顎のこむら返りの直し方|急な痛みの原因と今すぐできる対処法
あくびや食事の最中に、突然顎が「ピキッ」とつって激痛が走る「顎のこむら返り」。
この不快な症状は、足がつるのと同様に、顎周りの筋肉が異常に収縮することで起こります。
一度経験すると、またいつ起こるかと不安になるかもしれません。
この記事では、急な顎の痛みに見舞われた際の具体的な治し方から、その背景にある原因、そして再発を防ぐための日常生活での予防策までを詳しく解説します。
正しい知識を身につけ、顎のトラブルに対処しましょう。
突然の激痛!顎のこむら返りの症状とメカニズム
顎のこむら返りは、正式には「筋クランプ」と呼ばれる筋肉の痙攣の一種です。
顎を動かす咬筋や側頭筋といった筋肉が、何らかの原因で異常に収縮し、硬直することで激しい痛みを引き起こします。
主な症状としては、「突然顎が痛い」「口を開けたり閉じたりするのが困難になる」「顎が思い通りに動かせない」といったものが挙げられます。
この現象は、筋肉が疲労している時や、血行が悪くなっている時に起こりやすいと考えられており、足がつるメカニズムと基本的に同じです。
顎がつった!痛みを和らげるための緊急対処法
顎が突然つってしまった場合、慌てて無理に動かそうとすると症状を悪化させる可能性があります。
まずは落ち着いて、正しい手順で対処することが重要です。
痛みを効果的に和らげるためには、筋肉の緊張を解き、血行を促進させることがポイントになります。
ここでは、誰でもすぐに実践できる緊急時の対処法を3つのステップで紹介します。
いざという時のために、この手順を覚えておくと安心です。
ステップ1:まずは慌てずにゆっくり深呼吸して力を抜く
顎に痛みを感じたら、まずはすべての動作を止め、意識的に顎や肩の力を抜くように心がけます。
パニックになると無意識に体に力が入り、かえって筋肉の緊張を強めてしまう可能性があります。
ゆっくりと鼻から息を吸い、口から長く吐き出す深呼吸を繰り返しましょう。
深呼吸には心身をリラックスさせる効果があり、硬直した顎周りの筋肉を自然に緩める助けとなります。
痛みで焦る気持ちを抑え、まずは安静にしてリラックスすることが最初のステップです。
ステップ2:痛む部分を優しくマッサージして筋肉をほぐす
深呼吸で少し落ち着いたら、痛む部分やその周辺の筋肉を優しくマッサージします。
指の腹を使って、頬やこめかみの辺りをゆっくりと円を描くようにほぐしていきましょう。
この時、強い力で押したり揉んだりするのは避けてください。
強い刺激は筋肉を傷つけ、症状を悪化させる原因になりかねません。
あくまで「優しく撫でる」「軽く圧をかける」程度にとどめ、筋肉の緊張が少しずつ和らいでいくのを感じながら、心地よいと感じる範囲で行うのがポイントです。
ステップ3:蒸しタオルなどで温めて血行を良くする
筋肉の緊張を和らげるためには、温めて血行を促進させることが有効です。
水で濡らしたタオルを電子レンジで温めて蒸しタオルを作り、痛む部分に当てましょう。
温かいお湯に浸したタオルでも代用可能です。
温めることで血管が拡張し、滞っていた血流が改善されるため、筋肉の硬直が和らぎ、痛みが軽減されやすくなります。
ただし、熱すぎるタオルは火傷の原因になるため、必ず手で触って適温であることを確認してから使用してください。
心地よいと感じる温度で5〜10分程度温めるのが目安です。
注意点:悪化させる可能性のあるNG行動
顎がつった時に良かれと思って取った行動が、かえって症状を悪化させてしまう場合があります。
例えば、痛みを我慢して無理やり口を大きく開けたり、閉じたりする行為は禁物です。
痙攣している筋肉を無理に動かすと、筋繊維を損傷する恐れがあります。
また、痛む箇所を強い力でグリグリと押すのも避けましょう。
さらに、炎症を伴わない筋肉の痙攣に対して、いきなり冷やすのは逆効果になることもあります。
温めるのが基本ですが、もし熱感や腫れがある場合は冷やす方が適切なケースもあるため、状態をよく見極めることが重要です。
なぜ顎がこむら返りを起こすの?考えられる5つの原因
顎のこむら返りは、特定の病気だけでなく、日常生活の中に潜む様々な要因が引き金となって起こることがあります。なぜ自分の顎がつってしまうのか、その原因を知ることは、効果的な予防策を講じるための第一歩です。
ここでは、顎のこむら返りを引き起こす可能性があるいくつかの原因について解説します。自身の生活習慣や体調と照らし合わせながら、当てはまるものがないか確認してみましょう。
原因1:食事や会話による顎の筋肉の使いすぎ
顎周りには、食べ物を咀嚼したり話したりする際に使われる多くの筋肉が存在します。
硬いものを好んで食べる習慣があったり、長時間にわたって会話やプレゼンテーションをしたりすると、これらの筋肉が過度に使われて疲労が蓄積します。
