腱板断裂による夜間痛と可動域制限
こんにちは。平井鍼灸院の鈴木です。
「肩を上げると強い痛みがある」「夜間痛で眠れない」「腕が思うように上がらない」――これらの症状が続いている方は、単なる肩こりや五十肩ではなく 腱板断裂(けんばんだんれつ) の可能性があります。
腱板は肩関節を安定させる重要な筋肉群であり、断裂すると日常生活に大きな支障をきたします。西洋医学的治療だけでなく、自律神経や東洋医学の観点からもケアすることで、回復のサポートが可能です。
腱板断裂とは?
腱板とは、棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋 の4つの筋肉の腱が肩関節を覆うようにして構成されている組織です。
腱板は肩を動かす際に骨頭がずれないよう安定させる働きを持ちます。
しかし、加齢や外傷、繰り返す負荷によって腱が部分的または完全に切れることがあり、これを 腱板断裂 と呼びます。
腱板断裂の症状とは?
肩を挙げる・回すと強い痛み
夜間痛(寝ていると肩がズキズキして眠れない)
腕が上がらず、服の着脱や髪を結ぶ動作が困難
力が入らず、物を持ち上げられない
放置すると筋力低下や関節の変形につながる
四十肩・五十肩と似た症状を示しますが、腱板断裂では関節可動域が制限されつつも、特に「力が入らない」「夜間痛が強い」ことが特徴的です。
西洋医学から見た腱板断裂の原因と治療
原因
加齢による腱の変性:50歳以降で増加
スポーツや労働での酷使:野球、テニス、大工仕事など肩を酷使する動作
外傷:転倒や重量物を持ったときの負荷
西洋医学的治療
保存療法:安静、消炎鎮痛薬、注射、リハビリ
手術療法:断裂が大きい場合は腱板縫合術が検討される
リハビリ:可動域訓練、筋力強化トレーニング
ただし、保存療法でも夜間痛や可動域制限が長引くケースが多く、補助的な治療として自律神経や血流を整えるアプローチが有効です。
自律神経と腱板断裂の関係
腱板断裂そのものは構造的損傷ですが、痛みの慢性化や回復の遅れには自律神経の乱れが関与しています。
交感神経優位 → 筋肉が緊張し、血流が悪化 → 炎症が長引き、痛みが強くなる
副交感神経低下 → 修復や回復が進みにくい
夜間痛 → 睡眠の質が低下し、自律神経がさらに乱れる悪循環
鍼灸ではこの自律神経の乱れを整えることで、痛みの感受性を下げ、血流改善と回復を促進するサポートが可能です。
東洋医学から見た腱板断裂
東洋医学では、腱板断裂のような状態は「筋骨の損傷」「気血の滞り」として捉えます。
主な病態解釈
気血両虚(きけつりょうきょ):気や血が不足し、筋肉や腱が弱って損傷しやすい
瘀血(おけつ):血流が滞り、炎症や慢性の痛みが持続
寒湿(かんしつ):冷えや湿気が関節に停滞し、痛みやこわばりを悪化させる
まとめ
腱板断裂は「ただの肩の痛み」と思われがちですが、実際には日常生活に大きな支障をもたらす疾患です。
西洋医学的治療に加えて、自律神経のバランスを整え、血流や気血の巡りを改善する鍼灸治療を取り入れることで、痛みの軽減・回復力の向上が期待できます。
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