口の中の感覚がおかしい原因は?自律神経の乱れや病気の可能性を解説
口の中の感覚が変だと感じる場合、その原因は多岐にわたります。
ストレスによる自律神経の乱れが唾液の分泌に影響を与えていることもあれば、口腔内のトラブルや全身の病気が隠れている可能性も否定できません。
近年では、コロナの後遺症として味覚や嗅覚に異常をきたすケースも報告されています。
原因が分からず不安に思うかもしれませんが、考えられる要因は一つではありません。
この記事では、口の中の不快な症状について、その原因や対処法を解説します。
「口の中の感覚がおかしい」と感じる具体的な症状例
口の中の感覚がおかしいという訴えには、様々な症状が含まれます。
例えば、「口の中がネバネバする」「味が分かりにくい」「舌がピリピリ、ヒリヒリと痛む」「何も食べていないのに苦味や塩味を感じる」「ザラザラとした異物感がある」「口や喉が異常に乾く」といった感覚です。
これらの症状は単独で現れることもあれば、複数が同時に生じることもあります。
はっきりとした痛みや異常ではないものの、何か変だという漠然とした不快感が続くのが特徴です。
口の違和感は自律神経の乱れが影響している可能性がある
口の中が変だと感じる原因の一つに、自律神経の乱れが挙げられます。
自律神経は、体を活動的にする交感神経と、リラックスさせる副交感神経がバランスを取りながら内臓の働きを調整しています。
しかし、過度なストレスや不規則な生活が続くとこのバランスが崩れ、交感神経が優位な状態が続きます。
交感神経は唾液の分泌を抑制する働きがあるため、口の中が乾く、ネバネバするといった不快な症状を引き起こすことがあります。
これが、口の中の感覚がおかしいと感じる一因となります。
検査で異常が見つからない場合に考えられる「口腔異常感症」
歯科や耳鼻咽喉科などで検査を受けても、虫歯や歯周病といった明らかな原因が見つからないにもかかわらず、口の中の不快な症状が続く場合があります。
このような状態は「口腔異常感症」と呼ばれている可能性があります。
舌がヒリヒリと痛む(舌痛症)、口の中が乾く(口腔乾燥症)、味覚がおかしいなど、症状は多岐にわたりますが、いずれも検査上の所見がないのが特徴です。
口の中が変だという感覚だけがはっきりと存在するため、患者さんにとっては非常につらい状態といえます。
ストレスや心理的要因が口腔異常感症を引き起こすメカニズム
口腔異常感症は、ストレスや不安、うつ病といった心理的な要因が深く関わっていると考えられています。
強いストレスがかかると、脳内で痛みを抑制する神経伝達物質の働きが低下し、通常なら気にならないような些細な刺激でも痛みとして感じやすくなることがあります。
また、不安感から口の中に意識が過剰に集中してしまい、唾液の粘つきや舌の表面の凹凸といった生理的な感覚を「何か変だ」と異常なものとして捉えてしまうケースもあります。
このように、心理的な要因が脳の感覚の認識システムに影響を及ぼし、客観的な異常がないにもかかわらず、つらい症状を引き起こすのです。
口の違和感を伴う自律神経以外の病気
口の中が変だと感じる原因は自律神経の問題だけではありません。
虫歯や歯周病、不適合な詰め物や入れ歯、口腔カンジダ症のような感染症、舌の痛みを生じる舌痛症なども考えられます。
また唾液の分泌が極端に減少するシェーグレン症候群や、味覚に影響を与える亜鉛の欠乏、貧血、糖尿病といった全身の病気が潜んでいる可能性もあります。
さらにコロナウイルス感染症の後遺症として、味覚や嗅覚に異常が残り、口の中の感覚に違和感を覚える人もいます。
口の感覚がおかしいと感じたら何科を受診するべき?
口の中が変だと感じたら、まずは口内を直接診察できる歯科、口腔外科、または耳鼻咽喉科を受診するのが一般的です。
これらの診療科では、虫歯や歯周病、粘膜の病気、唾液腺の異常など、器質的な問題がないかを調べます。
問診や視診、レントゲン検査などを行っても特に原因が見つからず、ストレスなどの心理的要因が疑われる場合は、心療内科や精神科への相談が選択肢となります。
どの科を受診すればよいか迷う場合は、まずかかりつけの歯科医に相談してみるのも一つの方法です。
病院で行われる主な検査と治療アプローチ
医療機関では、口の中が変だと感じる原因を特定するために様々な検査を行います。
歯科や口腔外科では、問診に加えて視診や触診で口腔粘膜の状態を確認し、レントゲン検査で歯や顎の骨に異常がないか調べます。
唾液の分泌量を測定する検査や、血液検査で亜鉛不足や糖尿病、貧血などの全身疾患の有無を確認することもあります。
治療は原因によって異なり、虫歯や歯周病があればその治療を行い、口腔カンジダ症には抗真菌薬が処方されます。
口腔乾燥に対しては保湿剤や唾液分泌促進薬を使用し、原因が心理的なものと考えられる口腔異常感症の場合は、カウンセリングや抗うつ薬、抗不安薬による治療が検討されます。
日常生活で試せる口の不快感を和らげるセルフケア
医療機関での治療と並行して、生活習慣を見直すことで口の中の不快感を和らげられる場合があります。
自律神経のバランスを整えるために、十分な睡眠と休息をとり、ストレスを溜めないように趣味やリラックスできる時間を持つことが有効です。
食事は栄養バランスを考え、特に亜鉛やビタミンB群を意識して摂取すると良いでしょう。
また、口の中の乾燥を防ぐためにこまめに水分を補給したり、唾液の分泌を促すためにガムを噛んだり、よく噛んで食事をしたりすることも試せます。
口の中が変だと感じる不快感に意識を向けすぎず、気分転換を図ることも大切です。
まとめ
口の中の感覚が変だと感じる原因は、自律神経の乱れやストレス、特定の疾患など多岐にわたります。
検査をしても異常が見つからない口腔異常感症の可能性もあれば、虫歯、栄養不足、あるいはコロナ後遺症といった明確な原因が潜んでいる場合もあります。
不快な症状が続く場合は、自己判断で放置せず、まずは歯科や耳鼻咽喉科といった医療機関を受診してください。
そこで器質的な問題がないと診断された場合は、心療内科など他の診療科への相談も視野に入れます。
原因に応じた適切な対処とセルフケアを組み合わせることで、症状の改善が期待できます。
症例・患者さんの声

【監修】
平井鍼灸院 院長 梅田俊
鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師
鍼灸師
【所属】
2015年~ 日本自律神経研究会
日本自律神経研究会
【資格】
2011年 国家資格はり灸師、あん摩マッサージ指圧師免許取得
2016年 自律心体療法上級者施術認定者取得
2018年 クレニアルテクニック上級施術認定者取得
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