低気圧で息苦しいのはなぜ?雨の日の動悸・不調の対処法を解説
雨や台風が近づくと、なぜか息苦しさや動悸を感じることはありませんか。
その不調は、天気の変化に伴う気圧の低下が原因かもしれません。
この記事では、低気圧で息苦しくなる原因を解説し、すぐに試せるセルフケアや日常生活でできる対処法を紹介します。
つらい症状の裏に隠れた病気の可能性にも触れるため、自身の体調を理解する一助としてください。
雨や台風の日に息苦しい…その不調は「気象病」かもしれません
天候の変化によって引き起こされる体調不良は、「気象病」や「天気痛」と呼ばれます。
気圧、温度、湿度などの変動に体が対応しきれず、様々な症状が現れる状態です。
代表的な症状には頭痛やめまい、倦怠感がありますが、人によっては「息が苦しい」「動悸がする」といった呼吸器や循環器系の不調を感じることもあります。
これは、気圧の変化を体がストレスとして感じ、自律神経のバランスが乱れることが主な原因と考えられています。
なぜ低気圧で息苦しさを感じるのか?考えられる3つの原因
低気圧が接近すると胸が苦しいと感じたり、呼吸が浅くなったりするのは、単一の原因ではなく、いくつかの要因が複合的に影響していると考えられます。
体が気圧の低下に適応しようとする過程で、体内のバランスに変化が生じることが主な理由です。
ここでは、なぜ低気圧で息苦しさを感じるのか、その背景にある代表的な3つの原因である「自律神経の乱れ」「酸素濃度の低下」「ヒスタミンの影響」について詳しく見ていきます。
原因①:自律神経のバランスが乱れやすくなるため
私たちの体は、活動時に優位になる交感神経と、リラックス時に優位になる副交感神経という2つの自律神経がバランスを取りながら機能しています。
しかし、低気圧という環境の変化を内耳にあるセンサーが感知すると、その情報が脳に伝わり、自律神経のバランスが乱れやすくなります。
特に、体を緊張・興奮させる交感神経が過剰に働きやすくなり、血管が収縮して血圧や心拍数が上昇します。
その結果、心臓に負担がかかり、動悸や息切れ、息苦しさといった症状として現れることがあります。
原因②:空気中の酸素濃度がわずかに低下するため
低気圧の状態では、上空から地上にかかる空気の重さが軽くなるため、空気全体の密度が低くなります。
それに伴い、私たちが呼吸で吸い込む空気の中に含まれる酸素の分圧もわずかに低下します。
健康な人であればほとんど影響のないごくわずかな変化ですが、体が敏感な人や呼吸器系に何らかの不安を抱えている人の場合、この変化を脳が察知してしまいます。
体が「酸素が足りない」と判断し、より多くの酸素を取り込もうとして呼吸が速くなったり、息苦しさとして感じられたりすることがあります。
原因③:ヒスタミンの増加で気管支が収縮しやすくなるため
気圧が低下すると、体内で炎症やアレルギー反応に関わるヒスタミンという化学物質の分泌が増加することがあります。
ヒスタミンには、気管支の平滑筋を収縮させる作用があるため、空気の通り道である気道が狭くなってしまいます。
これにより、息苦しさや咳、喘鳴といった症状が引き起こされる可能性があります。
もともと喘息の持病がある人や、アレルギー体質の人は、このヒスタミンの影響を受けやすく、低気圧の日に症状が悪化する傾向が見られます。
今すぐできる!低気圧による息苦しさを和らげる5つのセルフケア
つらい息苦しさを感じたとき、症状を少しでも和らげるために自分でできることがあります。
これから紹介するセルフケアは、主に乱れた自律神経のバランスを整え、血行を促進することで症状の改善を目指すものです。
特別な道具は必要なく、自宅や職場で手軽に試せる対処法ばかりです。
無理のない範囲で、自分に合った方法を見つけて実践し、心と体の緊張をほぐしていきましょう。
耳の血行を促進する「くるくる耳マッサージ」
気圧の変化を敏感に察知するのは、耳の奥にある内耳です。
