パニック障害と脳の働き

こんにちは。平井鍼灸院の鈴木開登です。

前回は喉の違和感は自律神経の乱れているサイン!?についてお伝えしました。
https://hirai-harikyu.com/case/case-6233/
よかったら一緒に読んでみてください!

今回は「パニック障害と脳の働き」についてお伝えします。

パニック障害
現在は日本では、年々パニック障害の方が増えています。20年前と比べると約25倍に増えていると言われています。
パニック障害は、突如として激しい不安や恐怖に襲われる発作が繰り返し起こる精神疾患です。パニック発作は、心臓の鼓動が激しくなったり、息苦しさを感じたり、強い恐怖感や死への恐れを伴うことがあります。発作は予期せずに起こり、通常は数分から10分程度続きますが、その後もしばらく不安感が残ることがあります。

パニック障害の主な症状

パニック障害には以下のような症状が起きる場合があります。

  1. 突然の強い不安感: 何の前触れもなく、非常に強い不安感が襲ってきます。
  2. 心拍数の増加(動悸): 心臓が強く、または速く鼓動するのを感じます。
  3. 息切れや息苦しさ: 呼吸が速くなったり、息が詰まる感じがします。
  4. めまい: 頭がくらくらし、倒れそうな感覚を覚えることがあります。
  5. 発汗: 急に汗をかくことがあります。
  6. 震えや手足のしびれ: 体が震えたり、手足がしびれたりします。
  7. 胸の痛みや不快感: 胸が締めつけられるような痛みを感じることがあります。
  8. 吐き気や腹部の不快感: 吐き気がしたり、お腹が不快になることがあります。
  9. 死への恐怖感: このまま死んでしまうのではないかという強い恐怖を感じることがあります。

扁桃体の役割とパニック障害の関係

パニック障害は、脳内の特定の部位である扁桃体が深く関与していると考えられています。扁桃体は、脳の中で感情の処理や記憶の形成に関わる重要な領域で、特に恐怖や不安に関連する反応を司る部分です。

  1. 恐怖や不安の制御: 扁桃体は、恐怖や不安を感じた際に活性化し、身体に「危険が迫っている」という信号を送ります。この信号により、心拍数の増加、呼吸の速まり、筋肉の緊張など、いわゆる「戦うか逃げるか」反応が引き起こされます。これは本来、生命を守るための正常な反応ですが、パニック障害では、この反応が過剰に起こることがあります。

  2. 扁桃体の過剰反応: パニック障害の患者では、扁桃体が過敏になりやすく、通常であれば恐怖を感じないような状況でも過剰に反応してしまいます。このため、突然強い不安感や恐怖感が押し寄せる「パニック発作」が発生します。

  3. 神経伝達物質との関係: 扁桃体の活動は、脳内の神経伝達物質(特にセロトニンやノルアドレナリン)によって調節されています。パニック障害では、これらの神経伝達物質のバランスが崩れることが扁桃体の過剰反応に繋がり、パニック発作を引き起こす一因となっています。

鍼灸による扁桃体への影響

鍼灸治療は、自律神経を整えることで扁桃体の過剰な活動を抑制し、パニック障害の症状を改善に導きます。

  • 副交感神経の刺激: 鍼灸は副交感神経を優位にすることで、リラクゼーションを促進し、扁桃体の過剰な反応を抑えることができます。
  • ストレスホルモンの調整: 鍼灸はストレスホルモン(例えばコルチゾール)の分泌を抑える効果があり、これによって不安感の軽減に寄与します

 

院長梅田俊【監修】
平井鍼灸院 院長 梅田俊
鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師
【所属】
2015年~ 日本自律神経研究会
【資格】
2011年 国家資格はり灸師、あん摩マッサージ指圧師免許取得
2016年 自律心体療法上級者施術認定者取得
2018年 クレニアルテクニック上級施術認定者取得