うつ病と診断される前に。東洋医学でみる心と体のSOSサイン
こんにちは!
平井鍼灸院の鈴木開登です。
前回は「肩こりがつらいあなたへ。原因は“姿勢”だけではありません」についてお届けしました。
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今回は、当院にご相談が増えている「うつ病・抑うつ状態」について、鍼灸と自律神経・東洋医学の視点から詳しく解説します。
このような状態に、心当たりはありませんか?
- 朝、起きるのがつらく布団から出られない
- やる気が出ない、好きだったことにも興味が持てない
- 頭が重い・思考が鈍い・人と話すのが億劫
- 眠れない、あるいは寝ても疲れが取れない
- 涙もろくなったり、イライラが続いたりする
- 身体がだるく、動きたくない
これらはうつ症状のサインかもしれません。単なる「気分の落ち込み」とは異なり、脳と自律神経の機能的な不調が背景にあります。
うつ病とは?
“心の病”ではなく、“脳と神経の疲労”
うつ病は、「こころの甘え」や「性格の弱さ」と誤解されがちですが、実際には脳内の神経伝達物質(セロトニンやドーパミン)のバランスが崩れた状態です。
それに加えて、自律神経の乱れが睡眠や内臓、ホルモンの働きにも悪影響を及ぼし、心と身体の両面が疲れ切っている状態といえます。
うつ病の主な原因とは?
複数のストレスと身体の蓄積疲労が引き金に
- 慢性的な心理的ストレス(仕事・人間関係など)
- 環境の変化(転職・結婚・引っ越しなど)
- 過労や睡眠不足などの身体的ストレス
- ホルモンバランスの乱れ(更年期、出産後など)
- 真面目・責任感が強い・頑張りすぎる性格
- 脳や自律神経の調整機能の低下
これらが重なってくると、「疲れが抜けない」→「気分が落ち込む」→「何もしたくない」という悪循環に入ります。
うつ病と自律神経の関係
“交感神経優位”が続くと、脳が休まらない
ストレスが長く続くと、交感神経が過剰に働くことで脳や神経が常に緊張状態になり、休息ができなくなります。
本来、夜間は副交感神経が優位になって心身を回復させますが、うつ状態ではこの切り替えがうまくできません。そのため、眠っても休まらない/朝から疲れているといった症状が現れやすくなるのです。
東洋医学から見たうつ症状のメカニズム
「気の滞り」と「内臓の疲労」が原因
- 肝の気滞:ストレスで“気”の流れが滞り、情緒不安・イライラが出る
- 心の虚:睡眠不足や精神疲労で心のエネルギーが低下する
- 脾の虚:胃腸が弱り、身体も心も活力を失う
- 腎虚:慢性的な疲労・不安・冷えの影響で「やる気」が湧かなくなる
東洋医学では、「気・血・水」の巡りが悪くなることで情緒・思考・睡眠・消化すべてが崩れていくと考えられています。
鍼灸でのうつ症状へのアプローチ
🎯 ツボ刺激で神経と内臓を穏やかに整える
- 百会(ひゃくえ):頭頂のツボ。脳の緊張緩和、気分の安定に
- 神門(しんもん):手首のツボ。不眠・不安感の緩和に
- 内関(ないかん):胸の不快感や自律神経の安定に効果的
- 太衝(たいしょう):イライラや情緒不安定に。肝の気を巡らせる
- 足三里(あしさんり):体力回復、胃腸の強化にも
まとめ:心の不調は「脳と神経の疲労」です
「怠けているだけ」「やる気がないだけ」と誤解されがちですが、うつ病は神経や体の不調からくる“本物のつらさ”です。
当院では、薬だけに頼らず、東洋医学と自律神経調整を組み合わせた鍼灸施術で、あなたの心身をゆるやかに整えていきます。
眠りが深くなり、呼吸が楽になり、少しずつ「自分らしさ」が戻ってくる――
そんな変化を一緒に感じていきませんか?
本日も最後まで読んで頂きありがとうございます。
平井鍼灸院 鈴木開登
【監修】
平井鍼灸院 院長 梅田俊
鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師
鍼灸師
【所属】
2015年~ 日本自律神経研究会
日本自律神経研究会
【資格】
2011年 国家資格はり灸師、あん摩マッサージ指圧師免許取得
2016年 自律心体療法上級者施術認定者取得
2018年 クレニアルテクニック上級施術認定者取得
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