更年期の自律神経を整えるツボ|症状別の場所と正しい押し方
更年期に現れるほてりやイライラ、不眠といった不調は、自律神経の乱れが原因の一つとされています。
薬に頼る前に、自分でできるケアを探している人も少なくありません。
この記事では、更年期のつらい症状を和らげる、自律神経を整える方法として効果が期待できるツボとその押し方について、症状別に詳しく解説します。
毎日のセルフケアに手軽に取り入れられる方法なので、ぜひ参考にしてください。
はじめに:更年期で自律神経が乱れる理由とツボ押しの効果
更年期になると、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が急激に減少し、長年保たれてきたホルモンバランスが崩れます。
この変化に脳が混乱し、自律神経のコントロールがうまくいかなくなることで、心身にさまざまな不調(更年期障害)が現れます。
ツボ押しは、体にある特定のポイントを刺激することで、気血の流れを整え、乱れた自律神経の働きを正常に近づける効果が期待できる東洋医学の考えに基づいたセルフケアです。
まず押さえたい!更年期の不調を整える代表的な4つのツボ
更年期に起こるさまざまな不調に対して、ツボケアは選択肢の一つです。ツボは、特定の症状だけでなく、心身のバランスを総合的に整える働きが期待できます。
特定のつらい症状がある場合でも、ベースとしてこれらのツボをケアに取り入れることで、より効果的なセルフケアにつながる可能性があります。それぞれの場所と期待される働きを理解し、日々の体調管理に役立てましょう。
三陰交(さんいんこう):女性特有の悩みに幅広く対応するツボ
三陰交は、足の内くるぶしの最も高いところに小指を置き、人差し指が当たるすねの骨の後ろ側のくぼんだ部分にあります。
このツボは、婦人科系の症状に幅広く効果があるとされ、「女性のツボ」とも呼ばれています。
更年期における冷えやむくみ、ほてり、のぼせ、月経不順といった血流に関連する不調の緩和に役立ちます。
全身の血の巡りを促進する作用があるため、ホルモンバランスの乱れからくるさまざまな症状の改善が期待できる万能なツボです。
神門(しんもん):イライラや不安な気持ちを落ち着かせるツボ
神門は、手のひら側の手首の付け根にある横じわの上、小指側にある腱の内側のくぼみに位置します。
精神的な緊張やストレスを緩和する効果が期待できるツボで、更年期に起こりがちなイライラ、不安感、動悸、不眠などの症状を落ち着かせるのに役立ちます。
このツボを刺激することは、精神の安定に関わるセロトニンの分泌を促すともいわれており、心を穏やかに保ちたい時に押すのがおすすめです。
デスクワークの合間などにも手軽に押せます。
百会(ひゃくえ):自律神経のバランスを総合的に調整するツボ
百会は頭のてっぺんにあり、左右の耳の穴を結んだ線と、顔の中心線(鼻から後頭部へ向かう線)が交差する、少しへこんだ部分に位置します。
全身の気が集まる場所とされ、自律神経のバランスを総合的に調整する働きがあります。
頭痛、めまい、不眠、のぼせ、物忘れなど、更年期に現れる多岐にわたる症状の緩和に効果が期待される万能なツボです。
ストレスを感じた時や、頭がすっきりしない時に中指で心地よい強さで押すと良いでしょう。
太衝(たいしょう):ストレスによるのぼせや頭痛を和らげるツボ
太衝は足の甲側で、親指と人差し指の骨が交わる手前のくぼみにあります。
押すとズーンとした痛みを感じる場所です。
このツボは気の巡りをスムーズにし、ストレスや緊張によって高ぶった神経を鎮める働きがあります。
特にイライラからのぼせ、顔のほてり、頭痛、めまい、高めの血圧といった上半身に現れる熱症状の緩和に効果的です。
ストレスを感じやすい人や感情の起伏が激しいと感じる時に刺激すると心身のバランスを取り戻す助けになります。
【お悩み別】更年期のつらい症状に効くツボの場所と押し方
更年期の不調は人それぞれで、日によっても症状が変わることがあります。
ここでは、「イライラ」「ほてり」「頭痛」など、多くの人が抱える具体的な悩み別に、特に効果が期待できるツボの場所と押し方を紹介します。
自分のその時のつらい症状に合わせて、適切なツボを選んでケアすることで、より的確に不調を和らげることが可能です。
毎日のセルフケアに加えて、症状が気になる時に試してみてください。
