湿度と健康の管理

こんにちは!鈴木開登です。

来週から6月に入りますが、毎年6月は身体の不調が起きやすい時期です。また、もともと気圧の変化に弱い方は症状が悪化しやすいです。東洋医学では、湿度の変化が体内のバランスにどのように影響するかを重視しており、その管理が重要とされています。

今回は「湿度と健康の関係」についてお伝えしていきます。

梅雨 体調不良

湿度と健康の関係

湿度は、空気中に含まれる水分の割合を示します。湿度が高すぎたり低すぎたりすると、さまざまな健康問題を引き起こす可能性があります。

高湿度

  • 呼吸器の問題: 高湿度の環境では、カビやダニが繁殖しやすくなり、アレルギーや喘息の症状が悪化することがあります。
  • 熱中症のリスク: 湿度が高いと、体からの熱の放散が妨げられ、体温調節がうまくいかなくなります。その結果、熱中症のリスクが増加します。
  • 皮膚トラブル: 高湿度の環境では、皮膚が過剰に湿ってしまい、湿疹やかぶれなどの皮膚トラブルが起こりやすくなります。

低湿度

  • 乾燥肌と粘膜の乾燥: 低湿度の環境では、皮膚や粘膜が乾燥しやすくなり、乾燥肌や鼻や喉の乾燥が引き起こされます。
  • 感染症のリスク: 粘膜が乾燥すると、防御機能が低下し、ウイルスや細菌の感染リスクが高まります。

東洋医学における湿度の概念

東洋医学では、湿度は「湿気」として体内のバランスに影響を与える重要な要素と考えられています。湿気は体内に停滞しやすく、さまざまな健康問題を引き起こす原因となります。

1. 消化器系の不調

湿気が体内に溜まると、東洋医学では「脾胃(ひい)」が影響を受けるとされています。脾胃は消化吸収を司る臓器であり、湿気が脾胃に影響を与えると、食欲不振や消化不良、胃もたれなどの症状が現れやすくなります。

2. 関節痛

湿気が体内に滞ると、関節に影響を及ぼすことがあります。関節が重く感じたり、痛みを伴うことがあり、特に湿度の高い梅雨の時期や雨の日に症状が悪化することがあります。

3. 倦怠感

湿気が体内に溜まると、体が重く感じ、倦怠感や疲労感が増すことがあります。体内の水分代謝が悪くなることで、むくみや体のだるさが生じることもあります。

 

鍼治療による湿気対策

鍼治療は、湿気が体内に及ぼす影響を軽減するための効果的な方法です。東洋医学の視点から、鍼治療は気(エネルギー)の流れを整え、体内のバランスを回復させることで湿気による症状を緩和します。

代表的な経穴

足三里(あしさんり): 脾胃の機能を強化し、消化不良や胃もたれを改善する効果があります。また、別名〝ツボの王様〟。胃を丈夫にする以外にも、頭痛や倦怠感などに効果があります。
足三里

中脘(ちゅうかん): 胃の働きを助け、消化器系の不調を緩和します。

胃の不快感
陰陵泉(いんりょうせん):
水分代謝を促進し、むくみや体のだるさを解消します。

陰陵泉

日常生活での湿気対策

鍼治療と併せて、日常生活でも湿気対策を行うことが重要です。以下にいくつかの対策を紹介します。

1. 適度な運動

運動は体内の気の流れを促進し、湿気の滞りを防ぎます。ウォーキングやヨガなどの軽い運動が推奨されます。

2. 環境の調整

室内の湿度を適切に保つために、除湿器や加湿器を利用して環境を整えます。理想的な湿度は40~60%です。

3. 食事療法

温性の食材や利水作用のある食材を取り入れることで、体内の湿気を排出しやすくします。以下の食材が推奨されます。

  • 温性の食材: 生姜、シナモン、にんにくなど。
  • 利水作用のある食材: とうもろこしのひげ茶、小豆、冬瓜など。

まとめ

湿気は私たちの健康に大きな影響を与えますが、東洋医学の視点から鍼治療を取り入れることで、その影響を最小限に抑えることができます。鍼治療や日常生活での対策を通じて、体内のバランスを整え、湿気による健康問題を予防しましょう。湿気対策をしっかりと行い、健康な生活を維持するために、東洋医学の知恵を活用してみてください。

本日も最後まで読んでいただきありがとうございます。
平井鍼灸院 鈴木開登

院長梅田俊【監修】
平井鍼灸院 院長 梅田俊
鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師
【所属】
2015年~ 日本自律神経研究会
【資格】
2011年 国家資格はり灸師、あん摩マッサージ指圧師免許取得
2016年 自律心体療法上級者施術認定者取得
2018年 クレニアルテクニック上級施術認定者取得