後頭神経痛かも?偏頭痛や緊張型頭痛との違いと鍼灸による改善
こんにちは。
平井鍼灸院の鈴木開登です。
当院には、「首の後ろから頭の後ろにかけて、ズキッ・ピリッと電気が走るような痛みがある」というご相談で来院される方が多くいらっしゃいます。
この症状は後頭神経痛(こうとうしんけいつう)と呼ばれ、偏頭痛や緊張型頭痛とは異なる性質を持つ神経痛です。
放置していると痛みが慢性化し、肩こり・めまい・不眠なども併発しやすくなります。
今回は、後頭神経痛の原因・自律神経との関係・東洋医学的な見方・鍼灸による改善方法について詳しくお伝えします。
後頭神経痛の主な症状
-
後頭部(耳の後ろ〜首の付け根あたり)の片側または両側に鋭い痛み
-
「ピリッ」「ズキッ」と電気が走るような感覚
-
数秒〜数分の短い痛みが繰り返し起こる
-
痛みとともに頭皮が過敏になり、髪に触れるだけでも不快
-
首や肩のこり、しびれを伴うこともある
後頭神経痛とは?
後頭神経痛は、首の後ろから頭の後ろにかけて走る「後頭神経」が刺激されて起こる痛みです。
主に第2〜3頸椎(首の骨)から出ている神経(大後頭神経・小後頭神経・第三後頭神経)が関わります。長時間のスマホやデスクワークなどで首の筋肉がこわばると、神経の周りの血流が悪くなり、酸素不足で神経が敏感になります。すると後頭部に「ズキッ」「ビリッ」と電気が走るような痛みや、押すと響くような感覚が現れます。
一般的には片側に出ることが多いですが、両側に出る場合もあります。ストレスや緊張で自律神経が乱れると筋肉のこわばりや血管の収縮が悪化し、症状が長引くこともあります。痛みが続くと、神経が傷ついて少しの刺激でも強く痛む状態(中枢性感作)になることがあります。
後頭神経痛の主な原因
姿勢による首の筋緊張
長時間のスマホ操作やデスクワークなど、頭を前に突き出す姿勢は首の後ろ側の筋肉に負担をかけます。
特に僧帽筋や後頭下筋群がこわばると、その近くを走る大後頭神経や小後頭神経が圧迫されやすくなります。筋肉が硬くなると血流が悪化し、神経が酸素不足になり敏感になります。さらに、緊張状態が続くと痛み物質が蓄積し、神経を直接刺激することで鋭い痛みや電撃痛が発生します。このような姿勢性の原因は日常的に起こりやすく、放置すると慢性化するため早めの対処が必要です。
外傷や首の負担
交通事故やスポーツ外傷、転倒によるむち打ちなどで首に衝撃が加わると、後頭神経を取り巻く組織が炎症や損傷を受けます。炎症が続くと神経が圧迫されやすくなり、痛みやしびれが慢性的に残ることがあります。また、重い荷物を持つ、急に首をひねるといった動作も、神経や筋肉、靱帯に過剰な負担をかけます。急性期は炎症を抑えることが重要ですが、その後も首の柔軟性を保つケアを怠ると再発リスクが高まります。
自律神経の乱れ
自律神経は筋肉や血管の働きをコントロールしています。強いストレスや過労、睡眠不足が続くと交感神経が優位になり、血管が収縮して首や後頭部の血流が悪化します。血流が滞ると筋肉は硬くなり、後頭神経が圧迫されやすい状態になります。さらに交感神経が過剰に働くと痛みの感受性も高まり、本来なら感じない刺激でも痛みを感じやすくなります。これが慢性的な後頭神経痛の背景にある「悪循環」です。血流改善とリラックスが症状緩和に直結します。
頚椎の変形や構造的異常
加齢や長年の負担によって頚椎(首の骨)が変形すると、その間を通る神経が圧迫されやすくなります。特に頚椎症や椎間板ヘルニアでは、骨棘(こつきょく:骨のとげ状の変化)や突出した椎間板が神経や血管に干渉し、後頭部の痛みを引き起こします。構造的な問題は生活習慣だけでは改善が難しく、適切な医療的評価が必要です。また、骨や関節の変化は周囲の筋肉にも緊張をもたらし、二次的に神経を圧迫するため、リハビリや鍼灸による緊張緩和も重要です。
東洋医学から見た後頭神経痛
東洋医学では、後頭神経痛は「気血の滞り」や「風邪(ふうじゃ)」の侵入、腎虚による弱りなどが関与すると考えます。
よく見られるタイプ
-
風寒型(ふうかんがた)
首筋の冷えや外風により気血が滞り、痛みを発するタイプ。冷えると悪化。 -
気滞血瘀型(きたいけつおがた)
ストレスや姿勢不良で気血の巡りが悪くなり、痛みが断続的に出る。 -
腎虚型(じんきょがた)
慢性疲労や加齢による腎精不足で、首〜後頭部の弱りから痛みが出る。
後頭神経痛に使われる代表的なツボ
-
風池(ふうち):後頭部の血流改善、首肩の緊張緩和
-
天柱(てんちゅう):後頭部痛、めまい、眼精疲労に有効
-
完骨(かんこつ):首こり、後頭部の痛みの緩和
-
合谷(ごうこく):全身の痛み、緊張緩和、自律神経調整
まとめ
後頭神経痛は、神経の圧迫や炎症といった物理的な要因だけでなく、自律神経の乱れや血流障害が深く関わっています。長時間の同じ姿勢やストレス、睡眠不足は症状を悪化させるため、生活習慣の見直しが重要になります。東洋医学の鍼灸治療は、首や肩の緊張を和らげ、血流と自律神経のバランスを整えることで、痛みの根本改善をサポートします。
後頭部の鋭い痛みや違和感でお困りの方は、お気軽にご相談ください。
関連記事
info_outline平井鍼灸院
- 住所
- 〒132-0035
東京都江戸川区平井4丁目11−3 サンライズエンドウII 4階 - 電話番号
03-3683-7670
- 営業時間
- 火水金 10:00~20:00
土日 9:00~17:00 - 休業日
- 月曜・木曜・祝日
- アクセス
- JR総武本線平井駅から徒歩1分