イライラ・不安感を鎮めたい時に効果的なツボ
精神的な浮き沈みを和らげるには、心を落ち着かせるツボが効果的です。
代表的なのは、手首にある「神門(しんもん)」や「内関(ないかん)」です。
内関は、手首の付け根のしわから指3本分ひじ側へ進んだ、2本の太い腱の間にあります。
これらのツボを親指でゆっくりと押すことで、高ぶった神経を鎮め、不安な気持ちを和らげます。
また、胸の中央にある「膻中(だんちゅう)」は、ストレスによる胸のつかえや息苦しさを緩和するのに役立ち、ゆっくり押すことでリラックス効果が得られます。
ほてり・ホットフラッシュ・のぼせを和らげたい時のツボ
急な顔のほてりや汗が噴き出すホットフラッシュには、体の熱を冷ます効果のあるツボが有効です。
足の裏、指を曲げた時に最もくぼむ場所にある「湧泉(ゆうせん)」は、のぼせを引き下げる代表的なツボです。
両手の親指を重ねて、少し強めに押すと良いでしょう。
また、肘を曲げたときにできるシワの親指側にある「曲池(きょくち)」も、体の上部にこもった熱を冷ます働きがあります。
これらのツボを刺激することで、上半身に集中しがちな熱を分散させ、不快な症状を緩和します。
めまいや頭痛を楽にしたい時に試したいツボ
更年期に起こるめまいや頭痛には、頭部や首周りの血行を促進するツボが効果的です。
頭頂部の「百会(ひゃくえ)」は、自律神経を整え、頭全体の血流を改善します。
また、首の後ろの髪の生え際で、2本の太い筋肉の外側にあるくぼみ「風池(ふうち)」は、首や肩のこりからくる頭痛やめまいに特に有効です。
両手の親指で頭を支えるようにしながら、ゆっくりと押し上げるように刺激すると、頭がすっきりして症状が楽になります。
寝つきが悪い・不眠を改善したい時に押したいツボ
寝つきが悪い、夜中に目が覚めてしまうといった不眠の悩みには、心身をリラックスさせるツボがおすすめです。
手首にある「神門(しんもん)」は精神を安定させ、自然な眠りを誘います。
また、かかとの中央にある「失眠(しつみん)」は、その名の通り不眠に効果的なツボとして知られています。
こぶしで軽くトントンと叩いたり、ゴルフボールなどを床に置いて足裏で転がしたりして刺激するのも良い方法です。
就寝前にこれらのツボをゆっくり押す習慣をつけると、睡眠の質の改善が期待できます。
冷えやむくみを解消したい時にアプローチしたいツボ
血行不良からくる冷えや水分代謝の低下によるむくみも更年期によく見られる症状です。
これらの改善には、血の巡りを促し、水分バランスを整えるツボが役立ちます。
「三陰交(さんいんこう)」は、婦人科系の不調全般に効果的で、特に下半身の冷えやむくみに有効です。
また、ひざのお皿のすぐ下、外側のくぼみから指4本分下にある「足三里(あしさんり)」は、胃腸の働きを整え、全身のエネルギーを高めることで、冷えにくい体づくりをサポートします。
定期的な刺激で体質改善を目指しましょう。
ツボ押しの効果を最大化する!自宅でできる正しいセルフケア方法
ツボ押しは手軽に始められるセルフケアですが、その効果を最大限に引き出すためには、正しい方法で行うことが重要です。
押す強さやタイミング、呼吸との連動など、いくつかのポイントを押さえるだけで、体への作用が大きく変わってきます。
ここでは、自宅で誰でも簡単に実践できる、効果的なツボ押しの基本ルールと注意点を解説します。
正しい知識を身につけて、日々のケアをより質の高いものにしましょう。
押す強さは「痛気持ちいい」と感じる程度が目安
ツボを押す際の強さは、「痛いけれど気持ちいい」と感じる程度が最適です。
ただ強く押せば効くというものではなく、痛みを我慢するほど強く押すと、筋肉が緊張してしまい、かえって逆効果になることがあります。
また、筋肉や組織を傷つけてしまう恐れもあるため注意が必要です。
親指の腹などを使い、じんわりと圧をかけていき、自分が最も心地よいと感じるポイントを探しましょう。
もし痛みしか感じない場合は、無理に押さずに優しくさする程度に留めてください。
呼吸に合わせて1か所5秒ほどゆっくり押すのが基本
ツボ押しは、深い呼吸と連動させることでリラックス効果が高まり、気の巡りも良くなります。
基本的な方法は、息をゆっくりと口から吐きながら5秒ほどかけてツボを押し、鼻から息を吸いながら5秒ほどかけて力を抜いていくというサイクルです。
これを1か所につき5〜10回程度繰り返します。
