
足指の筋肉をほぐす簡単なストレッチ方法
足指や足裏の筋肉が硬くなっていると、足のアーチが正常に機能せず、神経への負担が増加します。
簡単なストレッチで筋肉の柔軟性を保つこともセルフケアの一環です。
例えば、椅子に座り、片方の足首を反対側の膝の上に乗せ、手で足の指をゆっくりと反らしたり、曲げたりするストレッチがあります。
また、足の指を一本ずつ丁寧に回したり、指の間に手の指を入れて足指を大きく開いたりするのも効果的です。
お風呂上がりなど、筋肉が温まっている時に行うとより効果が高まります。
ただし、痛みを感じる場合は無理をしないようにしましょう。
症状が改善しない場合の対処法|病院での治療
セルフケアを続けても足の指のしびれや痛みが改善しない、あるいは症状が悪化していく場合は、医療機関での診断と治療が必要です。
放置すると神経の損傷が進み、治療が難しくなる可能性もあります。
ここでは、どの診療科を受診すればよいのか、病院でどのような検査や治療が行われるのかについて解説します。
適切なタイミングで専門医に相談することが、早期回復への近道です。
足の指のしびれは何科を受診するべき?
足の指のしびれや痛みで病院を受診する場合、まずは整形外科の受診が推奨されます。
整形外科は骨、関節、筋肉、神経など運動器系の疾患を専門とする診療科であり、モートン病の診断と治療において中心的な役割を担います。
問診や身体所見で原因を特定し、必要に応じてレントゲンや超音波などの画像検査を行います。
何科に行けばよいか迷った際は、まず整形外科に相談するのが最も適切な選択です。
もし、しびれの原因が腰や全身性の疾患にあると判断された場合は、そこから神経内科や内科など他の専門科へ紹介されることもあります。
整形外科で行われる主な検査内容
整形外科では、まず問診で症状の詳しい内容(いつから、どんな時に、どの指がしびれるかなど)を確認し、足の状態を視診や触診でチェックします。
モートン病が疑われる場合、特徴的な所見を確認するための徒手検査が行われます。
代表的なものに、しびれのある指の付け根を指で叩いて症状が誘発されるか調べる「チネル徴候」や、足の幅を両側から圧迫して痛みを確認する「マルダークリックテスト」があります。
骨の異常を確認するためにレントゲン検査を行うほか、神経の腫れ(神経腫)の状態をより詳しく見るために、超音波(エコー)検査やMRI検査が追加されることもあります。
保存療法から手術まで|モートン病の治療法を紹介
モートン病の治療は、まず神経への圧迫を取り除く「保存療法」から開始するのが一般的です。
具体的には、インソール(足底挿板)の使用や、つま先の広い靴への変更といった生活指導が中心となります。
痛みが強い場合は、消炎鎮痛剤の内服や湿布、神経の炎症を抑えるためのステロイド注射が行われることもあります。
これらの保存療法を数ヶ月続けても症状が改善しない、または痛みが強く日常生活に大きな支障が出ている場合には、神経の圧迫を取り除く、あるいは神経腫を摘出する手術が検討されます。
足の中指・薬指のしびれに関するよくある質問
足の中指や薬指のしびれに関して、多くの方が抱く疑問や不安にお答えします。
日常生活での注意点や、症状との向き合い方について、よくある質問をまとめました。
治療やセルフケアを進める上での参考にしてください。
ただし、個々の症状については専門医への相談が最も重要であることをご理解ください。
Q1. モートン病のときにやってはいけないことはありますか?
つま先が細い靴やハイヒールを履くこと、つま先立ちや長時間の歩行など、足の指の付け根に負担がかかる行為は避けるべきです。
痛みを我慢して運動を続けると、神経の炎症が悪化する可能性があります。
症状がある間は、安静を心がけましょう。
Q2. このしびれは自然に治りますか?放置すると悪化しますか?
軽症であれば、原因となる靴の変更や安静によって自然に改善することもあります。
しかし、神経への圧迫が続くと症状は悪化し、痛みが慢性化したり、感覚が鈍くなったりする可能性があります。
長期間放置せず、早めに整形外科を受診することが重要です。
Q3. モートン病におすすめのインソールの選び方は?
足の横アーチをサポートし、指の付け根への圧迫を減らす「中足骨パッド(メタタルサルパッド)」が付いているものが効果的です。
パッドが神経の圧迫部位のすぐ手前(かかと側)に当たるように調整することで、症状の緩和が期待できます。
まとめ
足の中指と薬指にしびれや痛みを感じる場合、その多くはモートン病の可能性があります。
この症状は、つま先の狭い靴や足への過度な負担が原因で、足指へ向かう神経が圧迫されることで生じます。
セルフケアとしては、足への負担を減らすための安静、インソールの活用、適切な靴選びが有効です。
しかし、セルフケアで改善しない、または症状が悪化する場合は、他の病気の可能性も考慮し、早めに整形外科を受診することが重要です。
専門医による適切な診断と治療を受けることで、症状の悪化を防ぎ、早期の回復を目指すことができます。
症例・患者さんの声

【監修】
平井鍼灸院 院長 梅田俊
鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師
鍼灸師
【所属】
2015年~ 日本自律神経研究会
日本自律神経研究会
【資格】
2011年 国家資格はり灸師、あん摩マッサージ指圧師免許取得
2016年 自律心体療法上級者施術認定者取得
2018年 クレニアルテクニック上級施術認定者取得
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