人の目が怖いのは病気?その原因と恐怖症を克服する対処法
「人の目が怖い」と感じるのは、単なる性格の問題だけでなく、社交不安障害などの病気が原因の可能性もあります。
この恐怖症は、過去の経験や自己肯定感の低さなど、様々な原因によって引き起こされるものです。
人目が気になる状態を放置すると、日常生活に支障をきたす恐れがあるため、適切な対処法や治し方を知り、必要であれば専門家へ相談することが克服への第一歩となります。
「人の目が怖い」と感じてしまう主な3つの原因
人の目が怖いと感じる背景には、心理的な要因が複雑に関係しています。
特に、過去の出来事が心の傷として残っていたり、自分に対する自信のなさが他人の目を過剰に意識させたりすることがあります。
周りからの評価を気にしすぎるあまり、本来の自分らしさを見失ってしまうケースも少なくありません。
ここでは、その代表的な3つの原因について解説します。
原因①:過去の失敗やトラウマが影響している
過去に人前で恥をかいたり、誰かに笑われたりした経験が、心の傷、すなわちトラウマとなって残ることがあります。
例えば、発表会での失敗や、容姿をからかわれたといった出来事がきっかけで、「また同じような思いをするのではないか」という恐怖心が芽生えます。
このような経験は、他人の視線に対して過敏に反応する原因となり、自分に向けられる目がすべて批判的に感じられてしまうことにつながります。
時間が経っても、ふとした瞬間に当時の記憶が蘇り、人前に出ることに強い抵抗を感じるようになります。
原因②:自己肯定感が低く、他人の評価を気にし過ぎている
自己肯定感が低いと、ありのままの自分に価値を見出せず、常に他人からの評価を基準に自分の良し悪しを判断してしまいます。
「周りから変に思われていないか」「自分の言動は正しいか」と絶えず他人の反応を気にして、不安を募らせる傾向があります。
この状態では、他人の些細な言動や視線を自分へのネガティブな評価だと捉えやすくなります。
結果として、人々の視線が自分を監視し、評価しているように感じられ、対人場面で強い恐怖や緊張を抱くようになります。
原因③:「こうあるべき」という完璧主義な思考がある
人前では常に完璧でなければならない 失敗は許されないといった完璧主義な思考も人の目が怖くなる一因です。
このような思考を持つ人は自分に高い理想を課しそれを達成できないことを極度に恐れます。
そのため他人の視線を自分の欠点を探しているのではないかというプレッシャーとして感じてしまいます。
少しでも理想の自分から外れると他人に軽蔑されるという強い思い込みに囚われ視線を向けられること自体が苦痛になります。
この思考の癖が対人関係における過剰な緊張感を生み出します。
その症状、もしかしたら「社交不安障害」や「視線恐怖症」かも
人の目が過度に怖いと感じ、日常生活に支障が出ている場合、それは「社交不安障害」や「視線恐怖症」といった不安障害の一種かもしれません。
これらは単なる性格の問題ではなく、治療によって改善が見込める医学的な状態です。
気になる症状があれば、まずは自分の状態を客観的に把握し、専門家による適切な診断を受けることが大切です。
ここでは、考えられる病気の種類や、自分でできる簡単なチェックリストを紹介します。
人の目が怖いときに考えられる病気の種類
人の目が怖いという症状は「社交不安障害(SAD)」の中核的な症状の一つです。
他者から注目される状況に強い恐怖を感じ動悸発汗赤面などの身体症状が現れることもあります。
特に視線に恐怖が集中する場合は「視線恐怖症」と呼ばれます。
また気分の落ち込みや意欲の低下が続くうつ病やコミュニケーションに困難を感じやすい発達障害の特性として対人恐怖や視線への過敏さが現れるケースもあります。
これらの症状が複合的に現れることもあるため自己判断は難しく専門家による見極めが必要です。
自分でできる視線恐怖症・社交不安障害セルフチェックリスト
以下の項目に当てはまるか確認してみましょう。複数該当する場合、専門家への相談を検討する一つの目安になります。
人と話すとき、相手の目を見て話すのが怖い
人前で食事をしたり、文字を書いたりすることに強い緊張を覚える
自分が周りからどう見られているか常に気になる
注目を浴びる状況を避けるために、学校や仕事を休みがちになる
他人の視線を感じると、動悸、発汗、赤面、体の震えといった身体症状が出る