焦らず、ゆったりとしたリズムで行うことが大切です。
呼吸を意識することで、自律神経のバランスが整いやすくなり、ツボ押しの効果をより深く体に浸透させることができます。
リラックスできるお風呂上りや就寝前がおすすめのタイミング
ツボ押しを行うタイミングに厳密な決まりはありませんが、特におすすめなのは体が温まってリラックスしている時です。
入浴後は血行が促進されているため、ツボ押しの効果が出やすくなります。
また、心身が落ち着いている就寝前に行うと、1日の疲れを癒し、自律神経が整うことで質の良い睡眠につながります。
テレビを見ながら、仕事の合間など、生活の中に無理なく取り入れられる時間を見つけて習慣化することが、効果を実感するための鍵となります。
セルフケアを行う上での注意点
安全にツボ押しを行うために、いくつかの注意点を守ることが大切です。
まず、食後すぐや飲酒時、発熱時など、体調がすぐれない時は避けましょう。
また、妊娠中は押してはいけないツボ(特に三陰交など)があるため、自己判断で行わず専門家に相談してください。
皮膚に傷や湿疹がある部位、骨折や捻挫をしている箇所への刺激も避けるべきです。
万が一、ツボ押し後に気分が悪くなったり、症状が悪化したりした場合は、すぐに中止して様子を見るか、必要であれば医師に相談しましょう。
更年期の自律神経を整えるツボに関するよくある質問
更年期の不調を和らげるためにツボ押しを試してみたいけれど、効果ややり方について疑問を持つ人もいるかもしれません。
ここでは、ツボ押しの効果を実感できるまでの期間や、セルフケアで改善しない場合の対処法、他のケアとの組み合わせなど、多くの人が知りたいと感じる点について、よくある質問とその回答をまとめました。
始める前の不安や疑問を解消し、安心してセルフケアに取り組むための参考にしてください。
Q1.ツボ押しはどのくらいの期間続ければ効果を実感できますか?
効果の現れ方には個人差がありますが、体質改善を目指すセルフケアのため、即効性を期待するより継続が大切です。
まずは2週間から1か月程度、毎日コツコツと続けてみてください。
すぐに変化がなくても、続けることで徐々に心身のバランスが整い、不調が和らいでいくことが期待できます。
焦らず、生活習慣の一部として気長に取り組むことがポイントです。
Q2.ツボを押しても症状が良くならない場合はどうしたらいいですか?
ツボ押しを続けても症状が改善しない、または悪化する場合は、自己判断でのセルフケアを中止し、専門家へ相談しましょう。
つらい症状の裏に他の病気が隠れている可能性も考えられます。
まずは婦人科を受診して適切な診断を受けることが大切です。
また、東洋医学の観点からは、鍼灸院で専門的な治療を受けるのも一つの有効な選択肢となります。
Q3.ツボ押しと合わせて行うと効果的なセルフケアはありますか?
バランスの取れた食事、ウォーキングなどの適度な運動、質の良い睡眠といった生活習慣の改善が基本です。
これらに加え、ツボを心地よく温める市販のお灸や、リラックス効果のあるアロマテラピーなどを組み合わせると相乗効果が期待できます。
自分に合った方法を見つけて、心身を総合的にケアすることが、更年期を快適に過ごすための鍵となります。
まとめ
更年期における自律神経の乱れからくるさまざまな不調は、ツボ押しによって緩和が期待できます。
ツボ押しは、特別な道具も必要なく、いつでもどこでも実践できる手軽なセルフケアです。
このブログ記事で紹介した代表的なツボや症状別のツボを参考に、まずは「痛気持ちいい」と感じる強さで、リラックスしながら試してみてください。
自分自身の体と向き合い、日々の生活にツボ押しを取り入れることで、つらい症状を乗り越える一助となるはずです。
症例・患者さんの声

【監修】
平井鍼灸院 院長 梅田俊
鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師
鍼灸師
【所属】
2015年~ 日本自律神経研究会
日本自律神経研究会
【資格】
2011年 国家資格はり灸師、あん摩マッサージ指圧師免許取得
2016年 自律心体療法上級者施術認定者取得
2018年 クレニアルテクニック上級施術認定者取得
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