過敏性腸症候群が増えている原因とその症状

こんにちは。江戸川区平井鍼灸院の今木です。
前回は、病院に行っても問題がないのに、不調が出る理由についてお伝えしました。
今回は、過敏性腸症候群が増えている原因とその症状についてお伝えします。

腹痛でお腹を抑えている

過敏性腸症候群(IBS)が増えている理由

ストレス社会の影響
現代は精神的なストレスが増加しており、ストレスが腸内環境や自律神経に影響を与えるため、IBSが増加しています。

食生活の変化
高脂肪・高糖質の食事や加工食品の摂取が増え、腸内細菌バランスが崩れることが原因の一つと考えられます。

ライフスタイルの変化
運動不足や不規則な生活、睡眠不足が腸の運動やホルモン分泌に悪影響を与えています。

情報の普及と認知の向上
過敏性腸症候群という病名が広く知られるようになり、医療機関を受診する人が増えたことも一因です。

過敏性腸症候群の種類と症状

下痢型(IBS-D)
主な症状:頻繁な下痢、急な便意、腹痛
食事やストレスで症状が悪化することが多い。

便秘型(IBS-C)
主な症状:頑固な便秘、便秘時の腹痛、硬い便
腸の動きが鈍くなることで症状が引き起こされる。

混合型(IBS-M)
主な症状:下痢と便秘が交互に現れる、腹痛が常に伴う
症状の変動が激しい。

分類不能型(IBS-U)
主な症状:下痢や便秘以外の消化器症状が主で、原因がはっきりしない。

IBSガス型(ガス型過敏性腸症候群)
主な症状:特に腸内ガスの生成や排出に関連した症状が特徴
過敏性腸症候群(IBS)の一種で、他のIBSのタイプ(下痢型、便秘型、混合型)と比較して、ガスに関する不快感が主な訴えとなります。

過敏性腸症候群

過敏性腸症候群の判断基準
  • 症状が 3か月以上持続 または繰り返し発生している。
  • 腹痛や不快感が便の状態や頻度の変化に関連している。
  • 症状が 排ガス(おなら)や排便後に改善 することがある。
  • 他の疾患(炎症性腸疾患、大腸がんなど)が否定されていること。
過敏性腸症候群が多い年代と男女比率

多い年代:若年成人(20~40歳)が最も多い。

男女比率:女性に多い傾向があり、男女比は 1:2 程度とされています。女性ホルモンの影響や社会的ストレスが関与していると考えられます。

特に多いIBSガス型の特徴と症状

腹部膨満感:
お腹が張って苦しい感覚がある。夕方や食後に悪化しやすい。

腸内ガスの過剰排出:
頻繁な放屁やおならを我慢することでストレスを感じる場合が多い。

腹鳴(腸の鳴り音):
お腹が「ゴロゴロ」などと鳴る音が頻繁に聞こえる。

不快感や軽い痛み:
ガスが腸内に溜まることで腹痛や圧迫感を感じることがある。

社会的なストレス:
ガスの匂いや音に対する不安が強く、外出や対人関係を避ける傾向がある。

腸内フローラ

IBSガス型の原因

腸内環境の乱れ
腸内でガスを生成する菌(メタン生成菌など)が増えることで、過剰なガスが発生します。腸内細菌のバランス(腸内フローラ)が崩れることが関与しています。

食生活の影響
ガスを発生させやすい食品(豆類、炭酸飲料、脂っこい食べ物)を多く摂取すると症状が悪化することがあります。

腸の運動機能の異常
腸の動きが遅い、または過剰に活発であることで、ガスが滞留しやすくなります。

ストレスや心理的要因
ストレスが腸の働きを直接乱し、ガスの生成や排出に影響を与えます。

食物不耐症
乳糖不耐症や小麦のグルテンに対する過敏性が関与している場合があります。

IBSガス型の対処法
1. 食事療法

FODMAPの制限
消化しづらい炭水化物(FODMAP食品)を控える。具体例:玉ねぎ、ニンニク、豆類、小麦製品。

ガスを抑える食品を選ぶ
ご飯、バナナ、ズッキーニなど、消化に優しい食品を摂取する。

2. 腸内環境の改善

プロバイオティクス
腸内細菌を整えるため、乳酸菌やビフィズス菌を摂取。

プレバイオティクス
善玉菌を増やすための食物繊維を適量摂取(過剰摂取は避ける)。

IBSガス型の予後

ガス型IBSは、他のタイプに比べて症状が精神的なストレスに強く影響されるため、適切なストレス管理が改善への鍵となります。また、個人ごとの原因に応じた食事や生活習慣の調整が重要です。

鍼灸治療では、自律神経の調整が可能になるので、腸の働きを促すこともできます。
平井鍼灸院では食事アドバイスやセルフケアも併せてお伝えしておりますので、お悩みの際はお気軽にご相談ください。

心の不安の整え方サムネ

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

江戸川区平井鍼灸院 今木 薫

院長梅田俊【監修】
平井鍼灸院 院長 梅田俊
鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師
鍼灸師
【所属】
2015年~ 日本自律神経研究会
日本自律神経研究会
【資格】
2011年 国家資格はり灸師、あん摩マッサージ指圧師免許取得
2016年 自律心体療法上級者施術認定者取得
2018年 クレニアルテクニック上級施術認定者取得