夏バテは自律神経が関与する

こんにちは。鈴木開登です!
前回の投稿は「ビタミン・ミネラルと自律神経」についてお伝えしました。よかったら読んでみてくださいね!
https://hirai-harikyu.com/case/case-6113/

先週から梅雨には入りましたが、今週も快晴が続いていて暑い日々が続いていていますね。
夏の入り始めは身体が暑さになれていなく特に夏バテを起こしやすいです。
なので、今回は「夏バテは自律神経が関与する」についてお伝えします。

夏バテ

夏バテとは?

夏バテとは、主に暑さと高湿度による環境の変化に体が適応できず、さまざまな不調を引き起こす状態を指します。医学的には「暑気あたり」とも言われ、体力の消耗や水分・ミネラルの不足が原因となります。この状態は、体が通常の調整機能を超えて負担がかかることで発生し、主に以下のような症状を引き起こします。

夏バテの症状

身体的な症状

  • 疲労感: 常にだるく、疲れが取れない感じが続きます。
  • 食欲不振: 食べ物を見ても食欲がわかず、食事が進まないことが多いです。
  • 頭痛: 長時間の暑さにより、頭が重く感じたり、ズキズキと痛むことがあります。
  • めまい: 立ちくらみや軽いめまいが頻繁に発生することがあります。
  • 睡眠障害: 暑さで寝つきが悪く、夜中に何度も目が覚めることがあります。
  • 消化不良: 胃がもたれる感じや、下痢・便秘が続くことがあります。
  • 脱水症状: 口の中が乾き、喉が渇くことが多くなります。

精神的な症状

  • 集中力の低下: 暑さで体力が消耗するため、集中力が続かなくなります。
  • イライラ感: 暑さや湿度による不快感で、気分が落ち込んだり、イライラすることが増えます。

自律神経と夏バテの関係

1. 高温多湿と自律神経

夏の高温多湿な環境は、自律神経に大きな負担をかけます。以下のような要因が自律神経のバランスを乱し、夏バテを引き起こします。

  • 体温調節の負荷増大: 暑さで体温を下げるために大量の汗をかきますが、高湿度により汗が蒸発しにくく、体温調節が難しくなります。この結果、交感神経が過剰に働き、自律神経のバランスが乱れます。
  • 冷房による冷え: 冷房の効いた室内と暑い屋外を行き来することで体温が急激に変化し、体はストレスを感じます。このような状況が続くと、副交感神経の働きが乱れ、体が疲れやすくなります。
2. 水分とミネラルの不足

夏場は汗をかきやすいため、体内の水分とミネラルが失われがちです。これにより、以下のような影響が自律神経に及びます。

  • 脱水症状: 水分不足は血液の粘度を高め、血流が悪くなります。これにより、体の隅々まで酸素や栄養が行き渡らず、疲労感が増します。
  • ミネラル不足: ミネラルは自律神経の正常な働きを維持するために必要です。ミネラル不足になると、神経伝達がうまくいかなくなり、自律神経のバランスが崩れやすくなります。
3. 栄養不足と自律神経

夏バテで食欲が減退すると、体が必要とする栄養素が不足し、自律神経の働きが低下します。特に、ビタミンB群やミネラルの不足は、自律神経の機能に大きな影響を与えます。

  • ビタミンB群: エネルギー代謝を助け、神経の健康を保つために重要です。これが不足すると、疲労感やイライラ感が増します。
  • ミネラル: カルシウムやマグネシウムなどは神経伝達に必要であり、不足すると自律神経の調整が乱れます。

予防策

1. 規則正しい生活リズムを守る

自律神経のバランスを整えるためには、規則正しい生活が不可欠です。以下の点に注意して生活リズムを整えましょう。

十分な睡眠を確保する
  • 質の良い睡眠: 睡眠中は副交感神経が優位になり、体が休息しリフレッシュされます。就寝前にはリラックスした環境を作り、深い眠りを促すことが重要です。
  • 同じ時間に寝る・起きる: 毎日同じ時間に寝て、同じ時間に起きることで体内時計が整い、自律神経の働きが安定します。
定時の食事を心がける
  • 朝食をしっかりとる: 朝食は体内時計をリセットし、交感神経を活性化させる役割を持っています。栄養バランスの良い朝食を摂りましょう。
  • 1日3食を規則的に: 規則的な食事は、消化器系の自律神経を整え、体のリズムを安定させます。

