オートファジーとファスティングの違い|16時間断食の効果と正しいやり方を解説
近年、健康や美容の分野で注目されている「オートファジー」と「ファスティング」。
これらは混同されがちですが、実は意味が異なります。
ファスティングは食事を断つ「行為」を指し、オートファジーはその結果として体内で活性化する「仕組み」のことです。
この記事では、両者の関係性や、オートファジーを活性化させる16時間断食の効果、そして初心者でも安全に取り組める正しいやり方まで、わかりやすく解説します。
オートファジーとファスティングの基本的な違いとは?
オートファジーとファスティングは、健康法やダイエットの文脈で一緒に語られることが多いものの、それぞれが指し示すものは異なります。
簡単に言うと、ファスティングは「断食」というアクションそのものであり、オートファジーはそのアクションによって引き起こされる体内の生命現象です。
両者の正確な意味と関係性を理解することが、効果を正しく得るための第一歩となります。
ファスティングは「食事を断つ行為」そのものを指す
ファスティングとは、英語の「fasting」が語源であり、「断食」や「絶食」を意味します。
つまり、意図的に一定期間、食事(特に固形物)の摂取を断つ行為全般を指す言葉です。
その目的はダイエットや体重管理、胃腸を休ませるための健康維持など多岐にわたります。
近年注目されている「16時間断食」のように1日の中で行う短期間のものから、専門家の指導のもとで数日間かけて行う本格的なものまで、様々な種類や方法が存在します。
オートファジーはファスティング中に体内で起こる「細胞の仕組み」
オートファジーとは、ギリシャ語の「auto(自己)」と「phagy(食べる)」を組み合わせた言葉で、「自食作用」と訳されます。
これは、細胞自身が内部の古くなったり壊れたりしたタンパク質を分解し、新たなタンパク質を合成するための材料として再利用する、細胞内のリサイクルシステムです。
この仕組みは、体が強いストレス、特に飢餓状態に置かれたときに活発になります。
つまり、ファスティングという行為によって空腹の時間が作られると、体内でオートファジーのスイッチが入り、細胞レベルでの生まれ変わりが促進されるのです。
オートファジーの活性化で期待できる4つの健康効果
ファスティングによって体内のオートファジーが活性化すると、私たちの体には様々なメリットがもたらされます。
単に体重が減少するだけでなく、細胞レベルでの修復や再生が促されるため、体質改善やアンチエイジングといった、より根本的な健康効果が期待できます。
ここでは、オートファジーの活性化によって得られる代表的な4つの効果について、そのメカニズムとともに詳しく見ていきましょう。
古くなった細胞が生まれ変わり若々しさを保つ
オートファジーの最も重要な効果の一つが、細胞の生まれ変わりを促進することによるアンチエイジング効果です。
私たちの体内では、日々の生命活動の中で細胞内に老廃物や異常なタンパク質が蓄積していきます。
オートファジーはこれらを分解・除去し、細胞をクリーンな状態に保つ働きをします。
この細胞レベルでのデトックスとリフレッシュが、全身の組織や器官の機能を正常に保ち、若々しさを維持することにつながります。
特に、肌細胞のターンオーバーを助け、シミやシワといった肌トラブルの改善にも良い影響を与えると考えられています。
脂肪の燃焼を促しダイエットにつながる
ファスティングを行うと、食事からエネルギー源である糖質が供給されなくなるため、体はエネルギー産生の方法を切り替えます。
まず肝臓に蓄えられたグリコーゲンを使い切り、その後、体脂肪を分解して「ケトン体」というエネルギー源を作り出します。
この状態になることで、効率的な脂肪燃焼が促進されます。
さらに、オートファジーが活性化すると、細胞内に溜まった脂肪滴も分解の対象となるため、体脂肪の減少を後押しします。
空腹の時間を作ることは、脂肪を溜め込む働きのあるインスリンの分泌を抑えることにもつながり、太りにくく痩せやすい体質へと導く良い循環を生み出します。
内臓を休ませて消化機能をリセットする
1日3食の現代的な食生活では、胃や腸などの消化器官は常に働き続けており、疲弊しがちです。
ファスティングによって食事をしない時間を設けることは、この消化器官に休息を与える貴重な機会となります。
消化・吸収に使われていたエネルギーが、体の修復や細胞の再生へと回されるため、体内環境の改善が期待できます。
特に腸内環境が整うことで、便通の改善や栄養素の吸収効率アップが見込めます。
定期的に内臓を休ませ、その機能をリセットすることは、長期的な健康維持において理想的な習慣と言えます。
体の防御システムを整え免疫力を高める
オートファジーは、細胞内に侵入してきたウイルスや細菌などの病原体を分解し、感染から体を守るという重要な役割も担っています。
この機能は、私たちの体に本来備わっている防御システムの根幹をなし、免疫機能の維持に不可欠です。
オートファジー研究はノーベル賞の対象ともなっており、そのメカニズムには科学的な根拠があります。
