梅雨と湿気と湿邪について

こんにちは、平井鍼灸院の石渡です。
本日のテーマは、【梅雨と湿気と湿邪】です。
先週、6月7日に関東の梅雨入りが発表されましたね。
この時期は湿度が高まりジメジメした天気が多く、体調を崩す方も増えています。
実際に当院でも6月に入り、8日間で14名のご新規の方からお問い合わせいただき、自律神経の乱れや耳の不調などがそのほとんどの症状です。
では、湿気が実際どのように身体に影響しているのでしょうか?
梅雨の時期は湿気が増えます。湿気によって、最も影響をよく受けやすいのは胃腸です。食欲がでない、もたれるなどの症状が出やすくなります。
また、湿気は身体の手足の浮腫を生じやすく、身体が重い、怠く感じること。
さらに、湿気により食物の消化力が落ちると、十分なエネルギーが補給されず、疲れやすくなると考えられています。
身体だけでなく、湿気はメンタル的にも影響を与えると考えられ、気分がのらなかったり、落ち込みやすくなる傾向があります。(脾は五志(感情)では憂い)
梅雨の湿気の影響を受けやすいのは体質とも関係があります。もともと胃腸が弱い方、水分を身体に溜めやすく、浮腫がちな体質が、湿気により影響を受けやすいです。
東洋医学的には
脾は燥を好み湿を嫌い、
胃は湿を好み燥を嫌う
と言われますが、
これは脾には湿が、胃には熱が
溜まりやすいことを表し、
さらに、脾と胃はお互いに対立・統一しながら
その機能を発現することを表しています。
その他、脾には湿が停滞しやすいことから、
五悪(五臓が嫌う外気)には
「湿」が配当されています。
日本において「長夏」とは
梅雨の季節にあたるとされており、
雨天によって湿気がたまりやすい時期です。
「脾」は湿に影響を受けやすく
天気による外湿によっても内湿が盛んになり、
その湿をどうにかしようと「胃」も動くため、
脾・胃の両方が亢進することになります。
湿気の多い時は、脾胃の動きを活発にして
湿気を停滞させずに降ろすことを
考えることが大切です。
脾と胃を活発にするために、
湿の多い飲食物を控える、
軽く運動する、
などといったことを心掛け、
全身の気機の循環を良くすることが大切ですね。
是非上記の点を意識してみてくださいね!
《”湿邪(しつじゃ)”とは?》
漢方医学では病気を引き起こす外的要因を「六淫(りくいん)」と呼びます。
古来から中国では、人の周りには「風・寒・暑・湿・燥・火(熱)」の6つの気(エネルギー)があり、
それらが、”邪”となって人間の体内に入り悪さをすることで、病気になると考えられてきました。
“湿邪”は、西洋医学的に表現すると、
湿度の高い環境下で発汗が抑制されることで、体内に水分や老廃物が滞留した状態。
体のいたるところに水分が溜まるので、全身にさまざまな症状が起こります。
《”湿邪”による症状》
▼頭が重い、スッキリしない
▼胸がくるしい
▼食欲がない
▼お腹がはる
▼口が粘っこい、苦い
▼めまいや耳鳴りを感じる
▼夕方足がむくむ
▼いつも眠い
▼疲れやすい
▼生理痛
▼周期の乱れ
▼妊娠しにくい
▼むくむ 
など
《おまけ》
「雨になると古傷が痛む」
低気圧や湿気でむくむことにより血行が妨げられ、完治した皮膚表面の下に残っている傷跡が圧迫されたり、痛みを感知する神経が刺激され起こると言われています。
神経痛やリウマチ・頭痛などの痛みで雨予報する方もいらっしゃいますが、
それが「また痛くなる」というストレスにつながっている場合もあるんです。
血行をよくして、低気圧に備えることをお勧めします。
最後までお読み頂き、
ありがとうございます。
鍼灸師 石渡 圭亮