五十肩とホルモンバランスの乱れの治療実績ー江戸川区 平井 はりー

【自律神経失調症 症状45】
【患者像】
Mさん 50代 女性

※補足
Mさんは50代の女性で、最初の症状は五十肩でした。肩の動きが悪く、夜寝るときや朝起きたときに痛みがある為に、どうしても睡眠の質が下がってしまい、体調不良も併発しておりました。ご自身の体の症状をコントロールすることに悩みを抱えていらっしゃる方でした。

【来院】
 2016.12
※補足
来院後7か月が経ちます。現在は月1回の治療を継続して頂いております。通院するペースに関しては、Mさんの負担がかかりすぎないようにしていきました。ホルモンバランスが崩れる時期には体の調子を保つことが出来ず、来院出来ないときもあります。まだ継続した治療が必要です。

【症状】
主訴:右肩が痛くて眠れない
右肩関節の痛みを発症、体を動かしたり眠るときの姿勢を維持することが出来ない。痛みを常に抱えているので睡眠時に浅眠傾向になっている。交感神経の持続的緊張状態が体に表れていることで副交感神経の働きが弱ってしまい体が疲弊している。

※補足
五十肩の痛みの原因は、上腕二頭筋長頭腱の炎症、肩峰下滑液包の炎症、ローテ―タカフの障害などが考えられます。バスケットネームで五十肩という名前が症状の説明に使われることが多いです。今回、夜眠るときに痛みがあって眠ることが出来ないという症状があるので、肩峰下滑液包炎の可能性と持続的な炎症反応により腱の組織が硬くなり動きが悪くなっている可能性があります。

【治療経過と内容】
治療方針
五十肩の痛みの改善の為に、自律神経の乱れを調整する
肩の痛みの原因は、患部の炎症もしくは肩関節の可動性が障害されているからだと推測し、まずは筋緊張を取り除く治療をしながら炎症を抑えた。また、ホルモンバランスの乱れや体の持続的緊張状態を改善する為に、自律神経失調症の治療も加えて行った。特にPMS(月経前緊張症)の時期には吐き気や不眠、頭がくらくらするような症状が出てきてしまうことも、体の体力をすり減らす原因となっているため治療の方針の中に組み込んでいきました。

※補足
自律神経失調症と五十肩の痛みですが、密接に関係しています。交感神経の持続的緊張状態は、痛みに対して敏感になる状態を創り出します。少しの刺激に対しても反応してしまい、体の不安を痛みによって解消しようとしている状態です。このような西洋医学では痛みの原因が分かりづらい五十肩も、自律神経の乱れを調整することで症状改善に結びつくことがあります。とても興味深い症例です。

【同時に治療した症状】
頭痛、吐き気

※補足
頭痛は、女性の患者さんに多く見られる症状です。また吐き気に関しては、自律神経失調症やうつ病の方に多く見られます。ストレスに対する免疫反応として症状が出てきてしまうのですが、薬で抑圧するよりも自律神経の緊張と緩和のバランスを整えることが必要になります。体はバランスを保つ能力があるので、その力を発揮できる状態を創ることがとても大切です。

【使用した主なツボ】
肩グウ、肩貞

※補足
五十肩の主要穴の2穴は、常に打っていきました。その他にも体のバランスを整える為に、百会や天柱、委中や足三里などの足の治療穴も選択をして方の痛みに対する治療を施しました。

【考察】
Mさんは月1回という治療頻度にもかかわらず、毎月来るたびにお体の症状が改善していきました。この事実を振り返ると、Mさんがどうしても治したいという強い気持ちを持っていたということと、それに対して適宜適切な治療を施すことが出来たから結果につながったのだと思います。体が治る過程では、自分自身の回復力を上げていくことが必要になりますが、心身両面のサポートが必要です。体の痛みは心の投影です。少なからず自律神経の乱れが痛みに関与していることを考えると、根本的な治療を続けることが成果につながると確信しております。諦めずに体の治療を続けていく予定です。
以上です。
最後までお読みいただきありがとうございました。