スポーツで筋肉痛が起こるのと同じように、顎の筋肉も使いすぎれば疲弊し、筋肉の柔軟性が失われてしまいます。
その結果、筋肉が些細なきっかけで異常収縮を起こし、こむら返りとして痛みや痙攣が生じやすくなるのです。
原因2:水分やミネラル不足による筋肉の痙攣
筋肉が正常に収縮・弛緩するためには、体内の水分とミネラルのバランスが非常に重要です。
特にカルシウム、マグネシウム、カリウムといったミネラルは、神経からの指令を筋肉に伝え、動きをスムーズに調整する役割を担っています。
汗をかくことで水分と共にこれらのミネラルが失われたり、偏った食生活で摂取量が不足したりすると、筋肉の働きに異常が生じやすくなります。
その結果、筋肉が過敏な状態となり、自分の意思とは関係なく痙攣を起こす、こむら返りの原因となるのです。
原因3:無意識の歯ぎしりや食いしばりの癖
睡眠中や日中に何かに集中している時など、無意識のうちに歯をギリギリとこすり合わせる「歯ぎしり」や、強く噛みしめる「食いしばり」の癖がある人は少なくありません。
これらの癖は、顎の筋肉に持続的な負荷をかける行為です。特に就寝中は、起きている時の何倍もの力がかかるともいわれています。
この過剰な負担が日常的に繰り返されることで、顎の筋肉は常に緊張状態に置かれ、疲労が蓄積します。これが血行不良を招き、顎のこむら返りを引き起こす大きな要因となります。
原因4:ストレスや緊張による顎まわりのこわばり
精神的なストレスや緊張は、自律神経のバランスを乱し、全身の筋肉をこわばらせる原因となります。
特に、首や肩、そして顎周りの筋肉はストレスの影響を受けやすい部位です。
緊張状態が続くと、無意識のうちに奥歯を噛みしめたり、顎に力が入ったりしてしまいます。
このような状態が慢性化すると、顎の筋肉は常に緊張して硬くなり、血行が悪化します。
血流が滞ると筋肉に十分な酸素や栄養が届かず、疲労物質も溜まりやすくなるため、結果としてこむら返りが起こりやすい環境を作り出してしまうのです。
原因5:顎関節症が隠れている可能性
もし顎のこむら返りが頻繁に起こる、または「口を開けるとカクカク音がする」「口が大きく開けられない」「顎が痛む」といった他の症状も伴う場合、その背景に顎関節症が隠れている可能性があります。
顎関節症は、顎の関節やその周辺の筋肉(咀嚼筋)に問題が生じる疾患の総称です。
筋肉の異常な緊張や関節円板のズレなどが原因で、顎のこむら返りと似た痛みや動きの制限を引き起こします。
セルフケアを続けても改善が見られない場合は、単なる筋肉の痙攣ではなく、こうした病気のサインかもしれないと疑うことが重要です。
もう繰り返さない!日常生活でできる顎のこむら返り予防策
顎のこむら返りは一度起こると再発しやすい傾向があります。
しかし、日々の生活習慣を少し見直すだけで、そのリスクを大幅に減らすことが可能です。
ここでは、今日からすぐに始められる具体的な予防策を紹介します。
原因となる要因を日常生活から取り除き、顎の健康を維持するための習慣を身につけましょう。
こまめな水分補給と栄養バランスの取れた食事を意識する
筋肉の正常な機能を保つためには、体内の水分と栄養バランスを整えることが基本です。
特に夏場や運動後だけでなく、日常的にこまめな水分補給を心がけ、脱水を防ぎましょう。
食事では、筋肉の収縮を調整する働きを持つミネラルを積極的に摂取することが重要です。
カルシウムを多く含む乳製品や小魚、マグネシウムが豊富な大豆製品やナッツ類、海藻類などをバランス良く食事に取り入れましょう。
これらの栄養素が不足しないように意識することが、筋肉の痙攣予防につながります。
顎の緊張を和らげる簡単なストレッチを習慣にする
長時間同じ姿勢でいたり、ストレスを感じたりすると、顎周りの筋肉は知らず知らずのうちに緊張して硬くなっています。
この緊張をリセットするために、簡単なストレッチを毎日の習慣に取り入れましょう。
まず、背筋を伸ばしてリラックスし、ゆっくりと口を「あー」と開けて5秒キープし、「いー」「うー」と続けます。
また、首をゆっくり左右に回したり、肩を上下させたりする運動も、顎周りの血行を促進し、筋肉の緊張をほぐすのに効果的です。
仕事の合間や寝る前などに行うのがおすすめです。
頬杖やうつ伏せ寝など顎に負担をかける癖を見直す
日常生活の中で無意識に行っている癖が、顎に余計な負担をかけていることがあります。
例えば、デスクワーク中に頬杖をつく癖は、片側の顎に持続的な圧力を加えてしまいます。
また、うつ伏せで寝る姿勢も、顎関節を圧迫し、筋肉のバランスを崩す原因になります。
猫背の姿勢も、首から顎にかけての筋肉に負担をかけます。
まずは、こうした癖があることを自覚し、意識して改善していくことが大切です。
正しい姿勢を保つことや、仰向けで寝ることを心がけるだけでも、顎への負担は大きく軽減されます。