また、ファスティングによって腸内環境が改善されることも免疫力向上に寄与します。
体の内側から不要なものを取り除き、防御システムを整えることで、病気に負けない体づくりをサポートします。
初心者でも簡単!16時間断食(オートファジー)の正しいやり方
オートファジーの効果を得るためのファスティングには様々な方法がありますが、初心者でもライフスタイルに取り入れやすく、安全に実践できるのが「16時間断食」です。
これは、1日のうち食事を摂らない時間を16時間、食事を摂る時間を8時間とする方法です。
ルールが非常にシンプルであるため、正しいやり方を理解すれば誰でもすぐに始められます。
ここでは、その具体的な3つのステップを解説します。
ステップ1:1日のうち8時間は自由に食事をとる
16時間断食の基本は、食事をしても良い時間を1日のうち連続した8時間に設定することから始まります。
例えば、「午前11時から午後7時まで」や「正午12時から午後8時まで」のように、自身の生活リズムに合わせて食事可能な時間帯を決めます。
この8時間の中であれば、食事の回数に厳密な決まりはなく、2食または3食など自由に設定可能です。
ただし、食事内容は何でも良いというわけではなく、栄養バランスを考えることが重要です。
この8時間という枠を守ることが、残りの16時間の断食効果を高める鍵となります。
ステップ2:残りの16時間は食事をしない時間にする
食事をして良い8時間以外の、残りの16時間は食事を摂らない時間を設けます。
この16時間という時間は、オートファジーへの効果が期待される時間として注目されています。
一般的に、最後の食事から12時間以上が経過すると、体内でオートファジーのスイッチが入り始めると言われています。
この時間帯は、固形物は摂取しません。
カロリーのある飲み物も血糖値を上昇させ、断食の効果に影響を与える可能性があるため、基本的には避けるようにします。
睡眠時間もこの16時間に含まれるため、上手にスケジュールを組むことが継続のコツです。
ステップ3:断食中の水分はこまめに補給する
16時間の断食中、食事は摂りませんが水分補給は必須です。
固形物を摂らない分、食事から得られる水分がなくなるため、意識的に水分を摂取しないと脱水状態に陥る可能性があります。
1日に合計で1.5リットルから2リットルを目安に、こまめに水分を補給することを心がけます。
飲むものは、水や白湯が最も適しています。
そのほか、糖分やカフェインを含まない麦茶やルイボスティー、ハーブティーなども良いでしょう。
コーヒーや緑茶はブラックであれば少量なら可能ですが、利尿作用や胃への刺激を考慮する必要があります。
16時間断食を無理なく続けるための3つのコツ
16時間断食は比較的取り組みやすい健康法ですが、慣れるまでは空腹感に悩まされたり、生活リズムとの調整が難しかったりすることもあります。
効果を実感するには、一度きりで終わらせず、継続することが重要です。
ここでは、無理なく16時間断食を生活の一部として取り入れ、長く続けていくための3つのコツを紹介します。
少しの工夫で、断食の負担を大きく減らすことが可能です。
空腹感が辛い時はナッツやヨーグルトで乗り切る
断食中にどうしても空腹が我慢できなくなった場合は、完全に断念するのではなく、少量の特定の食品で乗り切るという方法があります。
おすすめは、素焼きで無塩のナッツや、無糖のプレーンヨーグルトです。
これらは血糖値の急激な上昇を抑えつつ、良質な脂質やタンパク質を少量補給できるため、空腹感を和らげるのに役立ちます。
ただし、これはあくまで緊急避難的な対策です。
食べ過ぎは断食の効果を損なうため、ごく少量にとどめるという点を意識して、目的を忘れないようにします。
食事可能な時間帯は栄養バランスの良い食事を心がける
食事を摂ることができる8時間の間は、何を食べるかが非常に重要です。
食事の回数が1日2回などに減る分、1回ごとの食事で必要な栄養素をしっかりと摂取する必要があります。
空腹の反動でジャンクフードや菓子パン、甘いものばかりを食べてしまうと、栄養不足に陥り、かえって体調を崩す原因になりかねません。
筋肉の材料となるタンパク質、体のエネルギー源となる良質な脂質や炭水化物、そして体の調子を整えるビタミン・ミネラルをバランス良く含んだ食事を心がけることが、良い結果につながります。
睡眠時間を断食時間に組み込んで負担を減らす
「16時間も食べない」と聞くと、とても長く辛い時間に感じるかもしれません。
しかし、この16時間には睡眠時間も含まれます。
例えば、夜8時に夕食を終え、翌日の正午に昼食を摂るスケジュールの場合、16時間のうち約8時間を睡眠にあてることが可能です。
そうすると、実際に起きている状態で空腹を感じる時間は実質8時間程度となり、心理的な負担が大幅に軽減されます。
自分の生活パターンに合わせて、夕食を早めに終えるか、朝食を遅めに始めるかを調整し、睡眠時間を断食時間の中に最大限組み込むのが、無理なく続けるための最大のコツです。
始める前に知っておきたい16時間断食の注意点
16時間断食は多くの健康効果が期待できる一方で、いくつかの注意点や潜在的なデメリットも存在します。