この内耳の血行が悪くなると、めまいや自律神経の乱れにつながりやすくなります。
耳周りの血流を促すマッサージは、これらの不調を和らげるのに有効です。
まず、両耳を軽くつまんで上下横に5秒ずつ優しく引っ張ります。
次に、耳を軽く引っ張りながら、ゆっくりと後ろ方向に5回ほど回します。
最後に、耳全体を手のひらで覆い、円を描くように温めながらマッサージするとさらに効果的です。
息苦しさを感じた時だけでなく、頭痛やめまいがする時にも試してみてください。
自律神経を整える「ゆっくりとした深呼吸」
息苦しさを感じると、不安から無意識に呼吸が浅く速くなりがちです。
このような状態は交感神経をさらに刺激し、症状を悪化させる可能性があります。
意識的にゆっくりとした深い呼吸を行うことで、心身をリラックスさせる副交感神経を優位に働かせることができます。
まず、楽な姿勢で座り、鼻から4秒かけてゆっくり息を吸い込みます。
次にお腹に空気をためるイメージで7秒ほど息を止め、口から8秒かけてゆっくりと息を吐き出します。
これを数回繰り返すことで、高ぶった神経が静まり、呼吸が楽になる効果が期待できます。
首や肩を温めて血流を改善する
首や肩周りの筋肉は、ストレスや緊張でこわばりやすい部位です。
この部分の筋肉が硬くなると、血行が悪化し、自律神経の乱れや頭痛、息苦しさを助長する原因となります。
蒸しタオルやホットパック、使い捨てカイロなどを利用して、首の後ろから肩にかけての部分を心地よく温めましょう。
血行が促進されることで筋肉の緊張が和らぎ、脳への酸素供給もスムーズになります。
入浴時にシャワーを首筋に少し長めに当てるだけでも、手軽な血行改善策として有効です。
体を内側から温める白湯やハーブティーを飲む
体を温めることは、外側からだけでなく内側から行うことも重要です。
特に低気圧で不調を感じるときは、冷たい飲み物は避け、温かい飲み物で内臓から体を温めましょう。
白湯は胃腸を温め、血行を促進する手軽な方法です。
また、リラックス効果のあるカモミールティーや、血行促進作用が期待できるジンジャーティーなどのハーブティーもおすすめです。
カフェインの多いコーヒーや緑茶は交感神経を刺激することがあるため、控えめにするか、カフェインレスのものを選ぶとよいでしょう。
軽いストレッチで体の緊張をほぐす
デスクワークなどで長時間同じ姿勢を続けていると、全身の筋肉が緊張し、血行不良を引き起こします。
これが息苦しさの一因となることもあります。
仕事の合間などに、軽いストレッチを取り入れて体のこわばりを解消しましょう。
椅子に座ったまま、ゆっくりと首を左右に倒したり、回したりするだけでも首周りがほぐれます。
また、両肩をぐっと上げてストンと落とす動作や、背中で手を組んで胸を張る動きも効果的です。
呼吸に合わせて、気持ち良いと感じる範囲でゆっくりと体を伸ばすことがポイントです。
息苦しさを繰り返さないために。日常生活で心がけたい予防策
低気圧による息苦しさは、症状が現れてから対処するだけでなく、日頃から不調が起こりにくい体づくりを意識することが根本的な対策につながります。
気圧の変動に影響されにくい安定した心身の状態を保つためには、生活習慣の見直しが不可欠です。
ここでは、自律神経のバランスを整え、気圧の変化に柔軟に対応できる体を目指すための、日常生活で心がけたい予防策を3つ紹介します。
規則正しい生活リズムで自律神経を安定させる
自律神経のバランスを保つ上で最も基本となるのが、規則正しい生活習慣です。
毎日できるだけ同じ時間に起き、同じ時間に眠ることで、体内時計が整い、自律神経の切り替えがスムーズに行われるようになります。
特に、朝起きたら太陽の光を浴びることは、体内時計をリセットし、心と体を活動モードにするために非常に効果的です。
また、食事も1日3食、なるべく決まった時間にとるように心がけましょう。
