腰痛は筋肉だけじゃない?自律神経と鍼灸からみた新しい視点
こんにちは。平井鍼灸院の鈴木です。
「長時間座っていると腰が重だるい」「動き始めに腰が痛む」——そんな症状でお悩みではありませんか?
その腰痛は「筋筋膜性腰痛」と呼ばれるタイプかもしれません。
筋筋膜性腰痛とは?
筋筋膜性腰痛は、腰椎や椎間板、神経などに明確な異常がないにもかかわらず起こる腰痛の代表的なタイプです。
原因は 腰周囲の筋肉やそれを包む筋膜に生じる微細な損傷や血流障害 で、MRIやレントゲンで「異常なし」と言われることも多いのが特徴です。
急性期はぎっくり腰のような鋭い痛みを起こすこともあり、慢性期には「重だるさ」「鈍痛」「動き始めのこわばり」が中心になります。
西洋医学的視点からの筋筋膜性腰痛
- 筋肉の緊張と疲労
長時間のデスクワーク、不良姿勢、肉体労働などで腰の筋肉が過度に緊張すると、筋線維が持続的に収縮して柔軟性を失います。その結果、筋膜との間で摩擦が生じ、微細な損傷や炎症が発生します。 - 血流障害と酸素不足
緊張した筋肉は血管を圧迫し、血流を妨げます。そのため酸素や栄養が不足し、代謝産物(乳酸など)が蓄積。これらは痛みを誘発する物質を放出し、腰痛を悪化させます。 - トリガーポイントの形成
筋肉や筋膜に「しこり(硬結)」ができると、局所の痛みだけでなく、臀部や大腿部、時には下腿まで関連痛が広がります。これが坐骨神経痛と混同されやすい要因のひとつです。
自律神経との関係
筋筋膜性腰痛は単なる肉体疲労ではなく、ストレスや自律神経の乱れ と深く関わっています。
交感神経の過緊張
精神的ストレスや不安は交感神経を刺激し、血管収縮 → 血流低下 → 筋緊張を招きます。副交感神経の低下
本来、休息時に副交感神経が働くことで筋肉は緩み、修復が行われます。ところが交感神経が優位に傾くと回復が妨げられ、慢性化します。痛みとストレスの悪循環
腰痛が続くことで「また痛くなるのでは」という不安が増し、交感神経がさらに過活動 → 筋肉が硬直 → 痛み悪化、という悪循環が形成されます。
東洋医学から見た筋筋膜性腰痛
東洋医学では、腰痛を「腰は腎の府」として腎の弱りと関連づけて捉えると同時に、気血の流れや外邪(冷えや湿気)の影響とも結びつけて考えます。
気血瘀滞(きけつおたい)
血流が滞り、痛みが固定して強くなるタイプ。局所のこわばりや鋭い痛みが特徴です。腎虚(じんきょ)
腎の力が弱まり、腰を支えるエネルギーが不足して慢性的な腰痛に。加齢や慢性疲労でよく見られます。寒湿(かんしつ)
冷えや湿気により気血が停滞し、腰の重だるさや雨天時の悪化を伴います。
鍼灸でよく用いられるツボ
腰痛点(ようつうてん):手にある腰痛の特効穴
腎兪(じんゆ):腎の働きを高め、腰を強化
志室(ししつ):腰部の血流改善
足三里(あしさんり):全身の気血を整え疲労回復
委中(いちゅう):下肢から腰までの経絡を通す
まとめ
筋筋膜性腰痛は、筋肉や筋膜の過緊張・血流障害によって起こる腰痛であり、ストレスによる自律神経の乱れが慢性化の大きな要因です。
西洋医学では「筋肉と血流」、東洋医学では「気血・腎の弱り・寒湿」といった視点から捉えることができ、鍼灸治療はその両面にアプローチできます。
根本的な改善には、筋肉をゆるめるだけでなく、自律神経を整え、体質そのものを改善することが重要です。
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