特に、やり方を間違えると体に負担をかけたり、期待した効果が得られなかったりする可能性があります。
安全かつ効果的に実践するためには、始める前にこれらのリスクを十分に理解しておくことが不可欠です。
ここでは、特に気をつけるべき3つのポイントについて解説します。
やり方を間違えると筋肉量が減少する可能性がある
長時間の空腹状態は、エネルギー源として体脂肪だけでなく筋肉も分解してしまうリスクを伴います。
特に、食事可能な8時間の中でタンパク質の摂取量が不足していると、筋肉量の減少が起こりやすくなります。
筋肉が減ると基礎代謝が低下するため、長期的には痩せにくく、リバウンドしやすい体質になってしまう可能性があります。
これを防ぐためには、食事の際に肉や魚、卵、大豆製品などから十分なタンパク質を摂取すること、そして可能であれば軽い筋力トレーニングを習慣にすることが非常に重要です。
栄養不足にならないよう食事の質に配慮する
1日の食事回数が減ることで、摂取する総カロリーや食事量も自然と減る傾向にあります。
これにより、体に必要なビタミンやミネラル、食物繊維といった栄養素が不足しやすくなる点に注意が必要です。
食事可能な時間帯には、カロリーだけを気にするのではなく、栄養価の高い食品を選ぶ「食事の質」を重視しなくてはなりません。
加工食品やインスタント食品に頼らず、野菜、きのこ、海藻類など、多様な食材を組み合わせたバランスの取れた食事を心がけることで、栄養不足のリスクを回避できます。
持病がある方や妊娠中・授乳中の方は実践を避ける
16時間断食は基本的に健康な成人を対象としています。
糖尿病で薬を服用中の方や、その他持病がある方は、血糖値の変動などが体に悪影響を及ぼす可能性があるため、必ず実施前にかかりつけの医師に相談してください。
また、胎児や乳児の成長のために十分な栄養が必要な妊娠中・授乳中の方、そして成長期にある子どもは、栄養不足のリスクが大きいため、この方法を実践することは避けるべきです。
自身の健康状態を最優先し、少しでも不安がある場合は自己判断で開始しないようにします。
オートファジーとファスティングに関するよくある質問
オートファジーやファスティングをこれから始めようとする際には、具体的な実践方法について様々な疑問が浮かぶものです。
近年では多くの論文でその効果やメカニズムが研究されていますが、日常生活に落とし込む上での細かな点については、不安を感じることも少なくありません。
ここでは、16時間断食に関して特によく寄せられる質問とその回答をまとめましたので、実践前の参考にしてください。
Q1. 16時間の断食中、飲み物は何を飲んでもいいですか?
水や白湯、カフェインや糖質を含まないお茶など、カロリーのない飲み物が基本です。
麦茶やルイボスティー、ハーブティーは問題ありません。
ブラックコーヒーや緑茶は少量であれば可能ですが、カフェインの過剰摂取には注意が必要です。
ジュースやスポーツドリンク、牛乳や豆乳などのカロリーがあるものは断食の効果を妨げるため避けましょう。
Q2. 毎日16時間断食を続けないと効果はありませんか?
毎日続けなくても効果は期待できます。
まずは週末だけ、週に2〜3日から試すなど、自分のライフスタイルに合わせて無理のない範囲で始めるのが継続のコツです。
16時間ファスティングが難しい日でも、12時間程度の空腹時間を作るだけでも内臓を休ませる効果はあります。
完璧を目指さず、柔軟に取り組むことが大切です。
Q3. 16時間断食で筋肉が落ちるのを防ぐ方法はありますか?
筋肉量減少というデメリットを防ぐには、食事内容の工夫と適度な運動が鍵です。
食事を摂れる8時間の間に、体重1kgあたり1.2g〜1.6gを目安としたタンパク質(肉、魚、卵、大豆製品など)をしっかり摂取しましょう。
加えて、週に2〜3回程度のスクワットや腕立て伏せなどの筋力トレーニングを行うと、筋肉の維持に非常に効果的です。
まとめ
本記事では、オートファジーとファスティングの違いについて解説しました。
ファスティングは食事を断つ「行為」であり、オートファジーはその結果として体内で活性化する「細胞の仕組み」です。
ファスティングの実践方法として紹介した16時間断食は、細胞の若返り、脂肪燃焼の促進、内臓機能のリセットといった様々な効果が期待できます。
実践する際は、食事可能な時間帯の栄養バランスを考え、筋肉量が減少しないように注意を払う必要があります。
自身の体調やライフスタイルに合わせて無理のない範囲で取り入れることが、健康的な体づくりにつながります。
症例・患者さんの声

【監修】
平井鍼灸院 院長 梅田俊
鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師
鍼灸師
【所属】
2015年~ 日本自律神経研究会
日本自律神経研究会
【資格】
2011年 国家資格はり灸師、あん摩マッサージ指圧師免許取得
2016年 自律心体療法上級者施術認定者取得
2018年 クレニアルテクニック上級施術認定者取得
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