睡眠不足や夜更かし、不規則な食事は自律神経の乱れに直結するため、まずは生活の土台を見直すことが予防の第一歩です。
ぬるめのお湯にゆっくり浸かってリラックスする
日々の疲れを癒し、心身をリラックスさせる入浴は、自律神経を整えるための有効な習慣です。
忙しいからとシャワーだけで済ませず、なるべく湯船に浸かる時間を作りましょう。
ポイントは、38~40℃程度のぬるめのお湯に15分ほどゆっくりと浸かることです。
ぬるめのお湯は、リラックスモードの副交感神経を優位にし、心身の緊張を和らげます。
熱すぎるお湯は逆に交感神経を刺激してしまうため、不調を感じやすいときは避けた方が無難です。
好きな香りの入浴剤やアロマオイルを活用するのも、リラックス効果を高めるのに役立ちます。
天気予報アプリで気圧の変化を事前に把握しておく
自分の体調不良が気圧の変動と関係している可能性が高いなら、その変化を事前に把握しておくことが有効な対策になります。
最近では、通常の天気予報に加えて、気圧の変動をグラフで分かりやすく示してくれるスマートフォンアプリやウェブサイトが数多く存在します。
特に、春先の4月や秋など、季節の変わり目は気圧が大きく変動しやすいため注意が必要です。
気圧が大きく低下する日をあらかじめ知っておくことで、「当日は無理な予定を入れない」「早めに休む」といった心構えができ、体調管理に役立てることができます。
ただの気象病ではない?注意すべき息苦しさのサイン
低気圧による息苦しさの多くは、天候が回復すれば落ち着く一過性のものですが、中には他の病気が背景に隠れている可能性も考えられます。
特に、セルフケアを試しても症状が改善しない場合や、息苦しさに加えて他の特定の症状が見られる場合には注意が必要です。
気象病だと自己判断してしまう前に、重大な病気のサインを見逃さないことが重要になります。
ここでは、息苦しさを症状とする、気象病以外の病気の可能性について解説します。
喘息や咳喘息が悪化している可能性
もともと気管支喘息や咳喘息の診断を受けている人は、低気圧が引き金となって症状が悪化することが少なくありません。
これは、気圧の低下によって気道が収縮しやすくなったり、アレルギー反応に関わるヒスタミンが増加したりして、気道の炎症が強まるためです。
息苦しさと共に、「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という喘鳴(ぜんめい)が聞こえる、夜間や早朝に咳がひどくなる、といった症状が見られる場合は、喘息発作の可能性があります。
普段処方されている薬を使っても症状が改善しない場合は、速やかにかかりつけの医療機関を受診してください。
パニック障害や不安障害の症状として現れることも
息苦しさは、身体的な要因だけでなく、強いストレスや不安といった精神的な要因によっても引き起こされることがあります。
特に、パニック障害では、場所や状況に関わらず、突然激しい不安と共に動悸、めまい、過呼吸、息苦しさといった発作(パニック発作)が現れます。
また、うつ病や全般性不安障害といった心の不調においても、身体症状の一つとして息苦しさが現れることがあります。
低気圧による自律神経の乱れが、こうした精神的な不調のきっかけになることも考えられるため、強い不安感や気分の落ち込みが続く場合は、心療内科や精神科への相談も検討しましょう。
心臓や肺の病気が隠れているケース
見過ごしてはならないのが、心臓や肺の重大な病気が原因で息苦しさが生じているケースです。
例えば、心不全、狭心症、心筋梗塞といった心臓の病気では、心臓のポンプ機能が低下し、全身に十分な血液を送れなくなるため息苦しさが起こります。
また、肺炎や気胸、肺塞栓症(エコノミークラス症候群)などの肺の病気も、呼吸機能の障害から息苦しさを引き起こします。
これらの病気の場合、安静にしていても息苦しい、体を動かすと悪化する、胸の痛みや圧迫感を伴うといった特徴が見られることが多いため、注意が必要です。
