心臓の負担増による動悸症状の改善例ー平井 江戸川区 はりー

【自律神経失調症 症状44】
【患者像】
Sさん 20代 男性
※補足
Sさんは20代の男性で、一見自律神経失調症を呈しているとは思えない、健康的な顔をしています。
これから社会の最前線で活躍するSさんの体調回復は、これからの日本を創る為に必要なのではないかと思っています。事実、現在の症状でどこを受診したらよいのか分からない、とりあえず西洋医学を受診して、様子を見る方が多いです。東洋医学の施術領域の症状であれば、西洋医学と並行して進めていくことが最善であると、この方にはお伝えしました。
【来院】
 2017.6
※補足
来院後1か月が経ちました。通院ペースは週1回を目安に進めております。最初の2か月~3か月は週1回もしくは5日に1回ぐらいの通院ペースで、初期治療を進めていきます。Sさんに関しては、5日に1回のペースが有効だと伝え、そのようにご来院頂いております。
【症状】
主訴:動悸、不安感
内装業の仕事をしている最中、急に動悸や不安感に襲われることがある。西洋医学で心療内科を受診したが、薬を飲むことに抵抗があるため来院。特定の人との人間関係で悩んでいるが、今現在は一緒に仕事をする機会も減らしてもらい、心の状態は安定している。原因と思われた人間関係を排除しても症状が好転せずに、体調不良を維持している。
※補足
動悸は心臓の血流不足とストレスに対する抵抗反応(交感神経緊張状態)から発症することが多いので、自律神経の働きを調整しながら心臓の働きを補助する施術をプラスして行いました。動悸や頭痛、これから先の未来に対しての不安感以外、体には異常な所見がないので、アプローチ方法は東洋医学がメインで経過観察を行っている。
【治療経過と内容】
治療方針
心臓の負担を取り除き、首の血流を改善する
現在ストレスはないとのことだが、明らかにまだ体に症状が残っていることを考えると、他の原因が体に作用をしていることを懸念している。施術を受け始めてから動機はほとんど出ていないが、骨格の歪みからくる精神的不安定性や慢性的な血行不良が原因で動悸が起こっていると診立て、心臓の負担を取り除く鍼と首の血流改善を主に経過観察を行っている。経過は良好。
※補足
首の血流と心臓の機能補助とは密接な関係がある。首は交感神経緊張状態を呈する人には硬さがみられるポイントで、感情の抑圧症状(我慢)の結果筋緊張が持続的に入り交感神経緊張を誘発します。体は常にストレスに対して反応を示しているので、自分自身が気づかないという状況も非常に多い。自律神経失調症やうつ病の方の身体所見上、首はとても重要な要素を占めている。
【同時に治療した症状】
頭痛
※補足
頭痛は、交感神経緊張状態の方に多く見られる症状。緊張型頭痛、偏頭痛、群発頭痛など種類は様々だが多くは感情抑圧状態が持続することによる血流不足で、三叉神経が刺激されて痛みが出ることが考えられる。
【使用した主なツボ】
壇中、中府
※補足
壇中は心臓の機能補助、中府は肺の機能改善。肺は心臓の活動の元である血を補う作用があるため、今回このような施術内容となっている。
【考察】
Sさんは、自分ではストレスだと思っていないことが、ストレスになっている方でした。脳が思っていることと体に出ている症状に不一致が起こっている場合、多くは勘違いといわれることが多いです。しかし事実、体に起こっている反応を考えると、勘違いではなく必然的に起こっているといえます。体は常に悲鳴を上げていても、気づかないで生活をしていることが多いのではないかと、感じました。
自律神経の乱れは交感神経が緊張しやすい方、副交感神経が働き易い方、どの立場でもあり得ることです。
バランスが大切なので意識しましょう。