自分の視線が相手を不快にさせているのではないかと不安になる
これらの項目はあくまで簡易的なものであり、正式な診断は医師の診察が必要です。
【自分でできる】人の目が怖いという感情を和らげる5つの対処法
人の目が怖いと感じる時、日常生活の中で試せる対処法はいくつかあります。症状が深刻な場合は専門家の助けが必要ですが、まずは自分で感情をコントロールする方法を試すことも有効です。例えば、物事の捉え方を少し変えたり、視線を意識しすぎない工夫をしたりすることで、外出時の不安を和らげることが可能です。
ここでは、日々の生活に取り入れやすいセルフケア方法をいくつか紹介します。
対処法①:物事の捉え方を変えるトレーニングをする
人の目が怖いと感じるのは、「他人は自分を悪く評価している」という無意識の思い込みが原因かもしれません。
この認知の歪みを修正するため、「自分が見られている」のではなく「たまたま視界に入っているだけ」と考える練習をしてみましょう。
また、誰かの視線を感じても、「何か面白いものでも見ているのかもしれない」と別の可能性を考える癖をつけることも有効です。
このように、物事の捉え方を意識的に変えるトレーニングを繰り返すことで、ネガティブな感情に陥るパターンを少しずつ変えていくことができます。
対処法②:視線を意識しすぎないように工夫する
人と話すときに相手の目をじっと見つめる必要はありません。
視線を合わせるのが辛い場合は、相手の眉間や鼻、ネクタイの結び目あたりに視点を置くと、緊張が和らぎます。
これにより、相手からは自然に視線を合わせているように見えつつ、直接的なプレッシャーを避けることが可能です。
また、会話中に窓の外の景色やテーブルの上のカップなどに一瞬だけ視線を移すことも、意識をそらすのに役立ちます。
無理に視線を合わせようとせず、自分が楽でいられるポイントを探すことが大切です。
対処法③:「人の目は気にならない」と自己暗示をかける
言葉の力を使って、自分の心に働きかける方法も有効です。
これはアファメーションとも呼ばれ、肯定的な言葉を繰り返し自分に言い聞かせることで、潜在意識に良い影響を与えます。
例えば、毎朝鏡の前で「私は他人の評価を気にしない」「私は自分に自信を持っている」と声に出して言ってみましょう。
最初は抵抗があるかもしれませんが、継続することで少しずつ考え方が前向きに変化し、人前に出ることへの恐怖心が和らいでいく効果が期待できます。
自分を励ます言葉を習慣にすることがポイントです。
対処法④:小さな成功体験を積み重ねて自信をつける
自己肯定感を高めるためには、小さな成功体験を積み重ねることが効果的です。
いきなり高い目標を立てるのではなく、自分にとって少しだけ勇気が必要な課題を設定しましょう。
例えば、「コンビニで店員にお礼を言う」「短時間だけカフェで過ごす」「近所を5分間散歩する」など、達成可能な目標から始めます。
一つクリアするごとに「できた」という事実が自信につながり、次のステップへ進む意欲が湧いてきます。
この繰り返しが、人の目を過剰に意識してしまう思考からの脱却を助けます。
対処法⑤:信頼できる人に悩みを打ち明けてみる
一人で悩みを抱え込むと、不安は増幅しがちです。
信頼できる家族や友人、パートナーに「人の目が怖い」という気持ちを正直に話してみましょう。
言葉にして誰かに伝えるだけで、自分の感情を客観的に見つめ直すきっかけになります。
また、相手から共感や理解を得られると、「自分だけがおかしいわけではない」と安心感が得られ、精神的な負担が軽くなります。
すぐに解決策が見つからなくても、自分の味方がいると感じられること自体が、恐怖を乗り越えるための大きな支えとなります。
症状が辛いときは専門家へ相談!病院で行われる治療法
セルフケアを試しても症状が改善せず、日常生活に大きな支障が出ている場合は、専門家の力を借りることを検討しましょう。
精神科や心療内科では、薬物療法や精神療法など、専門的なアプローチで症状の緩和を目指します。
一人で抱え込まずに専門機関へ相談することは、決して特別なことではなく、回復への重要な一歩です。
ここでは、病院で行われる主な治療法について解説します。
まずは精神科や心療内科の受診を検討しよう
人の目が怖いという悩みが仕事や学業、日常生活に影響を及ぼしているなら、精神科や心療内科への相談を考えましょう。