こんな症状があれば早めに病院を受診しよう
低気圧による一過性の不調と考えていても、以下のような症状がみられる場合は、自己判断せずに早めに病院を受診してください。
安静にしていても息苦しさが治まらない
横になると息苦しさが増し、座ると少し楽になる
胸に痛み、締め付けられるような圧迫感がある
呼吸をすると「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という音がする
唇や指先が紫色になっている(チアノーゼ)
意識がもうろうとする、冷や汗が出る
どの診療科を受診すればよいか分からない場合は、まずはかかりつけの内科や呼吸器内科に相談しましょう。
低気圧による息苦しさに関するよくある質問
ここでは、低気圧による息苦しさに関して、多くの人が抱きやすい疑問について解説します。
市販薬の利用法、子供や高齢者への影響、息苦しさ以外に現れやすい症状など、知っておくと役立つ情報をまとめました。
ただし、個々の症状や体調には個人差があるため、最終的な判断は専門医に相談することが重要です。
自身の体調管理の参考として、これらの情報を役立ててください。
Q1.低気圧による息苦しさに効く市販薬はありますか?
直接的に「低気圧による息苦しさ」に特化した市販薬はありません。
しかし、気象病による頭痛やめまいを緩和する目的で、鎮痛成分や漢方薬、抗ヒスタミン成分などが配合された市販薬は存在します。
息苦しさが主症状の場合は、まずセルフケアを試し、喘息の持病がある場合はかかりつけ医の指示に従ってください。
症状が続く場合は、他の病気の可能性も考えられるため、医療機関の受診を推奨します。
Q2.子供や高齢者も低気圧で息苦しくなりますか?
はい、年齢に関わらず影響を受ける可能性があります。
子供は自律神経の機能がまだ十分に発達していないため、気圧の変化に体が対応しきれないことがあります。
また、高齢者は自律神経の調節機能が加齢とともに低下するため、影響を受けやすい傾向にあります。
特に高齢者の場合は、心臓や肺の持病が悪化している可能性も考えられるため、息苦しさを訴える際は注意深く様子を見守り、症状が強い場合は早めに医療機関に相談することが大切です。
Q3.息苦しさ以外にどんな症状が出ることがありますか?
息苦しさ以外にも様々な症状が現れることがあります。
身体的な症状としては、頭痛や吐き気、めまい、倦怠感、肩こり、関節痛、古傷の痛み、手足のむくみなどが代表的です。
精神的な症状として、気分の落ち込みや不安感、イライラ、集中力の低下などが現れることもあります。
特に夜になると症状が強く感じられる人もおり、これらの症状が一つだけでなく、複数同時に現れることも珍しくありません。
まとめ
低気圧による息苦しさは、主に自律神経の乱れや酸素濃度のわずかな低下、ヒスタミンの影響などが複合的に作用して起こります。
症状を感じた際には、耳のマッサージや深呼吸、体を温めるといったセルフケアが症状の緩和に役立ちます。また、日頃から規則正しい生活を送り、湯船に浸かる習慣をつけるなどの予防策も有効です。ただし、息苦しさが続く場合や、胸の痛みなど他の憂慮すべき症状を伴う際には、気象病と自己判断せず、速やかに医療機関を受診することが重要です。
症例・患者さんの声

【監修】
平井鍼灸院 院長 梅田俊
鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師
鍼灸師
【所属】
2015年~ 日本自律神経研究会
日本自律神経研究会
【資格】
2011年 国家資格はり灸師、あん摩マッサージ指圧師免許取得
2016年 自律心体療法上級者施術認定者取得
2018年 クレニアルテクニック上級施術認定者取得
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