リラックスできる時間を作りストレスを溜めない
ストレスは顎のこむら返りを引き起こす大きな要因の一つです。
多忙な毎日の中でも、意識的に心と体をリラックスさせる時間を作ることが、予防において非常に重要となります。
ぬるめのお湯にゆっくり浸かる、好きな音楽を聴く、趣味に没頭するなど、自分が心からリラックスできる方法を見つけましょう。
深呼吸や瞑想も、自律神経のバランスを整え、筋肉の緊張を和らげるのに役立ちます。
ストレスを上手に発散し、溜め込まない生活を心がけることが、顎の健康を守ることにもつながります。
痛みが続く・頻繁に起こる場合は病院の受診も検討しよう
セルフケアを試しても顎の痛みが改善しない場合や、こむら返りを頻繁に繰り返す場合は、自己判断で放置せずに専門の医療機関を受診することが大切です。
特に、痛みが日常生活に支障をきたしている、口が開きにくいといった症状があるなら、早めに相談しましょう。
専門家による適切な診断と治療を受けることで、症状の根本的な解決につながります。
こんな症状が出たら要注意!歯科・口腔外科へ相談する目安
顎のこむら返りに加えて、以下のような症状が見られる場合は、顎関節症など他の病気が隠れている可能性があるため、歯科や口腔外科への相談を強く推奨します。
具体的には、「痛みが2〜3日以上続く」「週に何度も痙攣を繰り返す」「口を大きく開けられない、または指が縦に2本入らない」「口を開け閉めする際に、耳の前あたりでカクカク、ジャリジャリといった音がする」といった症状です。
これらのサインを見逃さず、専門医の診察を受けることが早期発見・早期治療につながります。
歯科医院で受けられる専門的な治療法
歯科医院や口腔外科では、顎の状態を詳しく検査した上で、症状に応じた専門的な治療を行います。
代表的な治療法として、就寝中の歯ぎしりや食いしばりから顎を守るための「マウスピース(スプリント)療法」があります。
これは、患者さん専用の装置を作成し、顎関節や筋肉への負担を軽減するものです。
その他、痛みが強い場合には消炎鎮痛剤を処方する「薬物療法」、筋肉の緊張を和らげるための「マッサージやストレッチの指導」、さらには顎の動きを改善する「運動療法」など、様々なアプローチがあります。
顎のこむら返りに関するよくある質問
ここでは、顎のこむら返りに関して多くの方が抱く疑問についてお答えします。
原因や対策についてさらに理解を深め、日々のセルフケアに役立ててください。
Q1.あくびをすると顎がつりやすいのはなぜですか?
あくびで顎の筋肉が普段動かす範囲以上に引き伸ばされ、その急激な伸展に筋肉が驚いて痙攣を起こすためです。
特に、筋肉が疲労していたり、冷えていたりすると、この反応が起こりやすくなります。
あくびをする際は、大きく口を開けすぎないよう手で顎を支えるなどの工夫が有効です。
Q2.顎のこむら返りを防ぐために効果的な食べ物や栄養素はありますか?
筋肉の正常な働きを助けるカルシウム、マグネシウム、カリウムといったミネラルが効果的です。
カルシウムは乳製品や小魚、マグネシウムは海藻類や大豆製品、ナッツ類に多く含まれます。
また、血行を促進するビタミンE(アーモンドなど)も意識して摂ると良いでしょう。
Q3.マウスピースの作成は、顎のこむら返りの予防になりますか?
はい、特に歯ぎしりや食いしばりが原因の場合、マウスピースは有効な予防策の一つと考えられています。睡眠中にマウスピースを装着することは、無意識下での強い噛みしめから顎の関節や筋肉への過剰な負担を軽減することに役立ちます。これにより、筋肉の疲労が緩和され、関連する症状の軽減が期待できる場合があります。
まとめ
顎のこむら返りは、筋肉の疲労や栄養不足、ストレスなど様々な原因で起こる筋肉の痙攣です。
突然の痛みには、まずリラックスして顎の力を抜き、優しくマッサージしたり温めたりする対処法が有効です。
再発を防ぐためには、バランスの取れた食事やこまめな水分補給、顎に負担をかける癖の見直し、ストレス管理といった日々のセルフケアが重要となります。
もし痛みが長引いたり、頻繁に発生したり、口が開きにくいなどの症状が伴う場合は、顎関節症の可能性も考えられるため、早めに歯科や口腔外科を受診しましょう。
症例・患者さんの声

【監修】
平井鍼灸院 院長 梅田俊
鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師
鍼灸師
【所属】
2015年~ 日本自律神経研究会
日本自律神経研究会
【資格】
2011年 国家資格はり灸師、あん摩マッサージ指圧師免許取得
2016年 自律心体療法上級者施術認定者取得
2018年 クレニアルテクニック上級施術認定者取得
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