更年期障害と自律神経
こんにちは。平井鍼灸院の鈴木開登です。
今回は「更年期障害と自律神経」についてお伝えします。
そもそも、自律神経が乱れるとさまざまな不調が現れますが、なんという病気なのでしょうか?「自律神経失調症」という言葉を聞くことがありますが、自律神経失調症という病名は、正式にはありません。
そのため、「いろいろと不調を訴えるけれども内臓の機能などに異常はない」という場合に便宜的につける病名と思っている医師もおり、怠け病のような誤解がまだ強いといえます。
しかし近年、多くの医師が自律神経失調による不調を認識するようになっており、正式な病名ではないものの「自律神経失調症」として対処してくれるようになってきました。とはいえ、自律神経失調症と診断をされても、自律神経を確実に整える薬は、今のところありません。そのため、頭痛があれば鎮痛剤、精神的に辛い場合は抗不安薬など、対症療法が治療の中心になっています。
近年、自律神経の本格的な研究自体、まだ始まったばかりです。五感として認識できる感覚神経や、動作として認識できる運動神経とは異なり、自律神経は「認識できない」ため、研究がなかなか進まなかったという側面があるからです。日本では日本自律神経学会によって研究が進められており、自律神経の乱れは便宜上「自律神経不全」「自律神経機能障害」として扱われています。
さて、ここから本題の「更年期障害」についてお伝えします。
一般的に、女性の閉経後にあたる45~55歳ごろを更年期といい、このころに起こるホルモンバランスの急激な変化による不調を更年期障害と呼びます。
更年期障害の不調には、ホットフラッシュ(顔がカーツと熱くなりのぼせたようになる)、動悸、イライラ、不眠、便秘、集中力低下などが挙げられます。
通常、女性ホルモンは、視床下部が卵巣に指令を出すことで分泌されます。しかし更年期になると、卵巣の機能が衰えて女性ホルモンが分泌されなくなります。それにもかかわらず、視床下部はあきらめず指令を出し続けるため、自律神経にも混乱が生じて、バランスが乱れてしまうのです。
更年期には、加齢による自律神経の低下も加速しているので、それもあいまって、不調が起こりやすくなっています。
また、男性も中高年になると、男性ホルモンのテストステロンが減ってきます。すると、女性と同様に視床下部が混乱し、倦怠感や集中力の低下、男性機能の衰えなどが発生することがあります。
本日も最後まで読んでいただきありがとうございました。
【監修】
平井鍼灸院 院長 梅田俊
鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師
【所属】
2015年~ 日本自律神経研究会
【資格】
2011年 国家資格はり灸師、あん摩マッサージ指圧師免許取得
2016年 自律心体療法上級者施術認定者取得
2018年 クレニアルテクニック上級施術認定者取得