これらの診療科では、専門の医師が症状や背景を丁寧に聞き取り、それが治療を必要とする状態かどうかを判断します。
精神科は心の病全般を、心療内科はストレスが原因で身体に症状が現れる心身症などを主に扱いますが、どちらを受診すれば良いか迷う場合は、まずは通いやすいクリニックに問い合わせてみるのが良いでしょう。
早期の相談が、症状の悪化を防ぎ、回復を早めることにつながります。
薬を使って不安や緊張を和らげる薬物療法
薬物療法は、人の目が怖いという症状に伴う強い不安や緊張を和らげるために行われます。
主に選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)などの抗うつ薬が用いられ、不安感をコントロールする脳内の神経伝達物質のバランスを整える効果が期待できます。
これにより、対人場面での恐怖心が軽減され、精神療法などの他の治療にも取り組みやすくなります。
また、頓服薬として抗不安薬が処方されることもあり、特に緊張する場面の前に服用することで、一時的に症状を抑えるのに役立ちます。
考え方の癖を修正していく認知行動療法
認知行動療法は、カウンセリングを通じて物事の捉え方(認知)の偏りを修正し、適切な行動がとれるようにサポートする精神療法です。
「人の視線は自分を批判している」といった自動的に浮かぶ考えに対し、本当にそうなのかを客観的に検証し、より現実的な考え方ができるように練習します。
また、これまで避けてきた状況にあえて少しずつ挑戦する「エクスポージャー療法(暴露療法)」も行われます。
段階的に不安な状況に身を置くことで、恐怖に慣れ、自信を取り戻していくことを目指します。
人の目が怖いことに関するよくある質問
人の目が怖いという悩みは、仕事や学校生活、家庭での人間関係にも影響を及ぼすことがあります。
症状が深刻化すると、不登校や出社拒否につながるケースも少なくありません。
また、自分の夫や家族がこの悩みを抱えている場合、どう接すれば良いか戸惑うこともあるでしょう。
ここでは、この問題に関して寄せられることが多い質問とその回答をまとめました。
Q1. 人の目が怖い症状で病院に行く目安はありますか?
日常生活や社会生活に支障が出ている場合が、病院受診の一つの目安です。
例えば、人の目を恐れるあまり学校や仕事に行けない、外出が困難になる、友人との交流を避けるなど、生活の質が明らかに低下している場合は、専門家への相談を検討してください。
Q2. 家族や身近な人が悩んでいたら、どう接すれば良いですか?
本人の辛い気持ちを否定せず、安全な味方であることを伝えてください。
無理に外出させたり、考え方を変えさせようとしたりせず、「あなたのペースでいい」という姿勢で寄り添うことが大切です。
本人が安心して話せる環境を整え、必要であれば専門家への相談を優しく促しましょう。
Q3. 治療にはどのくらいの期間や費用がかかりますか?
治療期間や費用は、症状の重さや治療法によって大きく異なります。
一般的に、薬物療法や認知行動療法には数ヶ月から1年以上の期間が必要です。
費用は、健康保険が適用される場合、診察と薬代で月に数千円から1万円程度が目安ですが、自立支援医療制度などの公的支援を利用できる場合もあります。
まとめ
「人の目が怖い」という感情は、過去の経験や自己肯定感の低さ、完璧主義な思考などが原因で生じることがあります。
この症状は、社交不安障害や視線恐怖症といった病気の可能性も考えられます。
まずは物事の捉え方を変える、小さな成功体験を積むといったセルフケアを試すことが有効です。
しかし、症状が重く日常生活に支障をきたしている場合は、一人で抱え込まずに精神科や心療内科などの専門機関に相談し、薬物療法や認知行動療法といった適切な治療を受けることが改善への道筋となります。
症例・患者さんの声

【監修】
平井鍼灸院 院長 梅田俊
鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師
鍼灸師
【所属】
2015年~ 日本自律神経研究会
日本自律神経研究会
【資格】
2011年 国家資格はり灸師、あん摩マッサージ指圧師免許取得
2016年 自律心体療法上級者施術認定者取得
2018年 クレニアルテクニック上級施術認定者取得
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