歩くと股関節が痛い…その原因は自律神経?鍼灸で整える根本改善
こんにちは。平井鍼灸院の鈴木です。
「歩くと股関節がズキッと痛む」「座っていると股関節が重だるい」「夜中に痛みで目が覚める」――そんな経験をされた方は少なくありません。
股関節は、体の中でも最も大きな関節であり、歩行や立位、階段の昇降などあらゆる動作に関わっています。そのため、股関節にトラブルが起こると、日常生活の質が大きく低下してしまいます。
しかし、股関節痛の原因は単なる「加齢」や「使いすぎ」だけではありません。骨や筋肉の異常に加えて、自律神経の乱れや体質の影響も強く関与しています。今回は股関節痛について、西洋医学と東洋医学の両面から詳しく解説し、鍼灸によるアプローチをご紹介します。
股関節痛とは?
股関節痛とは、骨盤と大腿骨をつなぐ股関節やその周囲に痛みや違和感が生じる状態のことを指します。股関節は「球関節」と呼ばれ、骨盤のくぼみ(寛骨臼)に大腿骨の骨頭がはまり込む構造になっており、自由度の高い動きが可能です。
しかし、この関節は日常的に体重の負荷を強く受けるため、損傷や変形が起こりやすい部位でもあります。股関節痛は一時的な筋肉のこわばりによって起こる場合もあれば、慢性的な疾患が背景に隠れていることもあります。
股関節痛の症状とは?
股関節痛の症状は人によって異なりますが、以下のような特徴が一般的です。
歩行時や階段昇降時に痛み
特に下り階段や長距離歩行で股関節に負担がかかりやすい。動き始めのこわばり
朝起きて歩き始めたときや、椅子から立ち上がるときに痛みが強い。股関節の可動域制限
正座やあぐらができなくなる、足の爪を切りにくいなど。夜間痛や安静時痛
炎症が強い場合、寝ているときにもズキズキと痛みが続き、睡眠の質を下げる。放散痛
股関節だけでなく、太ももや膝、腰にまで痛みが広がることがある。
これらの症状は、進行するにつれて慢性化しやすく、生活のあらゆる場面に影響を及ぼします。
西洋医学から見た股関節痛の原因
西洋医学的には、股関節痛の原因は以下のように分類されます。
変形性股関節症
関節軟骨がすり減ることで骨同士が接触し、炎症や変形を起こす疾患。特に女性に多く、先天性股関節脱臼の既往がある人に発症しやすい。関節唇損傷
股関節の安定性を保つ関節唇が損傷し、鋭い痛みや引っかかり感を生じる。スポーツ選手に多い。大腿骨頭壊死
血流障害により大腿骨頭の骨組織が壊死する病態。激しい痛みを伴い、進行すると人工関節が必要になる場合もある。筋肉や腱の炎症
股関節を支える中臀筋・小臀筋や腸腰筋が硬直すると、付着部に炎症(腱炎や滑液包炎)が生じる。外傷や姿勢の問題
スポーツによる繰り返しの負担、または骨盤や腰椎の歪みによって関節への負担が増し、痛みが悪化する。
自律神経と股関節の関係
股関節痛は「物理的な負担」だけではなく、「自律神経の乱れ」が大きく関わっています。
交感神経の過剰興奮
ストレスや緊張で交感神経が優位になると、股関節周囲の筋肉(大腿四頭筋や腸腰筋)が硬直し、血流が悪化。酸素や栄養の供給不足により痛みが悪化。副交感神経の低下
休息や修復に関与する副交感神経が働かないと、炎症が長引き、回復が遅れる。痛みの悪循環
痛み → ストレス → 自律神経の乱れ → 筋緊張と血流障害 → さらに痛み、というループが形成されやすい。
このため、股関節痛を根本から改善するには「関節そのもの」だけでなく「自律神経のバランス」を整えることが重要になります。
東洋医学から見た股関節
東洋医学では、股関節痛を「気血の滞り」や「腎・肝の不調」と関連付けて考えます。
腎虚(じんきょ)
腎は骨や関節を司る臓とされ、腎が弱まると骨の変形や慢性痛につながる。特に加齢や過労と関連が深い。肝気鬱結(かんきうっけつ)
肝は筋肉や腱を支配しており、ストレスが続くと気の流れが滞り、股関節のこわばりや痛みが出やすい。瘀血(おけつ)
血流が悪くなり、古い血が滞ることで局所的な鋭い痛みを伴う。冷えや同じ姿勢が続くことで悪化。
鍼灸でのアプローチ
環跳(かんちょう):股関節の局所治療点。血流促進。
殷門(いんもん)、委中(いちゅう):下肢後面の緊張を緩和。
腎兪(じんゆ)、太谿(たいけい):腎を補い慢性的な関節痛を改善。
肝兪(かんゆ)、太衝(たいしょう):肝気を巡らせ、筋肉の柔軟性を回復。
鍼灸治療では「局所」と「全身」を同時に整えることで、痛みの緩和と再発予防を目指します。
まとめ
股関節痛は、関節や軟骨の損傷だけではなく、自律神経の乱れや体質の不調が関与しています。
西洋医学では「軟骨や靭帯の問題」、東洋医学では「腎や肝の虚弱」「気血の滞り」が根本的な要因とされます。
鍼灸は、筋肉のこわばりをほぐすだけでなく、自律神経を整え、身体全体のバランスを改善することで股関節の痛みに根本的にアプローチできます。
「股関節の痛みで歩くのがつらい」「慢性的にだるさが続く」という方は、ぜひ一度ご相談ください。
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