2. 適度な運動を取り入れる

運動は自律神経のバランスを整えるために非常に効果的です。以下のような運動を取り入れましょう。

有酸素運動を行う
  • ウォーキングやジョギング: 有酸素運動は、血流を促進し、交感神経と副交感神経のバランスを整えます。1日20~30分程度の運動を目指しましょう。
  • 水泳: 水中運動は体に負担をかけずに全身を鍛え、体温調節機能を高めるのに役立ちます。
リラックス効果のある運動
  • ヨガやストレッチ: ヨガやストレッチは、副交感神経を優位にし、リラクゼーション効果があります。ストレス解消や筋肉の緊張緩和にも効果的です。
  • 呼吸法の練習: 深呼吸は、副交感神経を活性化させる効果があります。日常的に深呼吸を意識することで、リラックス状態を維持できます。

3. 栄養バランスの良い食事

夏バテ予防には、バランスの取れた食事が重要です。以下の栄養素を意識して摂りましょう。

ビタミンとミネラルを摂取する
  • ビタミンB群: エネルギー代謝を助け、自律神経の働きをサポートします。豚肉や卵、大豆製品に多く含まれています。
  • ビタミンC: 抗酸化作用があり、ストレスに対する抵抗力を高めます。柑橘類やブロッコリー、キウイに豊富です。
  • ミネラル: カルシウムやマグネシウムは神経伝達に必要で、野菜やナッツ、海藻類に含まれています。
水分補給をこまめに行う
  • 水分補給: 暑い時期は汗をかきやすいため、意識して水分を補給しましょう。水や麦茶、スポーツドリンクなどをこまめに摂取することが大切です。
  • 電解質の補給: 汗と一緒に失われる塩分やカリウムを補うため、スポーツドリンクや果物、野菜ジュースも有効です。

4. 冷房の使い方を工夫する

冷房の使い方によって、体温調節機能を維持し、自律神経の乱れを防ぐことができます。

室内温度を適切に保つ
  • 室温調整: 冷房の設定温度は外気温との差を5℃以内に保ち、体温の急激な変化を防ぎます。室温は25~28℃を目安に設定しましょう。
  • 風量を調整: 風量を弱めに設定し、冷風が直接体に当たらないように工夫します。
適度な温度差を保つ
  • 外出時の服装: 室内と外気の温度差を意識して、外出時には適度に体温を調整できる服装を心がけましょう。カーディガンやストールなどを持ち歩くと便利です。
  • 冷房を切り替えるタイミング: 長時間冷房を使用する場合、時々換気をして新鮮な空気を取り入れると、冷えすぎを防ぎます。

5. ストレス管理を行う

ストレスは自律神経の乱れを引き起こす大きな要因です。ストレスを軽減する方法を取り入れましょう。

リラクゼーション法を実践する
  • 趣味を楽しむ: 趣味の時間を持つことで、ストレスを発散し、リフレッシュすることができます。好きなことに没頭することで、心身がリラックスします。
  • マインドフルネス: マインドフルネス瞑想は、今この瞬間に集中することでストレスを軽減し、自律神経のバランスを整えます。
鍼灸治療を利用する
  • 鍼灸の効果: 鍼灸治療は、ツボを刺激することで自律神経のバランスを整え、体調を改善します。特にストレスや疲労が溜まった際には、鍼灸治療を受けることで効果的なリラクゼーションが得られます。

6. 環境の整備

快適な居住環境を整える
  • 風通しを良くする: 室内の風通しを良くすることで、湿気や暑さを軽減し、快適な環境を保つことができます。
  • 湿度管理: 適切な湿度(40~60%)を保つことで、体感温度を調整しやすくなります。加湿器や除湿器を活用して室内の湿度を調整しましょう。
緑を取り入れる
  • 植物の配置: 観葉植物を室内に置くことで、リラックス効果が得られ、自然な形で自律神経を整えることができます。また、植物の蒸散作用で室内の湿度を調整する効果もあります。

本日も最後まで読んでいただきありがとうございました。
平井鍼灸院 鈴木開登

院長梅田俊

【監修】
平井鍼灸院 院長 梅田俊
鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師
【所属】
2015年~ 日本自律神経研究会
【資格】
2011年 国家資格はり灸師、あん摩マッサージ指圧師免許取得
2016年 自律心体療法上級者施術認定者取得
2018年 クレニアルテクニック上級施術認定者取得