天候の崩れによる不調をなくす!

こんにちは。平井鍼灸院の鈴木開登です。
前回までは睡眠のお話をさせていただきましたが、今回は「天候の乱れによる不調」についてお伝えします。
低気圧
昔から、気象病の変化によって持ち病が悪化することを「気象病」と呼んでおり、痛みやうつや不安などといった心の病にまつわる病気なども悪化する場合があります。
これらに当てはまるものが多いほど気象病の可能性があります
☑昔から天気の変化には敏感
☑乗り物酔いがしやすい
☑天気により気分の浮き沈みがある
☑のぼせやすかったり、冷えやすかったりする
☑今まであまり運動していなかった又は最近身体を動かす機会が減っている
☑肩こりになりがち
気象病のチェックテストでひとつでも当てはまる項目があった方は知らず知らずのうちに天気の影響を受けて、体の痛みや心の不調を抱えているかもしれません。
実は天気の変化がきっかけで、痛み、めまい、うつ状態に陥る患者さんの数は、みなさんが想像している以上に多いです。
気象病と言っても、日常生活が困難なほどの症状が表れる方、自覚症状がありながらも、本人が天気痛と気がつかずに普通に生活している場合など、症状にはばらつきがあります。また痛みのみならず、めまい、はきけ、モヤモヤする、やる気が出ないという自覚症状も気象病に含まれます。また、現在、うつと診断されている症状の中には、天気の変化が原因で気持ちが落ち込んだり、だるさを感じている人もいるいる場合があります。もちろん、うつ自体が病気のひとつなので、正確な診断を受ける必要はあります。しかし気象病への対策を施すことで、抗うつ剤や精神安定剤といった投薬から抜け出せる方も中にはいます。

気象病
〜天気が及ぼす身体の深い関係とは〜
ホメオスタシスという言葉を聞いたことはありますか?ホメオスタシスとは日本語で恒常性の維持といい身体が外部の環境の変化に惑わされずに一定の状態を保とうとする働きのことをいいます。例えば、体温ですと人には個人差がありますがおおよそ37度くらいに保たれるようになっています。よっぽどのことがない限り、極端に体温が上がったり下がりすることはありません。これも、身体が本来持っている適応力によって人間の体調が一定に保たれているホメオスタシスの例です。そして、ホメオスタシスに大きな役割を果たしているのが、自律神経です。実はこの自律神経こそが天気と切っても切れない関係にあるのです。自律神経は、外部から受ける刺激に対する体の反応を調整する、いわばバランサーのような機能を持っています。自律神経には2つの種類があります。心や体を活動的な方向へと促すのが交感神経、そして興奮した精神や肉体を安らぐ方向へ調整していくのが副交感神経です。人間の体は、この交感神経と副交感神経のバランスがうまく取れている状態がベストコンディションだとされています。ところが何らかの要因で体内の自律神経の調整が上手にいかないと、自律神経失調という状態になって、めまいがしてしまう、だるさを感じるなど、様々な体調不良の原因になります。  自律神経は私たちが生きる上で大きな役割を果たしていますが、気圧の変化という外部の刺激が加わることでも、2つの神経には乱れが生じることがわかってきました。これが気象病の起こる大きな原因です。
自律神経

〜なぜ気圧が自律神経に影響を与えるのか〜
自律神経と気圧の関係を測定した実験結果によると、気圧が下がる(=天気が悪くなる)と、人間の体はこの変化をストレスと感じてそれに抵抗しようと交感神経が優位になります。そして慢性痛のメカニズムから見ると、人間は外部からの負荷を跳ね返そうとする交感神経が活発になればなるほど、痛みが強くなってしまいます。気圧の変化に対応しようと興奮する交感神経により、古傷や慢性痛の痛みの回路が脳内で活性化することで、頭が重くなったり、片頭痛の予兆を感じたりするようになるのです。  一方で、気圧が下がりきると交感神経の活動は安定します。天気痛の方の中で「雨が降り始めると痛みが治まる」という人がいるのは、こういう理由が隠されているのです。

本日も最後まで読んでいただきありがとうございます。
平井鍼灸院 鈴木開登

院長梅田俊【監修】
平井鍼灸院 院長 梅田俊
鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師
【所属】
2015年~ 日本自律神経研究会
【資格】
2011年 国家資格はり灸師、あん摩マッサージ指圧師免許取得
2016年 自律心体療法上級者施術認定者取得
2018年 クレニアルテクニック上級施術認定者取得